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【SteamMewks】アイドール東京Vol.70を終えて

《前書き》

 この度は、アイドール東京Vol.70に出店いたしました折、ご来場いただきました皆様に、心よりお礼申し上げます。
 今回のMewksの出店は、中々厳しい状況に直面し、大型イベントでは初めての惨敗を経験いたしましたが、同時に多くの学びを得ることができ、有意義な経験として受け止めております。

《結果の話》

 結果は先の通りで大惨敗を喫する結果となったのですが、それと同時に、改めてMewksは常連の方々や一見さんらの資金提供ありきで活動が成立していると実感致しました。ほんっっっっとに毎回来て下さる方々、心より感謝を申し上げます。Mewksは皆様方がいらっしゃったおかげでギリギリ生き延びております。誇張抜きに。

 まさか材料費どころか場所代すら割れるとは思ってなかったです。いや驚いた…。

《反省の話》

 なんでこんな有様になったか、という話なんですが、運2割、不足2割、油断6割と完全に大失敗だったと思います。

 長らくSteamMewksでは「要望があればなんでもやる」を実践してた手前、意図せず「何でもできる」の状態になっているのですが、それが成立するのはデザインフェスタ等の“対人間での商い”の話で、ドールを相手にした場合、考え方が全く通用しないってことに気付くことができなかったんですよね。

 具体的には以下のあたりが今回の大惨敗の原因だと思います。

・そもそもの需要が無い
・何を売っているか分からない

大惨敗の原因

 特に影響が大きいものを区分すると上記の二つになります。詳しい解説は以下に。

そもそもの需要の話

 こちらに区分される原因は以下の通り。

・地味なデザインは求められていない
・頻繁に付け替える事を想定していない

デザインの話

SteamMewksでは「スチームパンク」を大前提に色々な活動を続けてるんですが、これが根本的に問題なんだと思います。

 例えばスチームパンクの影響を受けた作品は、いわゆる「キラキラした世界観」とは無縁の「薄汚い煤まみれの世界」なんですよ。
 愛娘をそんな薄汚い姿にしたいと思う奴は相当レアですし、“女の子は可愛くしたい”という思いの元で迎えられてる方々にとって、スチームパンクはオーナー自身がその趣味を持っていないと受け入れられない話なんですよね。

 そうしてくると、Mewksの作品が売れる可能性というのは「スチームパンク趣味のオーナーで、娘を格好良い女性に仕上げたい」という、いわゆる中性的なデザインだったり「万人受けするデザイン」からは大きくかけ離れたデザインになります。

 当然そんなものが大量に売れるケースなんてのは客層がそれに合った場所に行かない限りあり得ない話なので、アイドールは純粋に相性が悪いんだと思います。

「換装できる」という部分

 こいつが本当になんのメリットも無いです。というのも人間であれば、“気分やその日の格好に合わせて装飾品を付け替える”というのは至極普通の話になります。
 しかし、ドールに至っては「頻繁に付け替える」という思想自体がそもそもありません。なんならお気に入りの洋服であれば半年でも着続けると思いますし、最も理想の状態を作ったのであれば、それ以上の換装をする事はあり得なくなるのです。

 もちろん、新しいテーマを作れば需要は生まれますが、それこそ何ヶ月に一回か、という話になります。
 それでは、その間の時期は?といえば全く売れない時期になります。何故なら1つあれば十分だから、ですね。

SteamMewksは何屋さん?

こちらに区分される問題点は以下の通り。

・何屋だか分からない
・物が多すぎる(≒どこに何があるか分からない)

何屋だか分からない
物が多すぎる

どっかで見た話ですね。ええ、SteamMewksが毎回抱えている、いつもの課題です。
 毎回毎回こいつに悩まされてるんですが、対人間の商いであれば「好きに選びなさーい!」で良いんですが、ドールの界隈ではどうもこれが全く通用しないようです。

 というか、ここにMewksの物が全く売れない根本的な問題があると見ています。というのも対人間での売場であれば、多少雑多になっていても一定の作品の大きさが保証される事から「何を売っているか」が最低限通じるんですね。

 しかしながらドールサイズともなると、最大のものでも人間スケールの1/5程度の大きさになります。傍目にみれば塵を売ってるんじゃないか…と疑われても言い返せません。それでいてデザフェスほどお客さん方も話をするのが億劫(客観的に「これは何?」と聞くレベルの会話すらしないように見える)なもんで、説明する機会すら存在しないと気付きました。
 その上で「手を伸ばす」ことすらしないので、「見てもらおう」という話が完全に破綻しているんですよ。

 こんな有様では当然売れるわけもないですよね。だって、「よくわからん塵を並べてるだけ」なんですし。対人間の商いの方でも同じこと言ってるな?難しいよな、並べるの…。

《課題の対策の話》

 そんなわけで、現在Mewksには4つの問題点がかかってきています。これを対策しなければ何を作ろうが無駄だと気付いたので、ひとつずつ問題を潰していくしかありません。

・地味なデザインは求められていない

 需要の話と部分的に同じ。
「どんな子でも使えるアイテム」を目指す、あるいは以前の「ドールとオーナーでニコイチできるアイテム」なども現実的か。
 現実的な話、工房を使えば文字通りニコイチの作品を作ることは全く難しい話ではないので要検討。

・頻繁に付け替える事を想定していない

 「日常的に付け替えて楽しむ」という方向性から「新しいテーマを考えるときのスタート地点」となるような方向性に変更
 例えば衣類、装飾品が一つのセットとして作られているようなもの

・そもそもの需要が無い

 需要を作ることは現実的ではない為、「一般ウケする物」の中に「コアな人向けとしてスチームパンク」を作るように路線変更。

・物が多すぎる(≒どこに何があるか分からない)

 販売物の縮小を検討Mewksの衣類に需要が無い事はここまでの経緯としてほぼ確定と考えられる為、衣類に関してはネット販売限定に移行する等して縮小、もしくは完全に撤退
 縮小した売り場を「埋める」のではなく「何を売っているか」を文字やPOPを使って見える化の仕組みを導入。

 この辺が当面の解決策になると思います。

《今後の活動の話》

 アイドールに関しては年1回の出展を基準で考えている為、これらを実践するのは来年以降の予定です。最も店主の私事で生活スタイルを大きく変える必要性が今後あるため、そもそもMewksの存続自体がだいぶ怪しい状況になっています。
 といっても活動を完全に打ち切るつもりはないので、4年前の「勉強のための活動休止」と同じく一時的に縮小、もしくは休止するだけになると思います。

 その私事の方も含めてネット販売の環境を整える事が本当に優先されているので、ひとまずドール用品に関してはネット販売の方を先行できるように整備していこうと考えております。

《次回の出展予定》

次回出展予定
 イベント名:デザインフェスタ59
 日程:5月18日(土)、19日(日)の2日間
 場所:国際展示場

 こちらは人間用のアイテムをメインに取り扱う出展です。
 デザフェス59の活動以降、Mewksの存続が本当に不明になっていますので、確実にお会いできるのはこれが最後のイベントとなります。

 とはいえ。しんみりしたりするのは好きではないので、いつも通りテキトーに来てくださればなと思います。
 それから今回はいつもの売り子さんではなく、ある友人が手伝いに来て下さります。いつものMewksとはだいぶ違った回になると思いますので、怖い物見たさに訪れると本当に怖い物が見れるかもしれないです。例えば耳に大穴開いてる男とか…

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