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まえがき&目次『のみタイム 1杯目 家飲みを楽しむ100のアイデア』 (パリッコ/スズキナオ 編著) こんな状況でも、楽しいお酒の飲み方はあるはず


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パリッコ/スズキナオ
『のみタイム 1杯目 家飲みを楽しむ100のアイデア』

パリッコ/スズキナオ(編著)
『のみタイム 1杯目 家飲みを楽しむ100のアイデア』
2020年8月5日発売 発行:スタンド・ブックス 本体1,500円(+税)ISBN:978-4-909048-09-7 C0095 A5変型判 並装 132p
カバーイラスト:石山さやか ロゴ:スケラッコ デザイン:戸塚泰雄

まえがき こんな状況でも、楽しい酒の飲み方はあるはず

パリ いやしかし、想像もしていなかった時代に突入したなと。
ナオ そうですね。そもそもこの『のみタイム』を作ろうという話がスタートしたのは、1年以上前でしたか。
パリ でしたね。
ナオ それぞれが好きな酒場とか気になってる酒ムーブメントなどを追いかけて雑誌にしたい! ってね。
パリ のんきに。いや、当時はのんきじゃない。めちゃくちゃ熱い想いだったんですが。
ナオ まさか、普通に居酒屋で飲むことが夢のように感じられるようになるとはー!
パリ 誰も予想できないですよね、こんなん。ただ、実際そういう事態になってみると、みんなWEB飲みをやり出したりとか、いろんな新しい楽しみ方も見出されはじめていて、そういうことに勇気づけられたりもします。
ナオ うんうん。とにかく日々、生きていかなければならないわけですもんね。そのなかで息抜きを考えて。
パリ 最近の自分、ちょっと息抜きすぎな気もしてますけどね。逆にもう、何かと飲んじゃう。
ナオ はは。そうなんですよね。それはそれで気をつけないと。
パリ 酒好きなサラリーマンなんか、テレワーク中についつい飲んじゃうみたいなこと、ある気がするもん。
ナオ あると思います!
パリ 気が滅入るし。
ナオ 冷蔵庫は近いし。
パリ だからといって僕ら、みんなでグダグダに酔っぱらってすべてを忘れようよ〜と発信したいわけではなく。
ナオ こうなったら、今しか作れない雑誌にしたいと方向転換したんですよね。
パリ うん。圧迫感のある日々の小さな救いとして、酒を飲む楽しみくらいはあってもいいだろうと。
ナオ 少しでも知恵を絞って楽しく過ごせないかという。
パリ 夜の町に飲みに行けなくたって、酒の楽しみ方はいろいろあるはず!
ナオ そんな実践の記録を、今から一冊にまとめてみようと思っています。
パリ 別にそれを真似してくれなくてもいいから、自分なりの楽しみ方を見つけるのは楽しいよって、少しでも思ってもらえたらという、いつものスタンスではあるんですが。
ナオ 「あの時期、あんなふうに飲んでたなー」って、いつか事態が収束したあとに懐かしく思えたらいいな。
パリ 「家でばっかり飲んでたよね〜」ってね。というかもしかしたら、この対談を事態が収束したあとに読んでる人もいるかもしれませんが、今、家でばっかり飲んでるんですよ! マジで。
ナオ 信じて下さい!
パリ はは。「どうせ飲み屋でしゃべってるんでしょ〜」。居酒屋やってないから! 数少ない営業中の店も19時ラストオーダー。
ナオ そう。しかも、2020年4月7日に東京、大阪他7都府県に対して出された「緊急事態宣言」が、5月末まで延長されると。今日5月4日、会見があるんでしたっけ。
パリ これが、さらに1か月続くことになるらしいと発表されるのが、まさに今日。
ナオ 飲食業界の方々にもまたまた大きなことですね。我々もだけど。
パリ 売り上げがなくて助成金がなければ、家賃払えないの当たり前ですからね。
ナオ 当たり前です。
パリ しかも今、ゴールデンウィークですよ? 新幹線の利用者がいつもの95%減とか、みんな苦労しつつも我慢してる。
ナオ 本当です。
パリ 実際、好きな店が少しずつ閉店しはじめてて、中野の「ブリック」っていう老舗のバーも……。
ナオ うんうん。知らせを目にしました。
パリ すっごく雰囲気よくて、なのにトリスのハイボールが200円で飲めたりする、本当にいいお店でした。
ナオ 悲しい。
パリ 目下、そんなすさまじい状況です。
ナオ こういったことがどこまで広がっていくかわからないけど、とにかく乗り切ろう、それしかないという。
パリ 先が読めず、いつまで続くのかがわからない今がまさに、いちばん不安な状況ですよね。
ナオ うん。ストレスもたまってくるし、もう私も胃腸が弱ってますよー。でも、そんな時だからこその息抜きアイデア集として読んでもらえたら嬉しいっていう感じですね。
パリ そうです。こんなくだらないことやってても許されるんだという。誰が許してるのかしらないけど。
ナオ はは。とりあえずこの雑誌の中だけは、ほろ酔い空間というか。
パリ 『のみタイム』だけはね。
ナオ そんなふうに楽しんでもらえたら幸いです!

こんな状況でも、楽しいお酒の飲み方はあるはず

若手飲酒シーンを牽引する人気ライターのパリッコ(『酒場っ子』)スズキナオ(『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』)が編集、執筆を務める飲酒と生活の本『のみタイム』をはじめます。
1杯目は100頁以上にわたり「家飲みを楽しむ100のアイデア」について考えました。日常を楽しくする、使えるアイデアが満載!
豪華執筆陣は、ラズウェル細木(『酒のほそ道』)、夢眠ねむ(「夢眠書店」)、清野とおる(『東京都北区赤羽』)、今野亜美(「スナック亜美」)、平民金子(『ごろごろ、神戸』)、香山哲(『ベルリンうわの空』)、イーピャオ(『とんかつDJアゲ太郎』)、METEOR(ラッパー)!

2020年の前半、わたしたちはこんな「のみタイム」を過ごしていました。

【目次】

家飲みを楽しむ100のアイデア 
パリッコ/スズキナオ/泡☆盛子/古賀及子/たけしげみゆき/玉置標本/山琴ヤマコ

まえがき こんな状況でも、楽しい酒の飲み方はあるはず
001 人気のお取り寄せで飲んでみる 
002 「オンライン同窓会」をしながら飲んでみる 
003 家の備蓄庫から発掘したつまみで飲んでみる
004 普段飲まない酒を飲む 
005 こんな時だからこそ、チェアリングしながら飲む

006 家だがピクニックする 
007 ポップコーンを作って映画館気分で飲む 
008 友達の話を心ゆくまでじっくり聞く 
009 インスタントコーヒー焼酎を飲む 
010 好きな酒場のメニューを再現して飲む 
011 家にいながらにして二郎系ラーメンを食べて飲む 
012 友人が決めたつまみを作って飲む 
013 「コーン味」で飲んでみる 
014 大きな魚を買ってきて数日分のつまみを仕込む 
015 アイデアレシピを開発してみる 
016 近所の店のテイクアウトで飲んでみる 
017 普段行かないスーパーに新鮮味を求めてみる 
018 ココナッツの香りの力を借りて、海辺にいると思い込みながら飲む
019 地元商店街の惣菜で飲む 
020 特定銘柄をひたすら飲む 
021 初めて買ったCDを聴き合って飲む 
022 同じつまみを用意して同時に食べながら飲んでみる


023 パリピの酒を飲んでみる 
024 失敗したつまみで飲む 
025 聞いたこともない酢でサワーを作る 
026 簡単もやしレシピで飲む 
027 『どうぶつの森』の中で飲み会をする 
028 キッチンで立って飲む 
029 小さな香港で飲む 
030 レゴで飲む 
031 雑草を摘んでつまみにして飲む 
032 自分だけの「ひとりオンライン飲み会」をしてみる
033 慎重を期して外で飲み、家飲みの安心を実感する
034 『志村けんのだいじょうぶだぁ』を観ながら飲む 
035 ノンアルコールビールに焼酎を足して飲む 
036 シメの釜めしを用意しつつ飲む 
037 見たことも聞いたこともない食材のフルコースで飲む
038 懐かしのファミコンソフトをクリアするつもりで飲む
039 マティーニを作る 
040 酒屋でいちばん高いビールを飲んでみる 
041 謎の韓国土産を想像で作って飲んだ 
042 新幹線に乗ってるつもり飲み 
043 薬湯にたっぷりつかったあと、風呂上がりの一杯を飲んでみる 
044 離島の図鑑『シマダス』を読みながら飲む 
045 ひとりで塊肉を焼いて飲む 
046 5、6個コレクションを見せ合って飲む

047 皿洗いで飲む 
048 リレー小説を書きながら飲む 
049 エクレアをつまみにグリーンラベルを飲む 
050 温泉水で割って飲む 
051 谷口菜津子さんの考えた「お恥まみ」を味わいながら飲む

052 街で集めた飲み屋の「自称」たちを眺める 
053 VRの焚き火を見ながら飲む 
054 ラーメンスープを作りながら飲む 
055 外でラーメンを食べながら飲む 
056 「牛もつ煮込み」を作ってみる 
057 手品を見せてもらいながら飲む

058 しいたけの命を奪って飲む 
059 ストーンプレートに盛りつける 
060 純粋に「酔い」と向き合ってみる 
061 いろんな器で飲んでみる 
062 IQテストを受けながら飲む 
063 「概念お絵かきしりとり」で飲む 
064 「いちばん高級なメニュー」で飲む 
065 みりんを割って飲む 
066 オンラインのボードゲームで遊びながら飲む 
067 果物を使って作った酒を飲む 
068 家飲みを野良飲みに近づける「ベランダ芝リング」
069 楽器を持ち寄って即興セッションをしながら飲む
070 折り紙で飲む 
071 家飲み向上グッズあれこれ 
072 替え歌を考えながら飲む 
073 「おつまみは300円以内で」と決めて飲んでみる


074 はじめてのオンラインカラオケ飲み 
075 懐かしい酒を飲んでみる  
076 日記を書きながら飲む 
077 虚無のつまみで飲む 
078 家庭菜園の初歩の初歩で飲む 
079 コンビニかけ合わせグルメで飲む 
080 知らない人の歌を聴いてスナック気分で飲む 
081 渡し船に乗って旅気分で飲む 
082 好きな「缶チューハイ」と「コンビニおつまみ」
083 田舎に帰った気分で飲む 
084 あの日の給食メニューで飲む 
085 「バカレシピ」で飲む 
086 水を酒だと思って飲む 
087 Googleストリートビューで疑似旅行をしながら飲む 
088 アメリカにいる友達と飲む 
089 虹を見ながら飲む 
090 黒と白のビールを割りながら飲む 
091 豆腐を心の底から味わって飲む 
092 「あの頃はよかった」と感傷的に飲む 
093 同じ一日を振り返りつつ飲む 
094 松ぼっくりを眺めながら飲んでみる 
095 赤ちゃんをあやしながら飲む 
096 天啓を受けてアレしたチーズで飲む 
097 「気をつかわないで済む」を楽しむ 
098 「冷蔵庫の中からムービー」を撮り合って飲む 
099 今日はあえて飲まないでみる 
100 それぞれの「酒の裏技」


あとがき とにかく酒が好きということは、よりはっきりしました 


ラズウェル細木 酒場の隅隅 唐辛子&山椒の容器 


夢眠ねむ 夢眠ねむのミニ缶日和 最近ハマっている「チメク」で飲もう!
清野とおる 「アレ」でコロナに勝った(気がした)話 
今野亜美 これ飲んだら本気出す。 最強のテイクアウト飲み。豚の珍味で一杯。

香山哲 将来の集落 その6割は水 


平民金子 東出町の魯山人 平民金子味道 「サッ」と「ポロ一番」 
イーピャオ 豆記事アソートパック 
メテオ 僕の腸 
1杯目CONTRIBUTOR 


【編著者紹介】

パリッコ(編著)
1978年東京生まれ。酒場ライター、漫画家/イラストレーター、DJ/トラックメイカー、他。酒好きが高じ、2000年代後半よりお酒と酒場に関する記事の執筆を始める。著書に『酒場っ子』(スタンド・ブックス)『つつまし酒 懐と心にやさしい46の飲み方』(光文社新書)『ほろ酔い!物産館ツアーズ』(ヤングキングコミックス)『晩酌百景 11人の個性派たちが語った酒とつまみと人生』(シンコーミュージック・エンタテイメント)、スズキナオ氏との共著に『酒の穴』(シカク出版)『椅子さえあればどこでも酒場 チェアリング入門』(ele-king books)『“よむ”お酒』(イースト・プレス)など。

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スズキナオ(編著)
1979年東京生まれ、大阪在住のフリーライター。WEBサイト『デイリーポータルZ』『メシ通』などを中心に執筆中。テクノバンド「チミドロ」のメンバーで、大阪・西九条のミニコミ書店「シカク」の広報担当も務める。著書に『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』(スタンド・ブックス)、パリッコとの共著に『酒の穴』(シカク出版)、『椅子さえあればどこでも酒場 チェアリング入門』(ele-king books)、『“よむ”お酒』(イースト・プレス)がある。

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