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カーネルバイパス(Kernel Bypass)について学ぼう!

1 はじめに

カーネルバイパス(Kernel Bypass)とは、ネットワークやストレージの高性能なデータ処理を実現するために、データの転送や操作をカーネルを介さずに直接ユーザースペースで行う技術です。

https://qiita.com/uguis410/items/17ec1e447e9716bfdca7

以下はカーネルバイパスの概要とその利点です:

2 概要

1 従来の方法

通常、ネットワークやストレージのデータはカーネルを経由してユーザースペースに渡されます。

この過程には、システムコールコンテキストスイッチなどのオーバーヘッドが伴います。

https://curtaincall.weblike.jp/portfolio-unix/api.html

2 カーネルバイパス

デバイスドライバや特定のライブラリを使用して、データを直接ユーザースペースに渡す技術です。

これにより、カーネルの介在によるオーバーヘッドを削減し、高速なデータ処理を実現します。

3 利点

1 低レイテンシ

カーネルを介さずにデータを直接処理するため、レイテンシが低くなります。

2 高スループット

オーバーヘッドが少ないため、データのスループット(単位時間あたりのデータ処理量)が向上します。

3 効率的なCPU使用

カーネルの介在による不要な処理が省かれるため、CPUの使用効率が向上し、アプリケーションのパフォーマンスが向上します。

4 主な用途

1 高頻度取引

金融取引システムなど、極めて低いレイテンシが要求される分野で使用されます。

2 データセンター

大規模なデータ転送やストレージ操作を効率化するために、データセンターで広く使用されています。

3 ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)

https://community.fs.com/jp/article/what-is-highperformance-computing-hpc.html

科学技術計算やシミュレーションなど、大量のデータ処理が必要な分野で利用されています。

5 代表的な技術

1 DPDK(Data Plane Development Kit)

高速なパケット処理を実現するためのライブラリ。

https://www.pngwing.com/en/free-png-dpbgi

2 RDMA(Remote Direct Memory Access)

ネットワークを介してリモートメモリに直接アクセスする技術。

https://www.techtarget.com/searchstorage/definition/Remote-Direct-Memory-Access

3 SPDK(Storage Performance Development Kit)

高性能なストレージデバイス向けのライブラリ。

https://www.intel.com/content/www/us/en/developer/articles/tool/introduction-to-the-storage-performance-development-kit-spdk.html

6 最後に

カーネルバイパスは、高性能が要求される現代のコンピューティング環境において重要な技術となっています。

サポートをしていただけたらすごく嬉しいです😄 いただけたサポートを励みに、これからもコツコツ頑張っていきます😊