見出し画像

高原のカーグラフィックnote

🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲🌲

妻と娘の家族3人でクラシックシトロエンのオーナーさんが経営される華やかな軽井沢にありながら、標高1100mの人里離れた森の中にある小さなホテルを訪れました。

1970年製 ランドローバー・シリーズ1

軽井沢駅と宿の送迎は1970年製ランドローバー・シリーズ1が現役活躍中で、支配人が手際よくバゲッジを助手席に積み込むと、宿泊客はリアゲートから荷台に乗せられて、非日常の休暇の始まりに期待で胸が膨らみます。

荷台の左右に向かい合って乗車します
ベンチレーターはフロントウィンドウ直下にあります
"LAND ROVER ENGLAND "のプレートは武骨なボルト締め
ルーフトップに合わせたクリーム色の鉄チン
英国女王の葬送はランドローバーの仕事であって欲しかった🇬🇧黙祷
映り込む景色が少し歪む雰囲気あるフェインダーミラー
ワイパーの作動原理は100年不変

半世紀前に製造されたディーゼルエンジンが牧歌的な快音を響かせて、白糸ハイランドウェイを力強く駆け上がるビンテージランドローバーは頼もしいかぎりです。

1930年製 シトロエン・C6

宿に到着するとチェックインは妻と娘に任せて、ひとり私はヒノキとキャブレター車両特有のガソリンの香りに包まれた庭のガレージに向かうと、1930年製シトロエンC6が静かに佇んでいました。圧倒的な存在感に息も止まります。

クラシックシトロエンC6が収まるイメージを固めてから設計した特別なガレージだそうです
92年間も重ねられた神々しい磨き傷
フロントノーズは使い込まれた金管楽器のような輝き
リアフェインダー後方には「C SIX」のサインプレート
ボディカラーは黒ではなく上品な濃紺です
2400cc直列4気筒OHVエンジン≒40ps・3速ミッションのFRレイアウトを介して最高速は105km/h

この車両はシトロエン創設者のアンドレ・シトロエンが乗っていた個体だそうで、いつまでも眺めていたい気分でしたが、夕食の時間が近づきガレージを離れました。

ガレージ内にはバーカウンターもあります

🌰🐿🌰🐿 🌰🐿🌰🐿 🌰🐿🌰🐿 🌰🐿

翌日秋晴れの青空の下、緑の絨毯の上にC6をガレージから出してもらい、支配人からドライバーシートに座るよう勧められると、日頃は冴えない窓ぎわオジさんは一気にタイムスリップしてキラキラと瞳の輝く少年に戻っていました。

マスクの下は満面の笑み

シトロエン独特の乗り味は今も昔もハンドリングとサスペンションとシーティングですが、オーナーが最初に心を奪われたきっかけは、街中で偶然見かけたエグザンティアのボディカラーだそうです。

地味な色なのに晴れた日にキラリと輝きを放つ青みを帯びたシルバーメタリック「ブルーレマン」の「エグザンティア・ブレーク」を所有していた私の車歴と重なって会話が弾みました。

フロントウィンドウは「すべり出し」で前方に開きます
ライトビュー
レフトビュー
永遠のダブルシェブロン
C6はいつの時代もシトロエンのフラッグシップモデル
美しいボディの絞り
パッセンジャーシートからの眺め
思いのほか見切りが良いドライバーズビュー
欧州の多くの名車が採用するJaeger製メーター
アッタリマエのパワーアシストが無いステアリング
極上のシーティングはシトロエンの伝統です
2022年・初秋
2000年・晩秋
時代はEV化の流れでMTミッションは絶滅危惧種

現在シトロエン正規ディーラーにMTモデル設定は消滅し、仏車で唯一3ペダルを残して孤軍奮闘するルノースポール乗りの私ですが、人生最期のクルマ選びはシトロエン沼にもう一度ダイブするかも知れません。

近いうちにエンスーの聖地、品川荏原のクラシックシトロエン専門店JAVELさんにお邪魔しようと思います

🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱

何もない豊かな感動の宿

宿は旧三笠ホテルからさらに登った別荘地からも数キロ離れた国立公園内にあるポツンと一軒家で、TVや新聞サービスもなく、あるものはビンテージカーとレコードだけ。何もない本物の豊かさを知る方には最高の宿に間違いありません。

ここまでご覧になられた方は、ぜひご旅行の計画を..
私はまた来年も訪れたいと思います。

Fin

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?