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DTM用に200V電気工事をした話

音が良くなると言われる200V電源工事をいつかやりたいと思っていましたが、長年の夢叶い、自宅の仕事部屋に200Vを引く工事が完了しました。

ちなみに、電源周りに投資すること自体は既に経験をしており、プロケーブルさんのアイソレーショントランスを購入して、もう8年くらい使っています。

Step One DTM School自由が丘教室としてお借りしている賃貸物件(以下、仕事場)ということもあって、壁コンセント100Vの環境ではありますが、アイソレーショントランスの効果はハッキリ出ていて、とてもミックスがやりやすくなったし、自分の制作環境で出ている音をTDで商業スタジオに持ち込んでも、それほど違和感を感じないレベルまで音質向上することが出来ましたので、賃貸物件で出来ることとしては満足していました。

しかし、仕事場ではあくまで100V壁コンセントから機材までの間に電源トランスをかましているだけなので、電源トランスのスペックをフルで活用しているわけではないと思われ、今回、自宅の仕事部屋に引き込んだ200V電源でどれだけ音が変わったのか、工事の方法など私なりのレビューをしたいと思います。


200Vを簡単な工事で引き込むための条件について


DTM用に200Vを引き込んでいる方でネット上に情報を公開してくださっている方はたくさんいらっしゃいます。

私もネットで情報収集し、配電盤(分電盤)に200Vが来ていることがわかっていました。


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ブレーカーに3本来ていると200Vが宅内に引き込まれているとのことで、電柱から改めて200Vを引き込まないといけないと言った大掛かりな工事は不要。


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よくよく子ブレーカーを見てみると、200Vに切り替えることが出来るような記載があります。


本当に200Vを自宅DTM部屋に引き込めるのか、不安だったこと


しかし、電気工事屋さんに依頼する前に不安に思っていたことは、どのように配電盤(分電盤)から仕事部屋に200Vを引き込むのかということ。

というのも、仕事部屋と配電盤(分電盤)がある洗面所は同じ1Fにあるものの、私の自宅はキチキチに建てられた木造3階建て。

何がキチキチに建てられているかというと、木造2階建てと比べて1Fの天井と2Fの床に隙間がほとんどなく、壁の中は隙間がありますが、壁を剥がして自由にケーブルを這わせることなんて大掛かりなことは出来ない(というより、リフォームしたいわけじゃないのでやりたくない)。

この不安については、業者に来ていただいて見積もり&下見の時に1F仕事部屋にある使用していない電話線を使えば可能と言われていましたが、話だけではイマイチ具体的なイメージが湧かず、とりあえず200Vを引き込めるんだな...程度に思っていました。

で、実際の工事の様子を見ていると、なるほど納得。


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-1Fの間取り-


電話線に200V電源のケーブルをくくりつけて引き込むことで、電話線が通ってたところを200V電源のケーブルに置き換える形で、壁の中に這わせていくわけですね。

おかげさまで、配電盤(分電盤)から電気系配線が集まっている風呂場の上まではケーブルを出す(と言ってもカバーされているし、全く気にならない)ことになりましたが、それ以外は隠蔽配線となりすっきりとした感じになりました。


200Vを使うために使用するダウン&アイソレーション・電源トランス


200Vで仕事部屋まで引き込んだあと、壁コンセントから電源トランスに電気を送り、100Vに落とします。

今回、200V引き込み工事に合わせ、新たに200V仕様のダウン&アイソレーション・電源トランスを購入しました。


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購入した物は、プロケーブルさんの商品。

とかくオーディオマニア向けの商品は高額になりがちですが、品質が高く、価格もケーブルなんかはお安く買えるので、いつも利用させていただいています。


200Vでやはり音の解像度アップ


自宅ではそれほど大きな音を出さないため、モニタースピーカーはGenelec 8020Bを使用。

仕事場は、Genelec 8330APMのため、サイズの違いで100Hz以下の聴こえ方はどうしても弱くなってしまうことから、100Vと200Vでどのように音が変わったか単純な比較は出来ないのですが、やはり音の解像度が上がりました。

200V電源工事をする前は、自宅では仕事場のように音の前後感が掴めず、ミックスを詰めていく時には仕事場で作業するようにしていました。

そもそも、Genelec 8020とGenelec 8330では、音の傾向は同じにせよ、音質には開きがあるのかな...と思っていましたが、それは違うようで、本当に単純に電源のクオリティー(ノイズが抑え込めているかそうでないか)の違いだったのだなと改めて思いました。

こうなると、自宅でもワンサイズスピーカーのサイズを上げて、200Vの効果をもっと体感したくなりますね。


200V引き込み工事によって音の解像度が上がるとはどういうことなのか?


感覚的な表現になってはしまうものの、私は以下のように感じています。

●周波数レンジが広がったように感じる

ローは下にきちんと沈み、高域はきらびやかになる(ドンシャリになるという意味ではない)


●パンが明瞭になる

DTM/DAWソフトでパンを左右に振った際、極端な話L60とL65の違いがわかりやすくなる。

あまりモニターに気遣えていない環境の場合、パンによる定位感はスピーカーよりヘッドフォンの方がわかりやすく、逆にヘッドフォン並みの定位感をスピーカーで感じるためにはそれなりに工夫が必要になるのですが、ヘッドフォンで感じるような定位感が電源を改善するとスピーカーでも感じることが出来るようになります

●音の前後感がわかるようになる

音の奥行きはリバーブの量で決まるのではなく、実際はEQとコンプによるものが大きいわけですが、特にコンプでアタックなりリリースをコントロールしようとしても、なかなか自宅ではハッキリとした違いが仕事場よりも再現されず、これも自宅でミックス作業が詰めきれない理由の一つでした。


さて、工事が終わったのは今日の今日のため、あれこれ過去自分がミックスした音源を聴いてみたり、リファレンス音源を聴いてみたりで、その音質向上っぷりにニンマリしている状態なわけですが、さらにパワーアップした自宅制作環境を毎日使い込んでいって、さらに気づきがあったら更新してみたいと思っています。


工事費用について


今回、私の仕事部屋に200Vを引き込むほか、2Fのキッチンにコンセントの増設もお願いしたこと、実家の方の電気工事を何度もお願いし信頼させていただいていた地元(千葉県)の業者さんにムリを言って神奈川県横浜市まで出張していただいたこともあり、総額はそれなりにしてしまっているのですが、200Vを引き込むだけだと16,000円とのことでした。

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