【BBG】BBGセッション８月レポート（前編）｜りきや

2023年8月13日 05:48

2023年8月6日(日)晴れのち曇り

BBG(Blue Berry Garden)黒岩の破戒劇場にて振付家・ダンサーの鈴木ユキオさんによるコンテンポラリーダンスワークショップを開催しました。

８月になって、先月の猛暑が少し和らいできたこの日。田んぼを渡る爽やかな風を感じながら、参加者が続々と直売所の受付に現れます。ブルーベリーの収穫期である７月８月は、直売所にブルーベリーを買いに来たお客さんと、セッションメンバーがレジ前に並ぶこともあります。そんな中、稲井さんのＴシャツ「とりあえずおどる」の文字に、思わずカメラのシャッターを切りました。

月に一回ここへ集まる事に慣れて来た為か、ワークショップが始まるまでの時間も、これまでよりもリラックスした穏やかな空気感です。

８月のBBGセッションのスタートは、さっとんのnoteブログ
『読む』ように歌うこと｜さっとん (note.com)に関する話題から始まりました。鈴木ユキオさんはこのブログを読み、ダンスと共通する考え方として「経験を積んでいった時の型と、新鮮なリアリティが常に拮抗している事の大切さ」について以下の様なポイントを解説されました。
「ビギナーズラックに頼らない新鮮さを持つ」
「動かされていないで、動いているダンスの危険性」
「無垢なそのままのカラダの良さを出すダンス」
「プロセスの在り方が大切」
これらの事柄が絶対的ではないとしつつも、真摯に向きあって来たアーティストの言葉で語る事により、セッションメンバーたちをより深い思考のプロセスへと導いていきます。

そして。いつものストレッチが始まりましたが、思考するプロセスを共有した個々の「カラダ」は、これまでと変化していました。以下の様な鈴木ユキオさんの声掛けで、カラダの輪郭が際立ち始めます。
「体の連動を意識しながら、広い空間を意識して」
「自分の感覚で大丈夫です」
「地面を意識して、空間を引っ張って来るイメージで」
「引っ張られる反対側を意識し、残った体を意識して」

体の内側と外側の双方向にイメージを広げる為のメソッドで構成された鈴木ユキオさんのストレッチが、回を重ねるごとにイメージの振幅を増し「連動するカラダ、本当の事を表すカラダ」へと導いていると感じました。個々のカラダを通じたコミュニケーションが、創作を探求する空気を育みます。

ストレッチの後は、先月もやったティッシュペーパーでの動きのトレースです。「動かされるカラダ」を２人ひと組になって探求します。時々吹く風にティッシュペーパーは予期せぬ動きを展開します。ユキオさんのナビゲートで「動かされるカラダ」を楽しんでいる事が、観ているこちらにも伝わって来ました。風が吹き込む破戒劇場には、様々なイメージのダンスが展開していきます。

ティッシュペーパーのトレースをやってみての感想をフィードバックします。それぞれが思考するプロセスを大切にし、メンバーで共有する時間を持つことで、多様な感覚を受け入れる関係性が作られていきます。ユキオさんは個々の感想に寄り添い、丁寧にコメントしていきます。その中で「表現の場だったら、わがままでいい。我が、ままでいいと思う」という言葉がとても印象深かったです。BBGセッションは、自分のままでいる事が許される、貴重な表現の場であると感じました。