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猫とジゴロ 第三話
それでは面接を始めることとしましょうね。マダムが切り出すと俺はジャケットの裾を引っ張って背筋を伸ばした。何だか就職の時期に色々と学んだ面接のマナーみたいなもんはすっかり忘れちまっていて、それにもましてマダムがポイントを数えるものだから余計にペースを乱されていた。マダムがなかなか座らないので俺は言った「掛けてもよろしいでしょうか?」マダムは「ワンポイントダウン」と言いながら腰掛けて「どうぞ」と手を前に出して俺が座るのを促した。マダムは俺が入力した諸々の書類を「一応」机に並べて俺の顔を眺めながらジッとしている。また一言放たれた「以前はたいそう大きな航空会社にお勤めだったようですね。どのようなお仕事をされていたのかしら」「色々と」「では一番最後にいらした経理畑のお仕事についてご説明くださる?」