ヒマ潰しのためのおすすめシリーズ(1)

お題のとおり、ヒマに任せておすすめの音楽、本、食物、映画などについて書いていくことにしました。ただし、そのジャンルに詳しい方はどうぞスルーしてください。本当に詳しい方にはまず役に立ちません(笑)

今回は音楽について。音楽と言ってもこのご時世ではCD中心にならざるを得ませんが、その点ご了承のほどを。

もっぱら聴くのはクラシックが多いのだけど、たまに浮気して他のジャンルも聴くことがある。耳が悪いのか感性がないのか、評判が良いということで聴いてみても殆どの場合は「・・・で?」という感想になってしまう。これは私がクラシック以外は内心で否定しているからだと取られても困るのであって、それが証拠に時々もう夢中になってしまうアーティストや作品に出会うことがある。

Lucio Dallaの"Caruso"、これを最初に聞いたときはぶったまげた記憶がある。歌い方ぐちゃぐちゃ、メロディ、ハーモニー進行は至ってシンプル。歌詞は一体どこで切れるのかさっぱりわからんというシロモノで、まあ歌詞はイタリア語がわからんということにもおそらく原因があるのだけど、これって、つまらなく歌おうと思えばいくらでもできちゃうんじゃないの?というのが第一印象。

しかし、与えるインパクトは凄まじかった。この曲はいろいろなアーティストがカバーしてるけど、本家のLucio Dallaに敵うものはない。これを聴くと、本当に音楽は心だということを強く思わされる。楽器だろうと歌だろうと、テクニックより先に大事なものがあるんだよと、天国からDallaおじさんが熱っぽく語っているような気がしてならない。

次に挙げるのはこれの対極にあるようなアルバムで、Suzan Grahamの「アーン歌曲集」。これは絶品。純粋なクラシックの歌曲だけど、魔法の様な作品とそれを活かす美しい声による録音が沢山詰まっている。極め付けは「恍惚の時」。フランス語訳は省かせていただくけれど、死ぬ前にこの曲を知って幸せだったと思える。SUZAN GRAHAMUって人はイギリス人らしいけど、実に清澄で美しい声だ。やはり綺麗な音、綺麗な声ってものはそれだけで魔力を持っている。

アーンって人はあまり有名じゃないけれど、結構沢山の作品が残されている。この曲は17歳の時に作ったんだそうな。これだけで常人ではない。この曲はアーンの作品の中でも有名らしく、ドイツの歌姫であるアンネ・ゾフィー・フォン・オッターの録音もあります。これもこれで落ち着いていて渋みがあり、素晴らしいと思う。余談ながら同じアーンの作品に「クロリスへ」という曲があって、これも実に素晴らしいのだけどなんとこの曲、低音の進行がバッハの「G線上のアリア」と同じ。しかしながら全く違うものになっていることに、まず驚く。素材はあくまでも素材であって、肝心なのはそれを生かす霊感のようなものということか。

さて、今度は何を聴こうか・・・





_

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?