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『マジカルミライ10th』私的ライブレポート


はじめに

はじめまして。突然のnote失礼します。フォルトという名前でネット界隈を暮らしています。
趣味としては「初音ミク -Project DIVA-」シリーズの譜面エディットなど。
私はこのゲームをきっかけに、初音ミクひいてはキャラクターが存在する音声合成ソフトに関心を持ち、いつの間にやら『マジカルミライ2014』大阪公演で初めてバーチャル・シンガーのライブに観客として参加しました。
そして『マジカルミライ10th』のライブにも参加した次第です。

他にライブ参加経験は「アイドルマスター」シリーズくらい。

経緯を説明したところで本題に入りますが、あくまで『マジカルミライ10th』のライブに特化した文字だらけのレポートです。
ほぼほぼ写真とかリンクはないものと思ってください。(当然のように撮影禁止だし。リンク整備はさすがに辛い)
本記事の本旨は「私が感じ取ったライブのあれこれをひたすら記録も兼ねて語りきる」ところにあります。
マジカルミライとは?といったものは公式サイトを見ていただいた方が良いでしょう。それでは参ります。
(過去には2019年もマジミラのレポート書いたことあったんですが、今は亡きブログサービスでサルベージもしませんでした)

※以降、公演名として『マジカルミライ2021』と記載するべきところは『2021』のような年数のみの省略表記とします。
※今後提示するデータはすべて独自集計のモノです。ミス等があるかもしれませんがご容赦ください。

セットリスト

まずは、OSAKA公演、TOKYO公演のセットリストをおさらい。
各会場で3日間開催、実施日でセットリストに微細な差が生じています。

マジカルミライ10thセットリスト

便宜的にライブ構成でセクション定義・分割しておりますので参考までに。
注目ポイントとしては昨年と日替わり枠の構成が違うところ。
昨年は2曲で日替わりする枠は「大阪1日目、大阪3日目、幕張2日目」のように隔日披露されていましたが、
今年は各会場で日数ごとに固定でした。そのため、3日とも日替わりの枠はもちろん、2日目の曲がやや披露回数が減って不遇だったかも。

波乱の『0曲目』

ライブのメインどころではないですが、これも語り草となりましょう。
ライブ会場ではいくつかの楽曲が流れるのですが、ライブ開始直前にかかる楽曲は通称『0曲目』と呼ばれます。
いよいよ始まるんだと客席のテンションを上げにかかるものです。

この枠は例年、その年の楽曲コンテスト準グランプリの曲やOFFICIAL ALBUMのボーナストラックなどが務めていたのですが、今年はグランプリ曲『Loading Memories』が流れたではないか。
「ライブ開始前に流れる=ライブでは披露されない」と印象も強い昨今、

「まさか演奏されないのか!?」

と動揺が巻き起こりました。まあ、全くの杞憂だったのですが。

このライブ全体での共通点

全体を通し、バーチャルシンガーは『マジカルミライ2013』で初披露された、「初音ミク -Project DIVA- f/F」をベースとした通称「マジミラモデル」、および『SNOW MIKU LIVE! 2018』で初披露されたクリプトン内製の「R3モデル」の姿のみ。
マジカルミライでは『2017』を皮切りに『ミクの日感謝祭』『初音ミク ライブパーティ』で披露された映像の流用が解禁されましたが、今年は一切用いられておりません。マジミラから連なった歴史のみで固められてます

もうひとつ、ほとんどの楽曲で退場演出が『音符エフェクトに包まれて退場する』『緑色粒子に包まれて退場する』に統一されています。
(後者はマジミラテーマ曲のほとんどが該当)
例外が、『2013』の退場演出をそのまま用いた『shake it!』、緞帳で退場した『大江戸ジュリアナイト』になります。『2013』は完全に一つのライブとして、退場演出がたくさん用意されてたため、それを残したものかと。

オープニングセクション

まず、マジカルミライのこれまでを振り返るメモリアルムービーから。
映像は、『2021』を彷彿とさせる紗幕スクリーンに投影されました。
やはりこういう映像は大迫力のサイズでがっつり観るに限りますね。

内容は、『2013』~『2021』までの企画展&ライブの光景をハイライト映像で振り返り。この際ライブシーンで登場した楽曲は以下の通り。

  • 『2013』:『39』

  • 『2014』:『shake it!』

  • 『2015』:『Hand in Hand』

  • 『2016』:『39みゅーじっく!』

  • 『2017』:『砂の惑星』

  • 『2018』:『グリーンライツ・セレナーデ』『劣等上等』

  • 『2019』:『Jump for Joy』

  • 『2020』:『愛されなくても君がいる』『きみとぼくとのレゾナンス』

  • 『2021』:『初音天地開闢神話』『レイニースノードロップ』
    『ブレス・ユア・ブレス』の場面はなかった

最後にマジカルミライ10thのロゴが表示され、ムービーは終わり。
紗幕スクリーンが天井から分離し、ライブの幕が文字通り開く。

※曲名の見方… 曲番. 曲名 / クリエイター名 (マジミラ披露経歴)
衣装がデフォルトと異なる場合は追記、クリエイター名は敬称略です。

M1. ネクストネスト【Magical Mirai 10th edit】 / さつき が てんこもり (祝!初披露)

ついに亡霊が成仏するときが来ました。
『2014』のテーマとして発表されOFFCIAL ALBUMにも収録されていたのですがライブ披露されず、翌年同じくテーマ曲である『Hand in Hand』が披露されて以後、事あるごとに演奏されなかったため未練をくすぶらせたミク廃が増えていった曲です。

奈落から飛び出したかのような大ジャンプを伴ってミクさんが登場した際の漏れ出した歓声はやはり印象深いです。
『2014』メイン開催地である大阪のトップナンバーとして披露されて、満足しております。
…この曲であっても楽しそーな顔で歌うミクさんさすがです。

M2. ヴァンパイア / DECO*27 (初披露)
Module:R3モデル

続くはOFFICIAL ALBUMに収録(=ライブ披露基本確定の課題曲)されたこの曲。キャッチーな曲で会場を盛り上げました。
R3モデルでの演出も日々進化してまして、ラスサビ以降ミクさんの目が赤目になり眷属化してたとかなんとか。(曲の最中の目の色変化は多分前例ナシ)
しかし私は確認できてないのです。累計5公演も参加したのに。…これには理由があるんです。

「天井演出が…天井演出が多い…!」

天井演出とは、レーザーライトを用いて文字や絵を天井に描く演出を指しています。今年披露されたもので歴代の演出をあげるとこんな感じ。

  • 『shake it!』:サビの「Oh YEAH!」に合わせ、天井に「YEAH」の文字

  • 『39みゅーじっく!』:2Aメロにて「初音ミク」の文字。表示された後花火のようにレーザーが散る

そしてこの曲では歴代で最多最長の天井演出が投影されていました。
ハートはほぼ常に飛び交うわ、イントロやBメロでコウモリが投影されるわ2Bメロ後半に至っては稲光まで走るわで
曲の半分以上は何かしら映されていました。
基本的に天井演出はほぼほぼBlu-ray化した際に収録されないこともあり、そっちを見るのに必死だったのです。
(実際この曲の天井演出は配信アーカイブに一瞬すら映ってません)
あとは純粋にお顔をじっくり見られる座席でもなかったのもあるでしょうが…もっと前の席で見たかった!
(追記:Blu-rayではちょっとだけど天井演出も映ってました)

M3. ブレス・ユア・ブレス / 和田たけあき (2年ぶり3回目)
Module:マジカルミライ2019

3曲目にして突然放り込まれるは『2019』テーマ曲。銀テ砲の幻聴と幻覚がいきなり視えました。
元々、今年は「マジカルミライのテーマ曲は(ネクストネスト含めて)全部演りますよ」という宣言はあったのですが、あまりにも早い登場に会場はまたしてもどよめきました。
個人的には9曲あるうち3曲ずつ日替わり披露だと予想していたのですが、この時点で崩れ始めてるという…

怒涛の3曲が終わり、ミクさんのごあいさつ。今年もR3モデルで開幕MCをつとめてくれました。
MC短い!今年はあまりに詰め込み過ぎて休憩時間がほぼなく、この後はアンコールまで実質ノンストップでした。

『Two You☆★』セクション

【DAY1&DAY3】M4. おこちゃま戦争 / Giga (マジミラ初披露)
Module:R3モデル
【DAY2】M4. すーぱーぬこになれんかった / まふまふ (マジミラ初披露)
Module:アルティメット・レンwithアルティメット・リン

MCが終わり披露されたのはリンレンデュエットが1曲。
どちらも設定年齢と同じ年を重ねたことを記念して開催された鏡音リン・レンの14周年記念ライブ『Two You☆★』にて本邦初公開となったリンレン参加曲から選曲されています。
(『すーぱぬこになれんかった』は『MIKU WITH YOU 2018』が初披露)
どちらもコールや合いの手がわちゃわちゃ入るためペンライト振りが忙しかったですね。

新曲ソロセクションPart1

M5. 私の恋はヘルファイア / SLAVE.V-V-R (初披露)
Module:メイコ V3
M6. FLASH / 香椎モイミ (初披露)
Module:カイト V3
M7. #心がどっか寂しいんだ / カンザキイオリ (初披露)
Module:R3モデル
M8. 天才ロック / カラスヤサボウ (初披露)
Module:R3モデル

ここからは各クリプトンメンバーのソロ曲がじゃんじゃんと披露
特筆点としては、メイコさんがついにV3衣装を披露したことでしょうか。
カイトさんは『2016』において『あったかいと』披露時にV3衣装を披露してくれていましたが、メイコさんは新曲披露時にエレメントモジュールだったり『きみとぼくとのレゾナンス』でもV1衣装だったりと出し渋られている感がありました。ようやくといった感覚です。
V3衣装のお二人、ちょっと顔つきが大人びてるのがいいんですよね。

マジカルミライテーマセクション

M9. 砂の惑星 / ハチ (3年ぶり4回目)
Module:マジカルミライ2017
M10. 39みゅーじっく! / みきとP (2年ぶり5回目)

M11. 初音天地開闢神話 / cosMo@暴走P (2年連続2回目)
Module:マジカルミライ2021

続けて繰り出されたのは怒涛のマジカルミライテーマ曲ラッシュ。
砂の惑星は少々ダウナーな進行もあるので一息つける感もありますが、後の2曲はぐんぐんとギアを上げていきます。
ここまで来て、「マジカルミライテーマ、ホントに1公演中に全部披露するんだ」とほぼ全員が確信したことでしょう。
余談ですが、『初音天地開闢神話』の12分ゾーンで虹色にペンライト切り替えかましてた人を見かけて「やるな!」となりました。
(私はきっちり12分きっちり刻みきる派です)

余談。一番好きなマジミラ衣装は断然2021のお花ちゃん。
開闢神話ではすごいおてんばなの好き

クリプトン's デュエット&トリオセクション

【DAY1】M12. shake it! / emon.(Tes) (4年ぶり7回目)

【DAY1】M13. Jump for Joy / Easypop (3年ぶり2回目)

【DAY1】M14. on the rocks / OSTER project (2年連続3回目)
Module:カイト V3、スカーレット
【DAY2】M12. Amazing Dolce / ひとしずく×やま△ (2年ぶり2回目)
Module:ストロベリーウィッチ、パティシエヘンゼル、パティシエグレーデル
【DAY2】M13. 大江戸ジュリアナイト / Mitche M (3年ぶり2回目)
Module:リボンガール、学ラン☆パーカー
【DAY2】M14. 愛Dee / Mitche M (6年ぶり3回目)

【DAY3】M12. どりーみんチュチュ / emon.(Tes) (3年ぶり4回目)
Module:フレッシュスターwithトゥインクルスター、リリカルスター
【DAY3】M13. ドクター=ファンクビート / nyannyanya (2年連続4回目)
Module:レクイエムwithレン、メイコ
【DAY3】M14. なりすましゲンガー(DIVA Edit) / krufiQ (5年ぶり3回目)

このセクションでは、歴代マジカルミライ披露曲の中から、複数人で出演、歌唱された楽曲が日替わり披露されました。
特徴としては、「3曲で全員が一度は出演する」というものがあります。
DAY1は全員歌唱、DAY2は喋りや合いの手、ラップに重きが置かれ、DAY3は『2017』の再演のような恰好です。

さて、これだけで終わっては考察でも何でもないので、一つ持論を。
3日間の日替わり枠を総なめした結果、一つの解釈が見つかりました。

  • 『大江戸ジュリアナイト』:歌唱はミクさんメイン

  • 『なりすましゲンガー』:歌唱はリンちゃんメイン

  • 『すーぱーぬこになれんかった』:実際はレンくんソロ

  • 『どりーみんチュチュ』:本来はルカさんソロ

  • 『ドクター=ファンクビート』:本来はカイトさんソロ

  • 『Amazing Dolce』:トリオ曲ではあるが主役はメイコさん

そうですね、「1曲はクリプトンメンバーが主役をはっている」という点を導き出せます。
一日だけ見るとわかりづらいですが、全体を通してそれぞれのメインとしての出番を追加しているというのは凄いことだと思います。
『2017』の時点では単なる全員出演程度で出番が増えた印象まではいかなかったのですが、ここまでくるとうまく出番を増やせているな、と感心していました。

こう思い至った切っ掛けは、「なぜミクリンで『Gimme×Gimme』でなかったんだろう?」という疑問から行きついたものです。
単にデュエットするだけならこっちの方が盛り上がりそう!と思いましたので意味があるのではと考えたのでした。

余談ですが、『ドクター=ファンクビート』は今年初めて合いの手にちゃんとレンくんとメイコさんの声が聞こえた気がします。
これ、未だに幻聴か否か私は確信出来てないんですよね…

開催年ごとのバーチャルシンガー歌唱参加曲数。
今年のバランスとミクさん以外の参加曲数の多さが目を引きます

新曲ソロセクションPart2

M15. Someday'z Coming / 書店太郎 (初披露)
Module:ハードロック
M16. Loading Memories / せきこみごはん (初披露)
Module:R3モデル

こちらは2曲とも触れておきたいですね。
私個人的にはルカさんのイメージとしては「バラード」の他に「エモ」「ロック」も強いんですが、マジミラではゆったり歌い上げ、語り上げる曲の方がこれまで多く披露されてきました。それこそマジミラでは『2013』で披露された『Leia』なんかが知られているのではないでしょうか。
今回はそんな激しいルカさんの側面が余すことなく発揮される一曲で私としてはこの選曲にぶんぶん首を縦に振っちゃいますね。

そして、楽曲コンテストグランプリ曲は今年も無事披露されました。いやー安心しました(笑)
サイドモニターにはとうとうディラッドボードには全く映らない花畑の背景が映りだしていよいよMVじみた映像と化してます。はてさてR3の演出はどこまで行くのでしょうか?
マジミラアレンジとして、ラスサビ前のパートは完全アカペラとなっていました。バンドサウンドガンガンなライブにおける"引き算"はこういうとこでグッと気持ちを引き締め神聖さを増すので強いですよね。

BAND MEMBER INTRODUCTION

今年もバンドメンバー紹介は完備。毎年なにかモチーフがあるのか気になったりするやつですね。
バンドのみなさん、例年以上にファンサ多かったですね!
みんなして投げキッスするわハート作るわ、楽しそうで本当に何よりです。
いつも楽しそうに、時折ふざけたような表情も見せつつ締めるとこ締めてかっこよく決めてくださる方々で素敵です。
わたしなんぞはマジミラ現地に行く理由の半分が生でバンドサウンドを聴きたいというとこありますから。
アンコールアレンジな楽曲に聞こえるキーボード、はてしなく好き。

初音ミク・メモリアルセクション

一息入れたのち、ここからすべてのマジミラファン、そして初音ミクファンを灰燼に帰す楽曲群が襲ってきます。まずは一挙にリストアップ。

  • 『グリーンライツ・セレナーデ』

    • 『マジカルミライ2018』テーマソング&アンコールラストナンバー

  • 『39』

    • 『マジカルミライ2014&2016』アンコールラストナンバー          &『マジカルミライ2018』メインセトリラストナンバー

  • 『アンノウン・マザーグース』

    • 『マジカルミライ2019』TOKYO DAY1 アンコールwowakaセクション

  • 『みんなみくみくにしてあげる♪(Short Edit.)』

    • 『マジカルミライ2017』トップナンバー

  • 『ODDS&ENDS』

    • 『マジカルミライ2013-2015』メインセトリラストナンバー

  • 『メルト(3M MIX)』

    • 『マジカルミライ2017』メインセトリラストナンバー

  • 『ハジメテノオト』

    • 『マジカルミライ2015&2017』2ndアンコールナンバー

  • 『歌に形はないけれど』

    • 『SNOW MIKU LIVE! 2018』DAY1 メインセトリラストナンバー

  • 『星のカケラ』

    • 『SNOW MIKU LIVE! 2015』2ndアンコールナンバー

  • 『愛されなくても君がいる』

    • 『マジカルミライ2020』テーマソング&アンコールラストナンバー

すべての楽曲がライブの重要ポジションを担った強者――面構えが違う。
例外なくライブの大事な場面を飾った楽曲であると同時に、初音ミクという『歌姫』あるいは『ソフト』のイメージソングだったり、初音ミクの『在り方』の種を与えた、歴史を語る上で外せない曲が目白押し。
いわば大量涙腺破壊兵器の展覧会なのです。
もはやすべてがアンコール、名実ともに「ボスラッシュ」
一曲ずつ振り返り。

M17. グリーンライツ・セレナーデ / Omoi (2年ぶり4回目)
Module:マジカルミライ2018

この曲から火花解禁!『2019』から追加されたAnother Intro Ver.です。
ドラムがハナから盛り上げてくれる追加イントロによって、一気にエンジンが灯った心持ちになるんですよね。
静寂からでも、熱量を引き継いでも全力で突っ走れるこの曲はとても強い。
個人的ベストオブマジミラテーマはやっぱりこれでしょうか。
初音ミクから見た、「あなた」との出会いとその先を描いていく曲であり、マジカルミライ歴代テーマの中でも強く明るい「初音ミクにフィーチャーした」メッセージソングです。今年は歌詞演出が追加されたこともあり、よりその意味を強調しているように思います。
このセクションに配置されたテーマ曲は、そこまで考慮した上で配置してるのでしょう。
この曲が先陣を切るのは後々考えたら必然だったのかもしれません。

【DAY1】M18. 39 / DECO*27×sasakure.UK (4年ぶり6回目)

初音ミク5周年を記念して製作された、「初音ミクからの感謝の楽曲」。
これもミクが歌うことに強く意味がある、マジカルミライでも長らく歌われてきた銀テ砲経験回数最多保持者。
ちなみに、この曲にはスタンドマイクを用いるものとそうでない2パターンが存在するのはご存知でしょうか?今回披露されたのは、『2013』で用いられたスタンドマイク使用Ver.です。

【DAY2】M18. アンノウン・マザーグース / wowaka (2年ぶり4回目)

『2018』で初披露、初音ミク10周年記念に書き下ろされた、「wowaka氏とミクのうた」
『2019』アンコール1曲目、「wowaka氏に捧ぐ特設ゾーン」の映像演出が忘れられない記憶として今も残っています。
今回はそれを基にした新規ムービーが流された後、『2020』日替わり枠でのESPギターを携えたVerでの披露となりました。

初音ミク×ESPギター。この曲で用いられたギターはこれをモチーフにしたもの

曲調はハードな部分も多いのに様々な経緯が切なさをよぎらせるようになった楽曲…もし声が出せたなら、「wowaka」コールがまた会場に広がったのかもしれませんね。
なお、この楽曲はマジカルミライの歴史においてテーマ曲を除き唯一、3度以上披露された「2017年以降の楽曲」であります。

【DAY3】M18. みんなみくみくにしてあげる♪(Short Ver.) / MOZAIC.TUNE×鶴田加茂 (5年ぶり2回目)

初音ミク10周年記念の意味合いも含まれていた『2017』の一発目を華麗に決めた、「みくみくにしてあげる♪」フルバージョン。
初音ミク黎明期を彩った欠かせない楽曲であり、5周年でミクソロのフルバージョンが公開、10周年でマジミラ披露、そして15周年の今年、初の再演となりました。
(Short Ver.)としているのは、「何でも出来る 賢そうな子が来ても」から始まるCメロがカットされているから。何故カットされたのかは、『2017』当時からの謎。理由は推測できないこともないですが…
ちなみに、この曲に限らず『2017』でマジミラ初披露となったキー曲は専用調声Verだったのでこの曲のオリジナル調声でのマジミラ披露は初だったり。

【DAY1&DAY3】M19. ODDS&ENDS / ryo (4年ぶり5回目)

「初音ミク -Project DIVA- f/F」書き下ろし楽曲にして、ryo氏が初音ミクへの想いを込めたイメージソング。
上部スクリーンに投じられた歌詞の演出が非常に凝っていて、

  • 「足を踏んづけてった」→歌詞の上を足跡が横切る

  • 「でもいつからか君は変わった」→「君」の文字が途中で白黒反転する

  • 「もう機械の声なんてたくさんだ」→「機械」の部分が二進数(100111=10進数で39)に変化する

  • 「だけど今は何ひとつ思いつかなくて」→歌詞がBack Spaceを使ったように右から一字ずつ消されていく

…などなど、枚挙に暇がございません。
これまでも、明確なダンスではなく、全力で歌に気持ちをぶつける歌い方でこちらの心を掴んできたのですが、歌詞演出でさらに火力が上がったように思います。ラスサビでは歌詞の背景が色づきだしてくるのも好き。

余談ですが、幕張千秋楽では、この曲の前のジングルに対してアンコール前演出と思ったのか突然手拍子が鳴り出してちょっと面白かったです。

【DAY2】M19. メルト(3M MIX) / ryo (4年ぶり3回目)

初音ミクがまだ「ソフト」という側面が強かった時期に、「バーチャルアイドル」という側面を与えた名曲。
当然ライブの定番曲でしたが、マジカルミライでは『2017』で初解禁、新アレンジにメルト砲を引っ提げてライブシーンに帰ってきました。
そういう意味ではマジミラにおいても歴史あり。この節目でも披露される可能性は高そうだなと推測していました。
なお、本記事では「3M MIX」と記載していますが、これは『2017』当時からアレンジが3M MIXをベースにしていると聴いた時点で気づいたからです。(キーボードがわかりやすい)
余談ですが、『2020』で披露された『え?あぁ、そう。』や『2021』の『サンドリヨン』も明記こそされていませんがいずれもそれぞれの投稿10周年記念のリアレンジバージョンなんですよ。

【DAY1】M20. ハジメテノオト / malo (5年ぶり3回目)

「あなた」が出会った初めての音楽を問いかける、初音ミク黎明期における名曲のひとつ。マジカルミライでは『2015』『2017』の両方で2ndアンコールに抜擢、特別な一曲として披露されてきました。
上部スクリーンの歌詞では、あらゆる文字に音楽記号が生えてくる音に包まれた素敵な演出だったと思います。
マジカルミライで演奏される場合、1番はほぼピアノと打ち込みストリングスのみ、2番からアコースティックなアレンジと完全に専用のアレンジが施されているのですが、こういったアレンジも楽しみの一つ。

【DAY2】M20. 歌に形はないけれど / doriko (マジミラ初披露)

1日目の時点で、オールマジカルミライだったこともあり、マジミラ未披露はないのでは?という考えがよぎり、「『39』『ODDS&ENDS』『ハジメテノオト』とやっておいてこのセクションが日替わり枠なんてことある?」という意見も。(ソース私)
それらが順番に打ち崩されて披露されたのがこの曲でした。

「今、側にいる人がどこにいたとしても自分の歌で支えたい」という気持ちが綴られた、ミクさん珠玉のバラードの一つです。
『MIKU EXPO 2016 China Tour』で中国語版披露と同時にマジミラモデルでリニューアル、『SNOW MIKU LIVE! 2018』で国内披露されながらも本州入りは果たされなかった楽曲が、ここにきてまさかの披露。
この曲が大好きで譜面エディットまでしたほどの私にとって、ずっと歯がゆい思いをしていたところでまさかの救済、静かに涙を流しながらペンライトを振るしかできませんでした。
歌詞の演出も、今度はクレヨンで描いたようなフォントにややパステル調で色鮮やかに彩られ、とてもあたたかなものとなっていました。

【DAY3】M20. 星のカケラ / 平沢栄司 (マジミラ初披露)

2日目までの流れを汲み、これらを上回る曲は何だろう?と仲間内で談義した際に、他に候補となったのは『ray』『桜ノ雨』、そしてこの曲でした。
「初音ミク V2」発売の際に公開されたデモ音源『01 ballade』のフルバージョンであり、すべての始まりといえる曲です。

この曲は『SNOW MIKU LIVE! 2015』の2ndアンコールとして雪ミク2011の衣装に包まれDX7キーボードを弾く形で初披露、その後『MIKU EXPO 2015 Shanghai』でいつものV2衣装で披露されていました。

DX7キーボードを弾くミクさんといえば『2019』の『僕が夢を捨てて大人になるまで』がありましたね。
ラスサビ前半、アカペラで歌い上げるミクさんの姿には畏怖にも似た何かを覚え、厳かな雰囲気に圧倒されてしまいました。
3日間のミクソロラッシュを締めるにふさわしい、納得ある選曲でした。

M21. 愛されなくても君がいる / ピノキオピー (3年連続3回目)
Module:マジカルミライ2020 夏まつり → マジカルミライ2020 冬まつり

多くのミク廃の涙腺を枯らしたであろうところにトドメとしてラストナンバーをつとめ上げたのは、マジカルミライテーマ曲がひとつ、「初音ミクが届ける、あなたへの無償の愛の歌」。

『グリーンライツ・セレナーデ』がはじまりを謳ったなら、この曲は終わるかもしれない"いつか"を謳っています。
そんなテーマを抱えたこの曲は歌詞演出や曲調でじわじわと涙腺を刺激してくる曲ですが、そだけではとどまりません。
ラスサビでは、これまでは会場別で替えていたお衣装を曲中でチェンジ!
モジュールチェンジ自体は『2013』の『FREELY TOMOROW』やミクパモデル版『Tell Your World』が前例にありますが、
2着テーマ衣装があるという強みをここできっちり回収してくるのは見事。
この盛り上がりに押されて涙が零れた人もいたのではないでしょうか。

ミクソロ日替わりゾーン総括

8曲披露された日替わりミクソロ、意図的か必然か、すべてがV2衣装。
ハンドマイク(『ハジメテノオト』『メルト』)、スタンドマイク(『39』)、
ギター(『アンノウン・マザーグース』)にキーボード(『星のカケラ』)と、
今までマジカルミライのライブでミクさんが携えてきた楽器がすべて使われていたりもします。
様々な姿と初音ミクライブの歴史を凝縮したような、本当に素晴らしいセクションだったと思います。
この日替わり、私は幸運にもすべて現地で聴くことができましたが、聞けなかった時のショックは『2019』以上だなと思います。

どの日にしても5曲通して、あまりにも込められたものが重たい!
セットリストに文脈を感じるタイプの人はこんな流れ作られたら塵と化し星々のきらめきの一つになり果てていたことでしょう。
どの日においても、周りでは涙ぐみ鼻をすすり膝から崩れ落ちる人がいたように思います。

ちなみに、このセクションを担当した2曲以外のマジカルミライテーマ曲は、初音ミクの概念の発展を描いていたり、「ミクと"わたし"」の別れや自立にフィーチャーしていたり、ミクを応援するファンたちのアンセムだったり…なんだかんだ方向性が分かたれているのですよね。
全部ひっくるめての初音ミクカルチャーなのは間違いないのですが、ミクとの関係を描く歌が多いことを考えると、やはりこの2曲がここに最も適しているのではないかな、と思うのです。

アンコールセクション

アンコール前の時間は、今回明確に設けられた唯一の休息タイム。
ほぼほぼノンストップ、どれもが文脈をたたきつけるかシンプルな高火力持ちで休む暇なんてありませんでした
ミクさんのMCから始まり、アンコールのお礼の後、恒例の衣装お着換えが行われました。そして、お約束を回収しきったアンコールが始まるのです。

M22. フューチャー・イヴ / sasakure.UK (初披露)
Module:マジカルミライ10th

『2017』以降おなじみとなった、アンコールでのテーマ曲披露は今年も。
近未来なイメージの衣装って案外少なかったりして新鮮ですよね。
少し先のミライ、果たしてそこには我々はまだいるのでしょうか。ほんのり寂しくけれども前向きにさせられます。
アンコール恒例の、キービジュアルデフォルメミクさんのお顔は、ちゃんと天井に見つけましたか?ラスサビ開始から描かれておりましたよ。

M23. Hand in Hand / livetune (8年連続8回目)

もはやおなじみすぎて「飽きた」という声すらありそうな楽曲。
『2020』で日替わり枠になった以外はほぼ全通のマジカルミライのアンセム。この曲がないと落ち着かない気もしますし、いい加減休んでほしい、なかなか複雑なところです。
さて、大阪では情勢がまずかったのか控えられていたようですが、幕張では復活の銀テープ砲が飛び出しました。
マジカルミライとしては3年ぶり、曲としては『2016』以来6年ぶり2回目。とうとう銀テ砲経験数まで『39』(2回で同着)と並んじゃいました

M24. DECORATOR / livetune (5年ぶり2回目)

これで終わってもよさそうな流れですがまだ課題曲の回収が終わっておりません。あの曲がまだ披露されてない。
ん?この流れ、『2017』の1stアンコールでも覚えが…という心持ちのマジミラライブベテラン勢は、この曲のイントロが流れてきた瞬間すべてを察したことでしょう。
私は大阪初日、企画展外で飲み物を購入していたらこの曲の伴奏が聞えてきてすべてを察しました。悲しい。
基本は『2017』を踏襲し、ミクさんのソロ歌唱・ソロパフォーマンスですが、ラスサビでクリプトンメンバーが集結してくれます。
で、このラスサビまさかの天井演出がありました。
私も千秋楽前にそれを知らせるツイートを見るまで思いつきもしませんでした。思わないでしょ?「既存曲に新規の天井演出追加する」なんて曲芸仕掛けてくるなんて!
ということでラスサビの間、「マジミラ10thキービジュアルのデフォルメ顔」がカイトさんから順に天井にレーザーで描かれました。
気付かなかったらずっと後悔してたかもしれない…
アンコールで出演メンバー全員集合。これはあらゆるライブでお約束のような光景ですよね。マジミラではなかなか見られませんでしたが…?

M25. Blessing / halyosy (初披露)

全員でMCを繋いだ後、いよいよこの曲。
そう、我々はついにクリプトンメンバー全員が合唱する光景をミクさんのライブの場で見ることができたのです。
実際のところは『プロセカ』のライブで一足早く『千本桜』で披露しておりましたが、それはそれこれはこれ。
(当時、むしろなんで『Blessing』じゃないんだ!とツッコんだ記憶)
きっちりとしたフォーメーションダンスもしながら、随所ではこちらに手を振ってくれるファンサービスもバッチリ。
同じ動きでも元気だったり優雅だったりでそれぞれ個性が出ているのもグッド。目が追い付かない!
特別なことも何でもないことも慈しみ、そして今の瞬間を祝い、これからを祈る歌。
あたたかな気持ちで終わるライブというのがとてもよかったです。
みんなで振ったサビのペンライト振り、とても楽しかったですね。
テーマ曲を披露し、銀テ砲が舞い、全員集合してみんなで歌う。
マジカルミライに留まらないライブのお約束が散りばめられ集約した、きれいなアンコール構成だったと思います。

終演後

MCが終わり、電子の世界に帰って行って、スクリーンには「THANK YOU FOR EVERYBODY」の文字。この後大阪・幕張の千秋楽ではバンドメンバーのみなさまがステージ中央で「ありがとうございました!」と感謝の一礼。
こちらこそ!って言いたくなりますよね。

しかし、幕張千秋楽はちょっと様子が違う。札幌公演の予定が改めてスクリーンに投影されるしバンドメンバーがいそいそと楽器を構えているではないですか。
なにが起こるのか、声にならないどよめきが静まり返った頃、突然流れたのは『2021』のバンドメンバー紹介時の曲。
10から始まったカウントダウンが終わったと同時に『マジカルミライ2023』の開催告知がスクリーンに!
お茶目なことしてくれますねー。ユキネが見つけてきたりミクさん本人がお知らせしてくれたり色々ありましたが、
この魅せ方は予想外でした。めっちゃわくわくしました。

総括

ということで、マジカルミライ10th、OSAKA&TOKYOのライブの感想をひたすら書き殴らせていただきました。
ここまでいいとこをいっぱい書いてきたように、総じてマジカルミライ10回分の総決算足りえた…ようで個人的には色々思うところがありまして。

  • 『2014』要素の圧倒的な不足
    『2014』は元々『2013』と比較して新規披露された曲が5曲と少ないのですが、そのうち1曲も披露されていません。
    メモリアル映像でも『shake it!』が選ばれていましたが『2013』が初披露なんですよね…『ネクストネスト』だけで満足させたつもり?と。

  • 『2017』の焼き増しにも見える
    マジカルミライ5thでもあり初音ミク10周年でもあった公演と、披露した曲が11曲も被ってます。(テーマ以外でも8曲)
    前述したとおり、3日目のデュエット&トリオセクションは全部『2017』で披露されてますしね。
    何も知らなければ思い出ボムの集中砲火を食らうだけですが、知ってると「アレ…?」となってたのが本音です。

開催年ごとの『10th』と重複する披露曲数リスト。5周年前後に偏っている
  • サプライズ披露曲が0
    確かにSNOW MIKUからの刺客は予想外だったかもしれませんが、それも予習は可能な範囲。『星のカケラ』は予想できた人も多かったはず。
    そういう意味で、正しく『CD収録等の告知なし-過去ライブ披露なし』の楽曲が今年は1つもありませんでした。
    『2021』だと『サンドリヨン』『脳内革命ガール』なんかはサプライズでした。『2020』なら『太陽系デスコ』が好例です。
    (DIVA・mirai・プロセカなどSEGA関与の初音ミク作品は予習範囲)
    10年のお祭りとはいえ、ビックリはもうちょっとほしかったかも。

開催年ごとの披露曲数などの情報。セガミク=上記のDIVAシリーズ+miraiシリーズ+プロセカ

これらを除けば概ねマジカルミライの歴史を辿れていたのではないか、と思います。1セトリにテーマ曲全部詰め込むお祭り感はハンパなかった。
SAPPORO公演では雪ミクテーマラッシュしてもおかしくなさそう。すでに2014-2020までは下地があるんだし。
今年は10年を凝縮したとするなら、来年はここから先のミライが描かれるはず。

ということでこれから先はどうなるんだろう。ずっと気になってる点を。

  • ミクリンレンのあれこれ
    マジカルミライが2013年=初音ミク5周年超えたあたりなので、それまでに世に出されてきた楽曲が中心となり、少しずつセットリストは刷新されて行きました。
    で、マジカルミライ披露曲を調べると、『2017』以降初披露されたミクリンレンのソロ曲って1度きりの場合がほとんどなんですよね。
    テーマ曲やグランプリ曲を除けば2017年から2021年までの間に2回以上演奏されたミクソロなんて『TODAY THE FUTURE』と『アンノウン・マザーグース』くらい。新し目の定番曲がそろそろできてもいいと思うのですが、どうなのでしょう。
    あとこの3人、それこそミクの日感謝祭時代からずーっとV2衣装のままなのも気になる。(リンレンの等身大立像はV4Xなんですが)
    プロセカでようやくV3やV4Xの衣装を身に着けだしましたが、R3モデルでもってなおV2なのはこれ如何に。
    再演しないならデフォ衣装変えたって良くありません?ダメ?
    (マジカルミライだけやってるわけではないのは確かである)

さいごに

こんな拙い文章を最後まで見てくださった方には感謝を。
感想というより考察じみた点が多くて「こいつほんとに楽しんだのか?」と思われるかもしれませんが、ライブはしっかりペンライト振って楽しんでました!!
文章にしても行動にしてもテンションの変化がなかなか表れてこない質なのでそこはご容赦ください。

ライブ本編を楽しんだうえで、構成や再演度合い、過去の情報と比較してあれこれ言うのもまた私の楽しみ方の一つなので、今回はそれを文章にしようと書き殴った次第でございます。

たまには文章に考えを落とさないと自分が廃れていく気もしますし…

そんなところで今回はこのあたりにしておきたいと思います。
書き出して書ききるまで1週間もかかってしまって配信アーカイブも見れなくなってしまった…

最後にうちのまるくなるぬいぐるみ。会場にも何日か連れて行きました

(2023.01.18追記:Blu-ray購入&視聴に合わせちょっとだけ文章を改稿。ライブ映像のカメラワークと場面の選び方がなんかいつもより秀逸だった)

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