世界がバラバラになった日

スマホでnoteを更新するテストです。

うつ状態がひどかった頃の話をします。

 仕事が過密状態になって朝から夜まで働いていたとき(といっても激務と言ってしまうほどではなかった)、もうすでに精神科に通っていて、毎朝起きたら電車に乗るために安定剤を飲んで、満員電車を避けるために早めに出て、席についたらモンエナを飲み、仕事が終わって家についたら抗うつ剤を飲み、寝る前に睡眠薬を飲んでいた。
 それでもなんとか毎日を乗り切っていたけど(果たして本当に乗り切っていたのか?)、ある日書類を読んでいて妙な違和感があった。
 率直に言うと「何を言っているのかわからない」という状態になった。確かにそこに文字が書かれていることはわかる。そして音読や黙読をすることはできる。単語は単語として認識はできるけど、文章としてのまとまりがなくなっている、と思った。最初は文章の方がおかしいのだと思った。しかし今読んでいるのは昨日まで読んでいた行政文書の続きだった。文章の中では比較的理路整然としている方だろう。それがまともに読めなくなった。助詞を理解する脳の機能が失われてしまったみたいだった。単語と単語の間に隙間ができて、ほどけてバラバラになっているようだった。怖くなって別な書類も読んでみた。こっちは計算式が書かれているものだった。全然わからなかった。というより、昨日まではわかっていたはずだったから、「わからなくなった」が正しかった。単純な一桁の足し算ですらできそうになかった。私の仕事は労務や会計で、文章や数式が読めなくなったのは致命的だった。しかも余暇は読書をするか小説を書くかだったから(このときはまだ商業では出版していなかった)、それもできなくなった。読書ができないのだから小説を書くなんてとてもじゃないけどできるわけがない。
 今思い返せば失読症のようだった。
 これがしばらく続き(一ヶ月くらいは誤魔化しながら仕事をしていた)、全然改善しないことがわかり、明らかに能率が悪くなっていたため一時戦線離脱という形で有給休暇と欠勤で休むことになった。
 この期間、何もしなかった。
 文字を読むことも、テレビを見ることもしなかったし、息を吸うかのように使っていたインターネットも極力触れないようにして、ただ起きているだけ、という状態だった。
 脳は動いているから、おかしくなってしまっま、これから時間が経っても治らなかったらどうなるのだろう、という意識だけがグルグルしていた。
 結局時間だけが解決することになるのだが……
(書き始めてから30分経ったのでここまで)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?