ちょっと旧い “ルノー・トゥインゴ R.S. シャシーカップ“ note
経済的に背伸びすることなく私の身の丈に合った、ちょっと旧い絶滅危惧種の「フレンチロケット」をこよなく愛するドライビング・ファンの愛車編歴noteです。
私は基本「不良オヤジ」に間違いありませんが、絶対に煽り運転なんてしないし、逆に煽られるような運転もしません。交通法規を守る善良な市民として「ドライブ・マイ・カー」を書き留めたいと思います。
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トゥインゴ R.S. シャシーカップ日本上陸
まだ最近のことような大昔のような、今から9年前の出来事です。ブエノスアイレスで開かれた国際オリンピック委員会総会で、当時のIOC・ロゲ会長が「トーキョー!」と宣言した2013年に、インポーターのルノー・ジャポンは「トゥインゴ R.S.シャシーカップ」を日本市場へ投入。
ルノースポール・スペシャリストディーラー国内17店舗のみの販売で国内30台限定という稀少性と、「走ること」以外の快適装備を削ぎ落とし、新車価格で200万円台前半という破格のバーゲンプライスで登場した結果、一瞬にして完売となりました。
当時、本国仕様の「トゥインゴR.S.」には、「シャシースポール」と「シャシーカップ」という足回りの趣向性が異なる2種類のセッティングが用意されていました。
しかし日本に正規輸入されるトゥインゴは「ゴルディーニR.S.」も「レッドブル・レーシングRB7」のどちらも快適性能重視の「シャシースポール」一択のみ。
やっと日本にやって来た運動性能重視の「トゥインゴR.S.シャシーカップ」は、いつの日かステアリングを握ってみたい憧れのマイカーリストの一台に加わりました。
しかし当時の私は「クリオRS2.0 ph2」を所有して乗換えの予定は微塵もなく、増車する経済的な余裕もなく、そもそも国内に30台しか輸入されていないので、街中でお見かけすることもなく、残念ながらご縁はありませんでした。
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MINI専門スペシャルショップのルノースポール
数年後のある日、突如として私の生活圏内にある、なぜかBMWミニは絶対に取り扱わない、ローバーミニ、フィアットアバルト、ルノースポールに特化する国内屈指のMINI専門カーショップに「トゥインゴ R.S.ルノースポール シャシーカップ」が入荷予定との情報をキャッチ。
憧れのクルマだったので一度は実車を見ておきたいという軽い気持ちだけでしたが、ショップへ事前連絡を差し上げて、入荷のタイミングに合わせてお邪魔したのでした。
約束の日にショップへお伺いすると、事前に私のために車両を見やすいよう広いガレージへ移動して準備いただいたようで、心ゆくまで見ていって!と、親切なショップオーナーさんのお言葉に甘えさせてもらいました。
時間が経つのも忘れて閉店近くまで眺めていると、そこまで気に入ってくれるのなら、販売車両として店頭に並んでいる「ゴルディーニR.S.」に装着されているルノースポール純正のフジツボに付け替えてあげてもいいよ!とのこと。
どんなに「シャシーカップ」が魅力的でも、大切にしていた「クリオRS2.0 ph2」を手放すことに対して、ココロの底に抵抗があった私は突然のショップオーナーの提案を受けて、気持ちは激しく揺れ動きます。
当時すでに欧州を発端とする脱炭素へ向けた社会の流れに、古典的な自然吸気の高回転型ツインカム・エンジンを積む、モータースポーツ志向の軽量コンパクト・3ペダル・ホットハッチは明らかに時代を逆行するものとなっていました。
手に汗握るクイックなステアリングと、ダイレクトな5速マニュアルミッションを駆使して、パワーを持て余すことなくスロットル全開でレシプロエンジンを回し切ることが出来る、たぶんコレが最後のフレンチロケット。
こんなクルマはもう二度と生産されることはないだろう..という確信から、「サンク」の血を継ぐクリオとのお別れを惜しみながら、「ルノースポール」から「ルノースポール」への乗り換えを決断したのでありました。
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傘と長靴とクルマは黄色が基本
まもなく車齢10年超えですが、ルノースポールの魅力であるクイックなハンドリングに劣化はなく、軽く舵を入れただけてスパァーン!と鋭く応答するダイレクトな操作感は、遊びゼロのカーボンフレームロードバイクに共通する感覚です。
またルノー・スポールのシンボルカラー「ジョン・シリウスM」の黄色は目立つので、86やタイプRのお兄さんに後ろからベタベタで付けられるのは想定内でしたが、未就学の幼児たちから、「パパ、あれ見てぇーっ!」と手を振って歓声があがることは想定外でした。
黄色が放つ色彩心理『caution』は世界共通。フェラーリのコーポレートカラーは赤ではなく黄色、アバルト、ロータスもエンブレムは黄色基調、初期のシトロエンも黄色のダブルシェブロン、ランボルギーニもイエローカウンタックというセグメントが存在します。
傘と長靴とクルマは黄色が基本。私も幼少の頃から黄色のクルマが大好きでした。
当初は興味を見せなかった一人娘もこのクルマが家に来てからは、私もコレ運転してみたいという気持ちが芽生えたらしく、学校の夏休みを利用しマニュアル免許を取得して、これからは親子で乗り続ける愉しみも生まれました。
お手製カーボンオフセット策定
化石燃料に未来はなく、電気は無尽蔵に使えると勘違いしている方々に対して複雑な思いはありますが、今後はレシプロエンジンと脱炭素化との共存は必要です。
そこで私が決めた地球環境とのトレードは、降雨降雪がなく、時間があって荷物のない一人の所用であれば、往復20km未満ならジョギング、60km未満なら呼吸以外のCo2排出量ゼロのロードバイクで移動すること。距離の算出は3時間を物差しに決めました。
お手製カーボンオフセットを免罪符に、フレンチロケットの乾いた快音を愉しんで、渋滞でCペダルがツラいと一瞬でも感じたときに免許証を返上したいと思います。
ここまでご覧いただき有難うございました。次の愛車編歴はハイドロ・シトロエン「エグザンティアブレーク」を書きたいと思います。
Fin
過去にSNSでアップした記事をnoteで再編集しました。2022.9.30