LunaDNA

LunaDNA

最大の特徴

遺伝子解析機器(シーケンサー)や周辺ソフトを開発・販売しているillumina.lnc社の元副社長や元最高技術責任者がメンバー

概要

・Luna Public Benefit Corporation(公益法人)によって設立・管理されている
・メンバーは元illumina(元副部門長や元最高技術責任者)
・ゲノムと健康情報についてのプラットフォーム(どこもそう)
・健康情報と引き換えにLunaDNAの株を入手、配当などが貰えるようになる
・SEC認可されている
・DNA情報と健康情報をアップロード・シェアすることで
 →DNA情報から病気リスクが分かる
 →DNAと病気との関連性を調べる研究に使われてより精度が高くなったり新しいことが分かったりする
・GDPRもOK?
・LunaDNA自体はシークエンス解析をしない
・ブロックチェーンを使うような使わないような

企業背景

ゲノム情報から個人の遺伝的な情報が分かるようになり、民間でもゲノム情報を解析するようになった。しかしそのような企業が散乱していているため、まとまったデータとしてゲノム情報を利用することができなかった。
加えて、民間ゲノム解析企業は研究者や他企業にゲノムデータを売る商売もしていたが、その情報は翻ってはゲノムの持ち主に帰属するはずであるため、解析を委託された企業が(たとえ匿名化してあるとはいえ)本人の許可なく商品にすることについて、個人情報の観点から問題視されている。
そこでゲノム情報の利用のトレーサビリティと集約化・情報利用の個人還元を図るため、LunaDNAが立ち上がった。(ここ、同業他社は全部同じ文章でいけます)

資金調達

2017.12.18 2M$
2018.5.8 2M$...illumina ventures, arch venture partners
2019.5.8 4.6M$(LunaPBC)

ニュース

2018.12.5 SEC認可される

SECによってLunaDNAの株とDNAデータとの取引が認められました。
 これによってLunaDNAに提出した個人DNAデータによってLunaDNAが利益を得た場合、データと引き換えに得た株に従って配当を得ることができます。

2019.1.22 Genetic Allianceと提携

Genetic AllianceはワシントンD.C.に本拠地を置く非営利団体。
患者と企業・政府・研究機関とを繋いでゲノム研究を促進するための団体。
メンバーは5万人, 疾病は45種類ほどといわれている。

2019.4.25 Awakensと提携

Awakensとは

「ゲノム(ヒト遺伝情報)」を活用したサービス開発を行うスタートアップ

2019.09.18 Medfusionと提携

Medfusionには700,000人以上のデータがあり、アメリカで登録され提供されている電子健康データの8割以上を占めている。

2019.12.5 LunaPBCはConnectの Most Innovative New Product Awardsに選ばれる

だからどうというわけでもないですがめでたい


ブロックチェーンの使いどころ *1

1. メンバーの入脱会
2. メンバーのデータ, 保有トークン数の台帳
3. データベースに対するクエリの記録

利点......Ethereumなどdecentralizedなもの(自社でも他社でも公的機関でもなく運用されているもの)によって監視・追跡可能なので透明性が上がる
 1. データが書き換えられていないことがわかる
 2. データが使用されて保有トークンが送られたことがわかる

ただしブロックチェーンを実際にどこまで使用するかどうかというと、LunaDNAのブロックチェーン技術は開発レベルが低い()ので、攻撃されるリスク・設計における欠陥やデータ破損を懸念しています。そのため他の既存の技術を使うかもしれないとSECの書類では述べています。
......し、人によっては「暗号資産とブロックチェーンを避け(eschewed cryptocurrencies and blockchain)」とまで言われています。*2

情報やお金の流れ

画像1

個人はLunaDNAにゲノム情報や健康情報(electric health data, EHD)を提供する。そうするとLunaDNAの株がもらえる。
LunaDNAは収集したゲノム情報や健康情報を企業や研究機関と売買することで収益を上げる。
LunaDNAの収益によって、情報と引き換えに得られるLunaDNAの株の価値が高まったり、配当がもらえるようになる。
またLunaDNAに集められた研究結果を、自身のゲノム情報や健康情報と照会することで、個人のゲノム情報に基づいた健康リスクの予測などが可能になる。


論文とか置き場

*1 SEC


*2 Your DNA broker, Laura DeFrancesco & Ariel Klevecz, Nature Biotechnology volume 37, pages842–847 (2019),


Database shares that transform research subjects into partners, Robert Kain, et.al., Nature Biotechnology volume 37, pages1112–1115 (2019) 


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