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【BBG】BBG収穫祭ケータリングレポート|瑞穂

 朝からはじまって夕方までとり行われた今回の収穫祭では、お昼ごはん(ケータリング)をみんなでいっしょ(の空間と時間)に食べることを大切にし、とはいえ食材を確保する予算はなく、お金はないがブルーベリーはある(なぜならブルーベリー農家だから。とうもろこしもある。)ということでブルーベリーと交換するとういう条件で食材を確保しつつ、物々交換がきっかけで新たな”つながり”を期待したひとつの企画としてはじまりました。

 今回はさつきさんにコーディネーターとして入っていただき、結果的にはサポートどころか準備からなにからなにまで本当にありがとうございました。さつきさんは普段から会社員として働く傍らでご自身でイベント出店をされたり、お米づくりやそのほか食にまつわる活動に積極的に参加されています。(その他にも色々と活動されていてすごいです。)
 今回の企画は、わかち座が舞台/場所を用意し、さつきさんが登場したところからみるみるうちに空間が広がり、鮮やかに彩られ、奥行きや質感が追加されていきました。それは料理そのものにも表れていたように思います。

 物々交換では、普段からさつきさんがお付き合いのある方々にご協力いただきました。ご自身で調理加工までした鹿肉ジャーキーを提供してくださったハンターの和恵さん、じゃがいもをご用意してくださった磯村さん、夏野菜各種(たくさん!)を届けてくださった井上さん、鶏の卵を(9個も!)ご提供してくださった磯部さんをはじめとするすけろくガーデンのみなさま。この場を借りて改めてお礼申し上げます。

 今回実施されたこの企画が、今後はどのように継続されるのか発展するのかはたまた全然別のカタチになるのか、それはわからないのですが、レポート、それすなわち報告としてここに記します。当日の様子はなみさんの全体レポートで雰囲気が伝わるかと思うのでこちらは軌跡として残します。

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6月中旬 はじまり
 一斉送信メールと個別メッセージによってケータリング担当であることを知らされる、と同時に、BBG黒岩で販売している商品(ブルーベリー、とうもろこし、ブルーベリージャム)と物々交換で食材を手に入れ、蒸す焼く程度の簡単な調理で昼食として参加者に振る舞う形を取ること、また物々交換コーディネーター兼サポート役としてユキオさんWSでご一緒していたさつきさんに声をかけておいたので相談して進めるようにとの指示がある。(なんてこった全然わからん)

6月26日(日) オンライン打ち合わせ/さつきさん、白身さん、瑞穂
 単純に予算がないのもあるけど、食材交換をきっかけに知り合える、つながりを増やす。昨年からの表現やダンスで色々な人とつながってきている。ブルーベリーを介して出会うのがあってもいい。
さつきさんより物々交換先として佐久市内山のつながり農園、ハンターをしているご友人など挙げていただく。
また、野菜用のディップをいくつか用意しておく、お米も炊き込みご飯にするなどのレシピ案も提案いただく。

7月11日 メッセンジャー/さつきさんより
 物々交換先、磯村さん、井上さん、田島さんと確約できたとのお知らせいただく。

7月13日(水) オンライン打ち合わせ/さつきさん、白身さん、力也さん、瑞穂
 タイムスケジュールの確認もしつつ、コロナ対策も含めた当日の提供方法の確認。さつきさんから具体的なメニューの提案。物々交換の具体的な入手野菜、交換日、BBGからのお返し品についての確認、購入する備品や調味料などの確認。

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7月30日 物々交換day.
 鹿肉ジャーキーとサニーショコラの交換。
15時、田島さんご夫妻とレンさん(黒ラブ)がBBG黒岩に来てくださる。BBGご案内する。
Iターンで小諸に移住してきたお二人のお話、狩猟の話、先輩たちと山と自然と諸々の話をお聞きする。
レンさんは時々ゴロゴロしたり、ご自分のペースも出しつつ待っておられる。

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うちやまコミュニティ農園にさつきさんが仲間たちと草刈りを行っているので、後から瑞穂伺う。
磯村さん、井上さんとご挨拶。磯村さんからじゃがいも受け取る。お二人の取り組みの話など伺う。

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さつきさんとBBG黒岩に行き、キッチン設備と備品の確認。

8月4日 メッセンジャー/さつきさんより
 マヨネーズ用の卵が手に入ったとの朗報。ネオンホール珠美さんのお知り合いの信大生が育てている鶏の卵を9個いただけたそう。乱舞。

8月6日 収穫祭前日
メッセンジャーにてさつきさんから最終確認用の資料をデータいただく。当日、調理に入るなみさんともメールにてデータ共有。

夕方、BBGに井上さんがお野菜を配達してくださる。ピカピカの夏野菜。ブルーベリーをお返しとしてお渡しする。

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8月7日 収穫祭当日
朝5時30分(もっと早い?)にキッチン入りするさつきさん、調理サポートのなみさん。
和恵さんがパクチーやハーブを持ってきてくださる。
ゆるやかにはじまる収穫祭。キッチンではスパイスのいい香りが広がる。
11時すぎ、浅間山を望む作業場に調理、加工された、またはそのままのお野菜、鹿肉ジャーキーが並ぶ。

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リハーサル後のステージにて、さつきさんから本日のメニューのご紹介。

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事前に作成いただいた資料も皆さんに配布する。
資料を見ながらさつきさんのお話に耳を傾ける皆さん。
さつきさんからの提案で紙皿、箸、手袋は1組ずつ袋に入った状態で用意されており、使用後の食器は各々で持ち帰っていただく。環境へ配慮し、自分で出したゴミは自分で持ち帰ることを推進する。

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今回はお子さんの参加も多いということで、ブッフェとは別のテーブルで子どもたちが自分でおにぎりを握れるスペースの用意も考えてくださる。子どもたちはいつの間にか同年代で仲良くなっていたり、思い思いの場所でおにぎりを食べておられる。みんな自分でにぎったおにぎりをうれしそうに見せてくださる。米粒散乱させながら。

食事はみなさん思い思いの場所で。テーブル席、会場内、屋外の青空の下。

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キッチンでは、さつきさん謹製甘酒のブルーベリーシェイクが作られている。パウンドケーキと石井さんの梨も。手作りのカスタードクリームはすけろくガーデンの卵を使用。

ゆったりと設けられた食事をする時間。
色鮮やかな夏野菜、生野菜、焼き野菜、蒸し野菜。白米。ビリヤニ。ぎゅっと濃い鹿肉ジャーキー。なめやかで濃密でシンプルで真っ赤なガスパチョとこってりビシソワーズ。手作りのマヨネーズ、ドレッシング、スパイス。

食事をすることを通してわかち合う空間と時間とエトセトラ。

食事の終盤、さつきさんとなみさんとでデザートと甘酒シェイクをみなさんに配ってまわる。

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 BBG mealsと言ったりめぐるごはんと名付けてみたり、結局ケータリングって言ってたりと名称も呼称も定まっておりませんが、当初思い描いていたものよりもだいぶかなり発展して広がってプレシャスな企画になりました。

 もともと、わかち座代表の白身さんがごはんを共にするということを大事にしており、昨年末の鈴木ユキオさんのワークショップショーイングでもお昼の時間に豚汁とおにぎりが出てきたことが印象的でした。冬の時期でもあり、あたたかい食事は身体もあたためてくれますが、誰かが食事を用意してくれるということは自分がとても大切にされているように、そのとき、思えました。みんなでおいしいねと言いながら、ただ食べていっしょにいるひとりひとりの私たち、みたいな。
 白身さんが、ごはんをみんないっしょに食べるということを自分自身が尊く感じるようになったのはこのコロナ禍からかもしれない、とも話していました。

 みんなで食べるごはんはとても美味しくて、それはさつきさんがみんなが喜ぶようにとたくさん考えてたくさん準備をしてくれたことがあって、美味しいじゃがいもをくれた磯村さん、ピカピカの野菜を持ってきてくれた井上さん、ご自身でも夢中になっている狩猟の話をたくさんしてくれて当日にハーブを届けてくださった和恵さん、大切に飼われているすけろくガーデンの鶏と信大生のみなさんとつなげてくれた珠美さんと、食材ひとつひとつのストーリーを思い描いて食べていたからだなぁとも思いました。

 これがまたひとつ、つながって、めぐって、つづいていくことを楽しみにしています。

(文章:瑞穂)

わかち座 open farm事業
ブルーベリーシアタープロジェクト

企画・制作:わかち座
支援:信州アーツカウンシル(一般財団法人⻑野県文化振興事業団)
令和 4 年度文化庁文化芸術創造拠点形成事業

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