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ノンアルコールビールに焼酎を足して飲む (スズキナオ) 〜『のみタイム 1杯目 家飲みを楽しむ100のアイデア』より公開! ③〜

こんな状況でも、楽しいお酒の飲み方はあるはず

若手飲酒シーンを牽引する人気ライターのパリッコ(『酒場っ子』)とスズキナオ(『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』)が編集、執筆を務める飲酒と生活の本『のみタイム』
1杯目は100頁以上にわたり「家飲みを楽しむ100のアイデア」について考えました。日常を楽しくする、使えるアイデアが満載!

2020年の前半、わたしたちはこんな「のみタイム」を過ごしていました。

035 ノンアルコールビールに焼酎を足して飲む (スズキナオ) 

(パリッコ/スズキナオ『のみタイム 1杯目 家飲みを楽しむ100のアイデア』より) 

 最近、「脂肪の吸収を抑える」ということを謳った、いわゆる「トクホ(特保)飲料」というのがいろいろあって、お茶からコーラから、なんにでもそのマークがついているのを見かける。ノンアルコール飲料も同じで、トクホ印のものが多数発売されている。2019年の10月に発売された「キリン カラダFREE」っていうノンアルコールビールなんかは、「お腹まわりの脂肪を減らす」とまで缶に書いてあるから驚く。

 実際にこれを飲んでいればお腹が平らに近づくのか、それはわからないけど、とにかく、「プリン体ゼロ」とか「糖類ゼロ」とかじゃなく、もはや、普通の水よりも体によさそうだからすごい。ここに甲類焼酎を足せば、「お腹まわりの脂肪を減らすビール味の酒」ができるわけである。酒としての機能に加えて痩せる機能までも手に入れた、”スーパービール”だ。

 勢い込んで「キリン カラダFREE」で甲類焼酎を割って飲んでみた。でき上がったスーパービールだが、味はまったく問題なし。ホッピーが好きな人なら「いいよ!  ありあり!」と言ってくれると思う。焼酎の量によってアルコール度数を自在に操作できるのも嬉しい。アルコール度数2〜3%ぐらいの、ほろ酔いビールも簡単に作れるのだ。しかも飲めば飲むほど腹が引っ込む(かどうかはわからないけど)。

 もちろん、他のノンアルコール飲料で試してもいい。こちらも「トクホのノンアルコール」を謳い文句にしている「サッポロプラス」で焼酎を割っても、やはりホッピーライクな味わいになる。「スタイルバランス 香り華やぐハイボールテイスト」は「食事の脂肪や糖分の吸収を抑える」というノンアルコール飲料なのだが、これで焼酎を割れば、ヘルシーな機能を手に入れた"スーパーハイボール"ができあがる。略して"スーパーボール"。

「ヘルシーとかどうでもいいよ! 小せえこと気にしてんじゃねえよ!」と荒ぶる方もいらっしゃるだろうが、一度、スーパービールやスーパーボールを作って飲んでみて欲しい。この罪悪感のなさ。「自分は今、体にいいものを飲んでいる!」と、噓でもいいからひと時でも信じられることの心地よさよ。(ナ)

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パリッコ/スズキナオ(編著)
『のみタイム 1杯目 家飲みを楽しむ100のアイデア』
2020年8月5日発売 発行:スタンド・ブックス 本体1,500円(+税)ISBN:978-4-909048-09-7 C0095 A5変型判 並装 132p
カバーイラスト:石山さやか ロゴ:スケラッコ デザイン:戸塚泰雄

スズキナオ(編著)
1979年東京生まれ、大阪在住のフリーライター。WEBサイト『デイリーポータルZ』『メシ通』などを中心に執筆中。テクノバンド「チミドロ」のメンバーで、大阪・西九条のミニコミ書店「シカク」の広報担当も務める。著書に『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』(スタンド・ブックス)、パリッコとの共著に『酒の穴』(シカク出版)、『椅子さえあればどこでも酒場 チェアリング入門』(ele-king books)、『“よむ”お酒』(イースト・プレス)がある。

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