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熊野路、先人達の愉しみを味わい尽くす。

一昨年の晩秋、世界文化遺産である熊野詣と洒落込んだ。私は自重の所為で膝や股関節を痛めており、無理を押しての決行であった。

竹の根が龍の様にうねり這う
山深い熊野路には雄大な雲海も

昔は熊野詣も庶民の娯楽であったという。旅というのはいつの時代においても一大エンターテイメントなのだろう。空海が密教(真言宗)の修行の為に築いた金剛峯寺まで遥かに続く路さえある。

忘れ去られた小さな祠(ほこら)や倒木更新などがあちこちで散見される。

残された切株の上からは新しい命が芽吹き育って行く
或いは苔むした倒木も

手付かずの峠道を越えると、まるで村上春樹の小説に出て来そうな、ひっそりとした佇まいの小村が見えてきた。

峠を下ると辺りがひらけ突然現れた

村の名前は近露(ちかつゆ)周囲を山々に隠された、本当の静けさが私の心を開く。宿は数軒、村人達はどうやって生計を立てているのか想像も出来ない。

陽を受けて光るススキ
色付く紅葉が一際美しい川辺

近露の宿屋を後にして、熊野三山へと向かう。

山道でクタクタの足腰で
階段を
本日のお宿は憧れの秘湯、湯ノ峰温泉である。
湯ノ峰温泉の看板とも言えるつぼ湯
中はこんな感じ。一人入るのがやっとの正に壺のよう。
熊野三山の一つ熊野本宮大社
そして三山を締めくくる熊野那智大社。那智の滝も水量の衰えを知らず
蒼い海を望む美しい路線
これまた美しい蒼い車輛

たったの二泊の旅であったが、先人達の娯楽を味わい尽くす中々奥深い旅であった。

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