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芳しきマクワウリ「黄金まくわ」

マクワウリ第二弾。

突然だが私にはとても可愛い彼女がいる。容姿は勿論だが気立てが良くて…
と彼女自慢は本筋じゃないな。
ただ今回の話に無関係というわけではなく彼女は私の趣味に非常に理解が深く何かに見つけると送ってくれるのだ。
そして今回送られてきたのが「黄金まくわ」なのだ。

丁寧に包まれて届いた。

知る人ぞ知る…というよりは料理好きや菜園好きの人に馴染みがある印象だ。
以前紹介した「なり駒」よりも大きくなり黄色みが強い品種で古来より栽培され食味の良さから親しまれた伝統野菜だ。
こと奈良県のものは優れた特徴を持つとして県から「大和野菜」に認定されている。
じゃあこのブログに関する「新潟にまつわる食材」と関係ねぇじゃん!と思われるかもしれないがこの黄金まくわは新潟各地でも栽培されており「長岡産」「三条産」「新潟市北区産」などのものが7月中頃から8月の終わり頃にかけスーパーなどでも買うことができる。
それに新潟でも年配の方はマクワウリを見かけると「懐かしいね」「昔はよく食べたよ」と話を聞かせてくれる。

黄金まくわを観察す。

気泡緩衝材から取り出したる黄金まくわは完熟青肉メロンもかくやと言う鮮烈なメロン香を放っている。なり駒よりも濃い。

外皮の時点ですら下手な完熟メロンよりも芳しい。

スイカほどには堅くない張りのある果実を二つ割りにすると前述の香りが濃度を増して鼻腔を満たし、それと同時にいかにもウリ科植物然とした構造が見て取れる。
マクワウリとしても完熟しているようで胎座はどろどろに溶けており多量の果汁が滴り落ちてくる。
種子は少なく処理は至って楽だった。

黄金まくわ実食。

八等分にしたものを切り込みを入れて食べやすい大きさに…。

白く梨のような見た目。

食感としては熟れすぎたリンゴのようなモソモソともボソボソともとれるなんだかもっさりした歯触りをしている。
そしてやはりというべきか果肉そのもの自体には果汁も水分も少なく
味はよく言えば穏やかで優しい甘さ、悪くいえば濃厚な香りに比べて肩すかしを食らうようなインパクトの無さをしている。
ただ個人的には甘さ瑞々しさ一辺倒の昨今の果物類よりもこっちのマクワウリのような個性のあるものの方が有り難い。

黄金まくわの「フルーツスープ」

して今回は都合4個貰ったため残りを調理して味わってみたいと思う。
香りが強い割に甘みや食味のパンチが弱いためそれを補うようなものにしたいなと思いつつとあるレシピを参考にした。

ハンガリーはブダペスト。そこではベリーをベースに好みの果物と乳製品を加えたさっぱり甘い味付けにしたスープがある。
ということで

切ったマクワウリを砂糖と水で煮てジューサーで砕く…。
別途に生クリームとヨーグルトとカッテージチーズを混ぜ…。
混ぜたものを加温して冷やしたら…。
完成。

今回はマクワウリの色と香りを活かしたいためベリーは抜きで。
加熱と混ぜ物をした影響で若干、香りが褪せてしまったがそれでも市販のメロン風味飲料に負けないくらいマクワウリの鮮烈な香気を感じられる。
味は一番想像しやすいのは飲むヨーグルトだが某大手メーカーのものよりも大分さっぱりしている様に思える。
マクワウリ自体の味はというとジャム状にして甘味を強めたのにも関わらずあまり目立たない。
フルーティはフルーティなのだが乳製品の酸味に押されてしまっている。
まぁ甘味飲料ではなく冷菜としては成り立っている…?のだろうか。

まとめ。

夏の時期に盛りを迎え安価に手に入る歴史ある野菜で、他種の野菜や果実にも劣らない個性を持っているマクワウリ。
今の段階ではポテンシャルを感じるものの具体的な利用が生食に限りそうだなといった印象。
しかしそれもモサモサとした食感や味の薄さから好みがかなり分かれそうだ。
小メロンのように漬物にするべきかハヤトウリのように炒め物にするか…はたまたゼリーやアイスのような方向にすべきか。
まだまだ実験の余地がある…。

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