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幼馴染との付き合い方に関する関連性と傾向「怨みのレヴュー」を通じて

ビーン
https://twitter.com/bean_vanilla21


1.初めに

 『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』(以下スタァライトと表記する) との出会いは2017年のブシロード10周年ライブ内で行われたプロジェクト発表までさかのぼる。そして#1の舞台を現地で鑑賞し、天堂真矢役として演じている俳優の富田麻帆のファンとなった。その時の衝撃は今でも忘れない。

 さて、本論文は石動双葉、花柳香子両名と、他作品の類似しているキャラクターを提示し、関連性を論じる。

2.石動双葉について

2- 1 キャラクター性について

 類似点が多いキャラクターとして、『マリア様がみてる』(*1)より支倉はせくられいをあげる。

 疑似姉妹の契りであるスールという特別な関係になった島津しまづ由乃よしのがおり、キャラクター個人としても2人の関係性を見ても、共通点が多い。

 個人としては、石動双葉、支倉令ともにしっかりしており(相手の世話を焼かざるを得ない)、長物の使用にたけている。特別な相手との関係をみると、2人とも相手に依存しており相手の行動が自分の判断に影響を与えるというところが類似している。

 石動双葉の行動では、今回の「怨みのレヴュー」までに、実際に新国立第一歌劇団に入団する相談をしなかったところ、また相談できなかった理由が「香子に止められるから」というところによく表れている。


*1 いわずと知れた百合の王道もの。最近では、ライトノベルがなかなか見つからずに時の流れを感じている。東京都武蔵野の丘の上にあるという「私立リリアン女学園高等部」を主な舞台とした青春学園小説・今野緒雪著

2- 2 石動双葉から見た怨みのレヴュー

 最初は言葉を並べて、いつものように丸く収めようとしているが、香子はそれでは許さず、納得もしない。和解というよりは自分の思い(わがまま) をストレートにぶつけないと伝わらない状態だったのではないのかと考えられる。最後は別々の進路になってしまうが、一緒に同じ舞台でまた会えるような一時的な別れと考える。

3.花柳香子について

3- 1 キャラクター性について

 類似点が多いキャラクターとして、『舞-HiME』(*2) の藤乃ふじの静留しずるをあげる。

 想い人として玖我くがなつきがおり、キャラクター個人としても2人の関係性を見ても、共通点が多い。

 個人として、関西弁で計算高く、長物の使用にたけている。『舞-HiME』に関しては、作品自体がバトル物となっており、アニメ作品としてもスタァライトと親和性が高い。そして藤乃静留は武器として薙刀を使っている。 

 特別な相手との関係性において、この2人の大きな共通点として、嫉妬深く相手に対する愛が深く重たいということがあげられる。

 花柳香子に焦点を当てると、レヴュー前からクロディーヌに嫉妬しており、口上も丁寧でありながら危険な雰囲気も醸し出している。双葉の耳元でささやいた「表出ろや」が言いたいことの全てをものがたっている。また、それを表すかのように舞台装置としてのトラックにも花柳香子の感情が反映され“あいむあんぐりぃ”と記されている。


*2 キャッチフレーズは「サンライズ初の萌えアニメ」。後に制作されているアイカツ!やラブライブ!にも影響を与えている。栗林みな実さんの歌はすべてよかった。

3- 2 花柳香子から見た怨みのレヴュー

 双葉がクロディーヌにそそのかされたことに対して怒っているというよりも、私の知らない子になってしまったということに対する憤りが一番しっくりくる。香子が口上を述べる際、とても丁寧な仕草で口上を述べていた。この様子を香子の静かな怒りと捉えると、「双葉が知らない子になった」ということを香子はレヴュー開始前から薄々感じ取っていたのではないだろうか。自分の納得いかない事実を突きつけられて立腹した香子と考えると納得である。

4.結びの言葉 怨みのレヴュー全体を通じて

 レヴューを貫いている鉄火場、キャバレー、デコトラといった表現が、古き良き日本の文化を思わせる。

 また、レヴューにおいて過去の自分たちにケリをつけ、成長へのパラダイムシフトを起こしているのではないかと思う。この2人の場合、「過去」の文化をなぞりながら、「未来」へ向かうため互いに完全なケリをつけようとしているのだ。

5.著者のこれだけは言わせて

 雨宮詩音と眞井霧子のコンビがモノづくりにおける陰と陽の「陰」の部分を表しているのではないかと考える。著者が印象に残っている個所として、眞井霧子が舞台上ではっきりと未完ですと発表し、「あー怖いなー!」と叫ぶところ、雨宮詩音が「書けてなくてごめん」と謝るところ、決起集会でのシーンで使用されているBGMまですべてが、いままでのものと決別させるための一つの演出だと考える。


著者コメント(2022/10/10)

 皆様初めまして、ビーンと申します。今回は自分の文章で出しきれるものを出させていただきました。やはり、思いを形として出すのは大変だなと感じておりましたが、想像以上に大変でした。主催チームの皆様には心より感謝いたします。

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