クラミジア治療薬の有効性

クラミジアの治療には、アジスロマイシンまたはドキシサイクリンという抗生物質を使用することが多いです(というか特別な理由がなければまずどちらかを使います)。

どちらも同じくらい有効なのですが、ドキシサイクリンが1週間飲み続けないといけないのに対して、アジスロマイシンは1回飲むだけで治療が終わるので、アジスロマイシンが処方されることが多いです。飲み忘れを心配する必要もないですからね。

この2種類の薬について、数年前にユニークな論文が発表されました。

クラミジアに感染した若者を2つのグループに分けて、一方のグループはアジスロマイシンで、もう一方のグループはドキシサイクリンで治療したのです。そして、治療の効果を比較する。よくあるタイプの研究ですが、これを行なった場所がユニークで、刑務所(少年院?)で行ったんですね。

薬を飲んだことを毎回確認される(薬を飲んでいるところを直接見て確認されます)ため、飲み忘れの心配がありません。薬の効き目を正確に調べることができます。

結果、治癒率はアジスロマイシンが97%、ドキシサイクリンが100%でした。わずかではありますが、ドキシサイクリンの方が良い結果です。

ただし、これは特殊な環境の話で、通常はどうしても飲み忘れもありますから、そこまで含めると2つの薬の効き目は恐らく変わらないんだろうな、と思っています。

実際の診療では、アジスロマイシンを処方することが多く、過去に飲んで副作用(下痢がほとんどです)が辛かったという方には、ドキシサイクリンを処方しています。

尚、他でも書いていますが、クラミジアの場合には治療が終わってから3週間以上経ってから再検査を受けて、菌が消えていることを確認するようにしましょう。

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