hidekのエンジニアと長話 第12-3回【全文書き起こし】~ゲスト:MNTSQ Co-Founder 安野貴博氏~
stand.fmで配信中の「hidekのエンジニアと長話」12人目のゲストは、MNTSQ株式会社 Co-Founderの安野貴博さんです。
「hidekのエンジニアと長話」は、メルペイVPoEのhidek(木村秀夫)さんをメインパーソナリティにお招きし、ゲストエンジニアとともに作っていくスペシャルトーク番組です。
第12-3回の今回は、MNTSQ株式会社 Co-Founderの安野貴博さんをお招きして、SF小説を書く理由や自動運転の課題、自動運転技術が社会に与える影響などについて語りました。
※本記事は、2022年2月4日にstand.fmで配信を開始した番組を書き起こしたものです。
ゲスト
安野貴博 氏 @takahiroanno
MNTSQ株式会社 Co-Founder
メインパーソナリティ
hidek(木村秀夫)氏 @hidek
株式会社メルペイ VPoE(Vice President of Engineering)
パーソナリティアシスタント
gami(池上)氏 @jumpei_ikegami
株式会社プレイド エンジニア
エンジニアがSF小説を書く理由
hidekさん(以下、敬称略):そんな安野さんなんですけど、さっき、山田さんからの紹介にもあったんですけど、ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞?(笑)
安野さん(以下、敬称略):はい。
hidek:2022年に本も刊行される、ってことで。SF作家という。
安野:はい。SF作家でやらせていただいております。
hidek:これ、そもそもやろうと思ったきっかけってなんかあったんですか?(笑)
安野:きっかけですか。結構、そうですね。小説自体は、小学生・中学生のときくらいからですね、「書きたいな」という思いはあり。ちょっと書き、完成には至らない、みたいなですね、そういう小中学生期を過ごしていたんですけれども。20代中盤くらいのときにですね、「星新一賞」という短編で出せるSFのコンテストがありましてですね、そこにぜひ応募してみたいな、ということで、やり始めたんですけれども。やっぱり、SFっていうのもすごく好きでして。IT業界の人って、結構、そういう方、多いと思うんですけど。作品に出てくるビジョンであるとか、テクノロジーの進化の先、みたいなところから、いろいろ作りたいものに影響を受けたりするじゃないですか。僕は『攻殻機動隊』とかを見ながらですね、ワクワクしましたが。
hidek:(笑)。
gamiさん(以下、敬称略):はいはい。
安野:やっぱり、そもそもジャンルとしてSFが好きだった、っていうのと、あと、書きながら思ったことではあるんですけど、「自分が実装するコストを払わなくても、その世界観をアウトプットできるフォーマットがある」っていうのは素晴らしいことだな、と思って。
gami:うんうん。
安野:デビュー作の『サーキット・スイッチャー』っていう作品が、このPodcast収録の次の週くらい(※2022年1月19日)に販売を開始するんですけれども。完全自動運転車の話なんですよね。と、それを開発する、自動運転アルゴリズムの開発の会社の話なんですけれども。自動運転アルゴリズムを全部作ろうと思うと相当大変ですが、小説という形はですね……。
hidek:なるほど!
gami:おもしろいですね。
安野:会社を作らなくてもビジョンが提示できる。こんなに素晴らしいアーキテクトはないな、ということで(笑)。やっぱり、いろいろな自分の中の考えとか妄想とかをですね、うまく形にできるな、というところで、がんばって書いてみました、という感じです。
hidek:星新一賞……。僕、星新一、すごく大好きで。
安野:はいはい。
hidek:小学校のときなんですけど、すごく読んでいた記憶があるんですけど。これ、出したのははじめての、いわゆるちゃんと完成させた小説なんですか?
安野:そうですね。短編として。そうですね。
hidek:えー、すごい。
安野:はじめて完成させられました。短編でも。
hidek:短編書くのって、どれくらいかかったんですか?
安野:短編は、でも、2〜3ヶ月かかりました。
hidek:おー。
安野:1万字くらい。文字数にするとそんなでもないんですけど。めちゃくちゃ大変でしたね。
hidek:おー。ちなみにどんな話なんですか?
安野:短編の方はですね、タイトルが『コンティニュアス・インテグレーション』っていうタイトルでして。
hidek:おお、なんか技術書みたいですね(笑)。
安野:(笑)。「ソフトウェアでよく使われるCIの概念がスポーツ選手に普通に導入されるようになった世界」の話を書いたんです。
hidek:へー。
安野:有料で「honto」というサイトからダウンロードして見られるので、ぜひ、お聞きの方も、もし興味を持ったら。
hidek:えー。なるほどですね。これ、優秀賞って、どのくらい……。全然、僕、この世界がわからないんですけど、どのくらいの応募があって、どのくらいのあれなんですか?
安野:これ、どのくらいだったかな。2千くらいかな?
gami:今見たら、2,489から選ばれた。
hidek:へー。すごい。Pepperくんよりすごいじゃないですか(笑)。
安野:(笑)。Pepperくんは一回戦突破ですからね。
hidek:そうですよね。へー。僕、SF、古いSFしか本当知らなくて。
安野:あ、でも、素晴らしいですね。
hidek:マイケル・クライトンがすごく好きで。
安野:あー。素晴らしいですね。
hidek:はい。彼の本はほぼ読んでますかね。なるほどね。そんな中、今度出る『サーキット・スイッチャー』。僕も先ほど、予約させていただいたんですけれど。
安野:ありがとうございます(笑)。
hidek:まだ、あれですね。あれは、Kindle版はないんですね?
安野:実は19日に発売なんですけど、たぶん、同日に電子版も発売されるんじゃないかな。
hidek:あ、そうなんだ。
安野:はい。
hidek:最近、物理本の方が読みやすくなってきたんで、物理本で買わせていただきます。
安野:ありがとうございます。ありがとうございます。
hidek:はい。ぜひ、サインください(笑)。
gami:(笑)。
安野:著者的には、物理本の方がうれしい、みたいなところもあって。
『サーキット・スイッチャー』あらすじ
hidek:(笑)。はい。これ、ちなみに、完全自動運転車の話ってところだったんですけど、改めて、あらすじというか、導入部分を。せっかくなんで。
安野:あらすじとしてはですね。やばい、あらすじをですね、公共の面前で言うのはじめてなんですけど(笑)。
hidek:(笑)。
gami:貴重な。
安野:あらすじ。あらすじをどうまとめるかというとですね、ソフトウェアエンジニアとアルゴリズムエンジニアとデータサイエンティストが戦う話なんですが(笑)。
hidek:おー(笑)。
安野:自動運転アルゴリズムの開発をしているスタートアップのですね、代表兼開発者が、あるとき、車の中で拉致されて、閉じ込められてしまう。
hidek:おー。
安野:で、閉じ込められて、その車はですね、ずっと首都高を回り続ける。
hidek:うん。
安野:環状線を回り続けるんですが、その車には爆弾が仕掛けられておりまして、今すぐ、拉致したテロリスト側の人間は、「このアルゴリズムのこういうところを証明しろ」というのを、車の中で、アルゴリズムを作った代表に迫る、というところです。
hidek:ちなみに、あれですか。いわゆる完全自動運転車なので、運転手がいない車に主人公が乗っていて、それがハッキングされて、あれですかね。その中に人がいて、強盗犯がいて、っていうよりは、ハッキングされて、出れなくなって、っていうイメージですか?
安野:一応ですね、一緒にいます。
hidek:一緒にいるんですね。なるほどなるほど。
安野:車内で二人きり。
hidek:二人きり。おー。なるほど。
安野:で、その、尋問をしていくわけですが、その様子は動画配信サービスで中継されています。
自動運転事業の課題
hidek:なるほどね。へー。めっちゃおもしろそう。実はですね、僕、前職でですね、この「自動運転事業」っていうところに携わる機会があって。僕、前職がDeNAというところなんですけど。DeNAの当時の社長の守安さんって方がですね、「今、AI、これから来るよ」と。「その中でも、自動運転っていうところが来るんだ」と。で、2020年までにDeNAで、自動運転車、いわゆるレベルがいくつかあるんですけど、「レベル4といわれる自動運転技術を使って、旅客業、いわゆるタクシー業をやりたいんだ」と。なので、それで「会社を立ち上げる」と。当時、ZMPっていうベンチャー企業さんとジョイントベンチャーを作って。
安野:はい。
hidek:で、僕はそこのプロダクト責任者として入ってやる、っていうことがあって。意外と、この自動運転に関わる機会があったんですけど。まあ、やってていろいろあって大変だな、というのは思いますね。
安野:いや、めちゃめちゃ熱い話ですね、それ。
hidek:これ、技術的に、当然、自動運転っていうのが、センシングでやらなきゃいけないので。
安野:うんうん。
hidek:それはそれ自体大変なんですよね。で、やってて思うのが、これ、公道を走っている車がすべて自動運転だったら、たぶん、そんなに難しくないんですよ。
安野:うんうん。
hidek:つまり、通信で制御できるとそんなに難しくないんですけど。これ、やっぱり、相手が、人が運転する車、つまり予知できないものがあって、それをセンシングしなきゃいけない、っていうのは、すごく難しくて。
安野:うんうん。
hidek:大体、そのセンサーとしては、いわゆる光学センサー、カメラと、あと、赤外線、LiDARというものと、あと、レーダーですね、でやるんですけど。それぞれが一長一短、特性があって。例えば、カメラだと色がわかって形もわかっていいんだけど光に弱い。例えば、西日だとかそういったもの。
安野:うんうん。
hidek:例えば、信号みたいなものは、そういったものじゃないと色が判断できないので使わなきゃいけない。で、一方で、いわゆるLiDARと言われるものだと、形は、ものがあることはわかるんだけど、それがなんなのかまでは、今のは精度高いんである程度まではわかるんですけど、それでもやっぱり色とかまではわかんなかったりとか。当然、信号の識別もできない。結構、そういったものがあって、センシングってすげー難しいな、っていうのは、当時、すごく感じましたね。
安野:いやー、いい話ですね。すごく執筆中にお話をお伺いしたかった。本当に。
hidek:(笑)。で、自動運転の基本的な機能。例えば、何かをよける、だとか。そういったものもしなきゃいけないんですけど。それもそうなんですけど。一方で、倫理的な問題。これ、よく「トロッコ問題」って言われるんですけど。
安野:はいはい。
hidek:トロッコが走っていて、このまま走っていくと脱線して、人がいるのか、で、それを轢いてしまう、と。で、よけるとトロッコの人が死んでしまう、みたいな。「じゃあ、どうしますか?」みたいな。その辺の倫理的な問題とかもあって、すごく難しいな、と。
安野:うんうん。
hidek:当時、感じてましたね。あと、セキュリティ。さっきハッキングの質問をしたのは、まさにそういうところなんですけど。僕は旅客業をやろうとしていたので、当然、自律して自動運転はするんですけど、何かあったときにリモートで運転しなきゃいけない、といったときに、「通信をハッキングされない通信網ってなんですか?」「いや、そんなもんなかなか難しいよ」とか。
安野:うんうん。
hidek:あとは、例えば、信号みたいなものはカメラで判断するのだと、やっぱり、逆光とかで難しいので、基本的には通信。ヨーロッパなんかだと通信の仕組みはちゃんとあるんですけど。日本だとどうしても、あれ、警察の持ち物で、警察がやっぱりいやがるんですよね。そういう通信っていうのを。
安野:はいはい。
hidek:なので、一部しか入っていなくて。で、そうすると、通信をじゃあどうやってセキュアにするのか、とか。
安野:うんうん。
hidek:ありとあらゆるところに、技術的課題っていうのが、おもしろいんですけど難しいな、っていう。
安野:そうですよね。そうですよね。信頼性もめちゃくちゃ上げないといけないから、本当に大変だと思いますね。
hidek:そうなんですよ。あとは、責任問題みたいなところ。
安野:はいはい。
hidek:AIのアルゴリズムを作った人の問題なのか、制御側の車体の問題なのか、だとか。その辺の切り分けってどうするのか、とか。結構ですね、やっぱり難しいですね。
安野:そうですよね。そういう、例えば、今、お話しいただく中だと、技術的な問題とかって、ある種、「これが正解だ」っていうのは言いにくいし、めちゃめちゃ難しいと思うんですけど。そういう議論とかって、結構やられてたんですか? 会社の中で。
hidek:そうですね。基本的に、当時、2018年とかだったんですけど、「深層学習を使ってやりましょう」っていうのが、そもそもある中で。あ、もう一個の課題が、今だと、結構、それ、実証できるのかな。「『なぜ、モデルがこの答えを出したのか』っていうのを実証するのが結構難しい問題」があって。
安野:はいはい。そうですよね。
hidek:なので、「誰が責任取るんですか?」みたいな問題だとか。その、さっきの「トロッコ問題」の、「学習の結果、そうなりました」っていう説明もできる。でも、結局、それは説明になってないので。「じゃあ、誰が責任取る?」みたいな。結構、永遠の議論になってるかもしれないですね。
安野:うんうん。やっぱり、「説明可能なAI」みたいなテーマはすごく熱いですよね。やっぱり、今もそれは発展途上の分野だと思います。やっぱり、「なんでこの答えを出したのか」とかっていうのは、アルゴリズムの気持ちになって、おもんばかって、「なんなくこうじゃね?」みたいなことを言いながら、「じゃあ、こういうデータセットを使おう」とか「こういう工夫をしてみよう」とか。そういうのを現場でもやっているので。なんか、結構、すごく問題になるだろうな、っていうのはわかりますね。
hidek:その辺はやってても、センシングの問題から、セキュリティの問題から、いろいろな問題がやっぱりあって。加えて、日本だと、行政の複雑さみたいなのがやっぱりあって。
安野:はいはい。
hidek:さっき言った、大体、自動運転、僕も、だから、霞ヶ関に、結構、何回かお伺いさせていただいたんですけど。大体、関わっているのが、警察、国交、文科省、あと、通信みたいなところで経産省。
安野:はいはい。
hidek:それぞれと話さなきゃいけなくて。で、経産省は「いけいけどんどん」で言ってくれるんですけど。
安野:そうですよね。
hidek:これ、言っていいのかな。ま、いいや。
安野:(笑)。
hidek:警察、国交はいやがる、みたいな。当然ですよね、命を預かっているという自負もあるでしょうから。そこはしょうがないですけど。とかですね。で、あと、今度、タクシー。旅客業をやろうとすると、既存のタクシー業界だとか、バス業界だとか、地方自治体だとかは、結構、そっちの政治の方も大変でしたね。
安野:うんうん。文科省も絡んでるんですね。
hidek:文科省は、どっちかというと、バックアップがほしかったんで。
安野:はいはい。
hidek:はい。ちょっとごあいさつさせていただいて。あと、お台場の文科省、なんかありますよね?
安野:あります。科学未来館。
hidek:あー。そうですそうです。あの横でデモンストレーションをやりたかったんで。そこで、「ちょっと場所貸してくれ」みたいなことで。
安野:うんうん。なるほどですね。いやー、それはいい話が聞けたな、と(笑)。
hidek:いやー、でも、本当につくづく思うのは……。今も、いわゆる自動運転、高速道路だと意外といいんですよ。たぶん。テスラとかも普通にたぶん走れるんですけど。
安野:そうですよね。
hidek:街中ですね。街中は本当に。まず、歩車分離。歩行者と車を分類する仕組みと、あとは、通信、インフラと、あと、すべてが通信できるような環境じゃないと、ちょっと、なかなか難しいかな、というのは、実際やってみて思いましたね。
安野:うんうん。レベル4を目指されてたってことは、あれですかね、「運転手からの切り替え」みたいなところは、あまり問題にはならなかったですか?
hidek:それはどういう意味?
安野:よくあるのが、ドライバーが目を離しちゃってて。例えば、高速から下道に行くときに、「運転主体を切り替えなくちゃいけない」みたいなのが、結構、すごく大変そうだな、と。
hidek:はいはい。そうですね。いわゆるレベル3だと、そこが課題になるんですよね。レベル4だと、「責任の所在がどこに行くか」という問題はありつつも、車内の人の問題ではない、っていう。
安野:そうですよね。そうですよね。
hidek:はい。そうなんですよ。あの辺はね、ちょっとなかなか……。最初は、僕ら、ベンチャー企業さんと一緒に「2020年を目指す」みたいなことを言うと、大体、車メーカーの人たちは、「そんなバカな」と(笑)。
安野:(笑)。
hidek:「2050年ですよ」って言われるんですけど、「いやいや、できるでしょ」みたいな。「いや、Google見てくださいよ」みたいな、言っていくんですけど。まあ、やっぱり難しいですね。
安野:うん。いやー、そうですよね。
自動運転技術が社会に与える影響
hidek:ただ、あれによって、いわゆる自動運転技術によって解決される社会問題って、結構たくさんあって。特に過疎地みたいなところだと、やっぱり、お年寄りとか足を必要としている方がたくさんいるんだけど、一方で、運転手がいない、っていう問題があって。やっぱり、そこを技術で解決させる、っていうのは、すごく社会的には、たぶん、やりがいのあることだとは思うんですけど。
安野:うんうん。そうですよね。本当に、たぶん、理想のレベル5が実現できたら、相当、いろいろなところで、社会が、インパクトが起きるな、とは思いますよね。それこそ、土地というか地価の考え方とかも全然変わるだろうな、と思ったりだとか。
hidek:うんうん。
安野:やっぱり、今って、「鉄道の路線が通っているところからの近さ」みたいなところが、結構大事だったりしますけど、あんまりそういうことにもならないんだろうな、とか。やっぱり、「移動する」っていうときに、「可処分時間が減る」っていうことから、「ただ座っていればいい」だけになるから、移動の考え方自体が全然変わるだろうな、と思いますね。すごく世の中的なインパクトはめっちゃでかいだろうな、と思っています。
hidek:そうですね。まさにそういうところを狙ってやりたくて。例えば、車内でも過ごし方も変わるだろうし。基本的には、運転しなきゃいけない、っていう作業から解き放たれて、もちろん仕事したりだとか、エンターテインメントに勤しんだりとか、そういったことに、時間の使い方も……。今ね、ただ、リモートワークになっちゃったんで、「そもそも移動いらねーじゃん」っていう話に。
安野:そうですね。そういう風潮もあります。
hidek:はい(笑)。
安野:でも、物流とかは全然なくならないから。リモートワークがめちゃくちゃ浸透しても、やっぱり、重要だとは思いますね。
hidek:物流での自動運転、っていうところは、ドイツとかかな、結構進めていて。
安野:うんうん。
hidek:あれ、おもしろいのが、要するに、1回の輸送量を増やすために、先頭は人が運転するんだけど、そのあとのプレハブみたいな。
安野:はいはい。
hidek:あれだと、もう完全に通信でいいじゃないですか。あとは、単純なセンシングだけでいいので。それで物流を増やす、みたいなやつはやってます。で、高速道路なんで人はいません、みたいな。
安野:うんうん。
hidek:あの辺はいいですよね。
安野:そうですね。うんうん。
hidek:ラストワンマイルみたいなところは、ちょっと難しいのかなー、っていう気はしますけどね。
安野:ラストワンマイル。そうですよね。ウーバーイーツとか、シュッと来てくれるといいですけどね。
hidek:あー。そうなんですよね。ウーバーイーツもね、いろいろな問題を抱えてるのでね(笑)。
安野:まあまあ、そうですね(笑)。
完全自動運転はいつ実現可能か?
hidek:なるほどなるほど。その辺の完全自動運転車を絡めたSFサスペンス、ですかね?
安野:そうですね。2029年が舞台、っていうことに。
hidek:うんうん。
安野:遠過ぎない未来、っていうことで、「テクノスリラー」という形でですね、書かせていただきました。
hidek:2029年、完全自動運転いけるかなー?(笑)
安野:っていうあれはありますよね(笑)。
hidek:ぜひ、いってほしいですけどね。
安野:いつくらいになりそうですかね?(笑)
hidek:うーん。クローズドなエリアだと、それでも、2025年、2030年かなー。僕ら、実証実験、公道で実証実験。レベル4ではなく、レベル3なんですけど。ただ、信号とかも全部自分で感知して自動運転、っていうのをやったときに、お台場を使わせていただいたんですよ。お台場って、結構、歩車分離がしっかりしていて、道幅がそれなりにあって、ただ、駐車車両が、まあ、でも、いい感じに駐車車両があるので、それをよけるみたいなデモもできたりだとか、できたのでよかった。まあ、ああいうところを、もうちょっと整理して、あとは、やっぱり信号ですかね。信号検知が、やっぱり、通信がないとどうしようもないんで。
安野:うんうん。
hidek:そのインフラが整備されたらワンチャンはいけるんじゃないかなー。あの辺は「特区」みたいにしてやってくれると、本当はいいんですけどね。
安野:うんうん。
hidek:シンガポールに、一回、視察に行ったことがあるんですけど。
安野:はい。シンガポール、あれですよね。タクシーもありますよね。
hidek:ありますあります。ただ、あれも特区なんですよね。
安野:うんうん。
hidek:要は、経済特区みたいなところがあって。で、そこは、「そういう実験を自由にやっていいです」みたいな。別に許可もなくやっていい、みたいなところもあったりとかして。そういう、国が後押ししてくれると、ワンチャンあるかもしれないですね。
安野:うんうん。
hidek:シンガポールって、基本的に、ほら、国土がないから、資源がないから。基本的に、技術を開発して、それを周辺諸国にフォーマットとして輸出する。で、そこで潤っていく、っていうのが、彼らの国としての戦略なので。そういったもので後押しをする、っていう。日本もそういうのをやってくれると、すごくありがたいですけどね。
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