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【BBG】BBGセッション8月レポート(後編)|りきや

2023年8月6日(日)晴れのち曇り
レポート(前編)からのつづき

振付家・ダンサーの鈴木ユキオさん

BBGセッションを企画するわかち座では、メンバーが役割分担する事で、市民とアーティストを有機的に繋ぐ運営を目指しています。その役割の中の一つに「書取り」があります。ワークショップでのアーティストの言葉をメモする係です。BBGセッションの書取りは、わかち座メンバーのキザムさんが担当しています。

書取り中のキザムさん

長めの休憩時間などに、キザムさんにお願いして、何人かにインタビューをしていただきました。回数を重ねるごとに変化し成長する皆さんが、どんな事を思ったのかを聞いてみたくなったからです。

インタビューに答える佃梓さん

【キザムさんの質問1】 
BBGセッションに参加する様になって自分の生活などで変化した事ってありますか?

【佃梓さんの答え1】 
最初のウォーミングアップとかで、ここにいる空間よりも広く高い空まで想像してカラダを使うとか、なんかそういうのが、例えば会議室にいるときにも意識を飛ばせるとか。時々、そんな風にイメージを膨らませたりとかしたりして、あと、なんだろうな。でも特に今年は、1カ月に一回じゃないですか。だから、ここに来たら、カラダを通したコミュニケーションとか、別にそれぞれとその後に、交流するかって言われるとそうでもないけど、その瞬間の、ぜったい社交辞令ではない真実のコミュニケーションって言うか。その人のカラダがそう反応したから、私はこう動いたって言う。それを凄くじっくり出来る人たちが、月に一回、必ずここにいるって言うのは、それは何か、凄い心強い。踊りが、なんかいつまでも上達していないなって、感覚があると言うか、ここに来て、この空間でユキオさんが作ってくれる場があると、自分のカラダが自由に動くけど。じゃあ、パッと家で、そういうカラダを作れるかって言うと、そこが難しいなって言うのも、そこをもうちょっと、自分でも、そういうカラダに導いて行ける様になっていきたいなって。

【キザムさんの質問2】
このセッションとかダンスとかで、一番魅力を感じる所って、どこですか?

【佃梓さんの答え2】
さっきも、ずっとユキオさんが言ってくれてた、答えがこれ、とかじゃない迷っている状態をそのまま見せるとか、新しい自分の動きとか、人と踊る中で、こんなコミュニケーションとれるんだ、みたいな。今までの自分がやってきた、選んできたものじゃないものに、出会える瞬間が沢山ある、と言うのが凄く面白い。その瞬間に出会えるのが、凄い好きだし、ユキオさんは多分それを。なんか慣れて行く事とか、上手くなっていく事じゃなくて、その無垢な状態でいかにいられるかを、色々してくれてる、それが凄い、貴重だなと思ってます。

インタビューに答える伊東昌恒さん

【キザムさんの質問1】
BBGセッションに参加する様になって自分の生活などで変化した事ってありますか?

【伊東昌恒さんの答え1】
あっ、変化?変化ですかねぇ。なんか、でも、こう姿勢を気にするみたいな感じですかね。パンツのラインを見せるって言う。あれが割と、なんか、演劇的にとか、殺陣とかに、非常に、こう役に立っています。具体的な、先生のね、凄く役に立つシーンが増えました。あと、そうですね。あの、普通の動きとか、人の動きとか見る様になったし、いい感じですよ。面白いですよ、日々。

【キザムさんの質問2】
ダンスとか、このワークショップでもいいんだけど、ここが魅力だなってありますか?

【伊東昌恒さんの答え2】
あー、そうですね。動かしたい様に、カラダが動く様になるのが良いですね。そういう風にカラダを動かした事が、あんまりなかったですから。非常に意識して動く事とか、正解がない中でやらせていただくのが、非常に有難いと言う。そんな感じなんです。それで、普通のダンス教室だと、こう動かして、ああ動かしてって、はめられる感じがするんですが、鈴木先生は、とてもあの、正解は、ないって言う。けど目的はある。そこが非常に良くってですね。いいなぁ~、と思います。ええ。

インタビューに答えてくれた稲井咲紀さん

【キザムさんの質問1】
BBGセッションに通うようになって自分の生活などで変化した事ってありますか?

【稲井咲紀さんの答え1】
うーんと。最初に来た時に、偶然性を楽しむみたいな。なんか他の人と一緒に、偶然の中で踊る時に通じ合う楽しさ、みたいなのがあったりして、教員やってるんですけど、なんかそういう偶然的な事が沢山おきると思うんですけど。なんかそれをポジティブに受け止められる様に、ちょっとずつ、なっていってるんじゃないかなぁって思いますね。あと今日の話で、人に観られることの緊張感みたいな事が、なんか自分の中の課題だなぁって思っているんですけど、それもダンスの力でちょっとずつ、変わって行けるんじゃないかなぁって、思っている所です。

【キザムさんの質問2】
ダンスとか、このワークショップの何かでも、ここが魅力だなって感じる事ありますか?

【稲井咲紀さんの答え2】
あー。でも、やっぱり継続である事。一緒に段々と、自分を深く見つめて行けてる気もするし、メンバーがいつも一緒だから、ちょっとずつ、その関係性とか、その人の魅力とか知って行ける所が、このワークショップの魅力かなぁって、思います。

BBGセッション後、インタビューに答えてくれた山﨑到子さん

【キザムさんの質問1】
BBGセッションに参加される様になって、自分の生活などで変化した事ってありますか?

【山﨑到子さんの答え1】
なんか結構、準備して、作って、結構きっちり準備するのが好きなタイプなんです、私。たぶんお芝居もそうかも知んないし、日常とかも結構こう、あんまズレたくない、あんまズレたくないタイプなんですよ。かっちりしていたいタイプなんですけど、なんか、なんでかっちりしたいんだろうって思った時に、なんか心配だからなんだなって事に気づいたんですよね。不安だからなんだなって。でもコンテンポラリーをやってみると、なんかその心配とか不安とか、ズレる事とかごと、別にそれでいい、そのままでいいって言うか。なんかそこじゃないって、ユキオさんが言ってくれている様な気がして、なんとなく、作ったものが、なんかやっぱり演劇をやっているせいで、作り込みたくなるんだけど、作ったものを越えた所に何かがあるって事に信じてもいいのかなぁって、だから、準備を。だからって、作らないって事はできないんだけど、準備して準備して、作っておくけど本番の時にもうちょっと手放して、なんか信じて、なんて言ったら良いのかな。身を任せてもいいのかなぁ、みたいな事を感じる事が多くなった気がして。日常生活とかで、ちょっとズレても、まあ、いいかぁ、なんか少し俯瞰で見られるようになった気がするかなぁと、思ってます。かっちりしたいんです。どうしてもかっちりしたくなっちゃうけど、かっちりしてるものって、そんなに面白くないって言うのも、確かになって、ちょっと思って。どっちも出来れば一番いいなぁって。

【キザムさんの質問2】
ダンスとか、このワークショップで、ここが一番魅力だなって事とか何かありますか?

【山﨑到子さんの答え2】
ああ、素直になれる感じがする事ですかね。日常生活だと、今ここで例えば飛び跳ねたら、おかしいと思われるかも知れないから、わかんないけど。なんかちょっと我慢したりとか、感じた事とかを、こう感じたままに表現すると、なんか角が立ったりするかも知れない事とかを、なんか感じたものを、そのままカラダを通しても良い場所があるって言うことが、なんか自由な感じがしてとか。しかも参加している皆さんが、何て言うか、温かい人達が多いから、なんか許して貰える場所がひとつあるって思う事が、なんか支えになる気がするなぁと。なんかダンス。カラダを動かす事にも、素直になれてる気がします。

休憩の後は、「揮発」(きはつ)をイメージした動きのワークです。揮発とは「液体が常温において表面から気体になること」です。

揮発のワークをする渡辺瑞穂さん
揮発のワークをする戸谷ひかりさん

カラダを揮発させアコーディオンの様に圧力をかけるイメージが、空間の内側と外側に広がります。揮発のワークに集中した後、鈴木ユキオさんの舞台作品の映像動画を観ました。

『揮発性身体論』(2012年/シアタートラム)の映像動画を観る

映像を観ながら、鈴木ユキオさんが「揮発性身体論」という作品のコンセプトを解説しました。この時に出演していたダンサーの安次嶺菜緒さんが、動きのポイントなどを話します。そして、菜緒さんをお手本に皆で振付をやってみます。

安次嶺菜緒さんのダンスをトレース
振付のポイントなどを話す鈴木ユキオさん

鈴木ユキオさんが、振付のポイントや思考のプロセスなどを
話し、皆で共有しました。
「息づまり感、緊張感。爆発力を封じ込める」
「動きの先が見えてくる。踊りは未来を振り付ける」
「即興は観続けざるをえない」
「予測できない感覚をいかに踊るか」
「決めポイントだけを合わせる」
「やりきれなくても行く、自分以外に動かされる面白さ」

思考のプロセスなどを話す鈴木ユキオさん
司白身さんが今後のお知らせなど話しました

鈴木ユキオさんのお話の後、わかち座の司白身さんが今後の予定やお知らせなどお伝えして、8月のBBGセッションは終わりました。

次回のBBGセッションは、9月10日(日)13:00~16:00です。

BBGセッションはどなたでも見学できます
見学を希望される方はお問合せください

写真:黒岩力也

わかち座
BBG事業
 農作物とアート作品を収穫するプロジェクト
企画・制作
わかち座

支援
信州アーツカウンシル
(一般財団法人長野県文化振興事業団)

令和5年度 文化庁 文化芸術創造拠点形成事業

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