中學の校庭

中學の校庭 われの中學にありたる日は
艶なまめく情熱になやみたり
いかりて書物をなげすて
ひとり校庭の草に寢ころび居しが
なにものの哀傷ぞ はるかに青きを飛びさり
天日(てんじつ)直射して熱く帽子に照りぬ。


萩原朔太郎 「中學の校庭」


「書物を捨てて、まちに出よう!」そう言いたげな、このノリが好きなんだなぁ。^^
帽子の庇に、日光が反射して輝いているのが、目に見えるような作品ですね。
「青き」というのも、青空と、無限の青を感じさせて、象徴的です。


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