#ポエトリースラム

https://www.cinra.net/interview/202012-kotobaslamjapan_myhrt

(お気に入りの箇所を抜粋)

ジョーダン:東京のポエトリーシーンでおもしろいのは、大学が主催するようなアカデミックなイベントのシーンとナイトクラブやカフェで開催されているポエトリーリーディングのシーンで同じ人が出てたりすること。すごい有名な詩人、作家でもあっても友人が主催するイベントに出演していたりする。強いコミュニティー意識や流派があるというよりは、1つの動きのなかにいろんな渦があるような、なめらかなコミュニティーがある感覚。

三木:例えば現代詩の賞を受賞されているような著名な方も出演してくださったり。ウエノ・ポエトリカン・ジャムには谷川俊太郎さんもご出演頂きました。分断されていないことが、日本のポエトリーリーディングの特徴ですね。

―『KOTOBA Slam Japan』というイベント名称にもある「スラム」って、なんでしょうか?

ジョーダン:「スラム」という概念は、ニューヨークのポエトリーシーンから生まれた言葉なんですけど、もともとプロレスのボディースラムとかの、「ひっくり返す」という意味。なので、「ポエトリースラム」というと「ポエトリーリーディング」というよりも、衝突とか斬新さとか、そういう強い印象があるイベントです。

『KOTOBA Slam Japan 2020/2021』 / illustration by Mad Dog Jones
『KOTOBA Slam Japan 2020/2021』(サイトを見る) / illustration by Mad Dog Jones

三木:日本でもそういうスラム形式のイベントでは、例えば『詩のボクシング』というイベントは歴史が長くて、一時期はNHKで放送されたりして知られていますね。

―ステレオタイプですが、詩の表現活動はニューヨークで活発な印象があります。

ジョーダン:ニューヨークのスラム文化としては、Nuyorican Poets Cafeという場所があるんです。

三木:いわゆるオープンマイクの発祥の地。世界中のポエトリーをやっている人にとって、聖地みたいなとても有名な場所です。今、Nuyorican Poets Cafeはオンラインのオープンマイクをやっていて、日本からも参加できるんですよ。

ジョーダン:ニューヨークで生まれる詩は、ヨーロッパから受け継いだものというより、黒人やプエルトリコ人、いわゆるマイノリティーの文化から生まれたのが特徴です。階級やフェミニズム、人種の問題とか、幅広い意味で政治的なポリティカルな詩が多かったんですね。

日本の場合は、政治的なものや、フェミニスト的なもの、ユーモアのあったり滑稽なもの、個人的な怒りとかストレスを吐き出すようなものもあるし、アブストラクトで示唆的な詩も出てくる。様々なスタイルがあるから私はすごく好きですね。

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