Bayside boo
夏真っ盛りの、お盆休み。
和:ねーねー、海行きたい。
思い立ったように呟いた、和の一言に
○○:海?
そう聞き返す○○。
和:あれ、知らない?海。
○○:知ってるわ。アホか。笑
思わず笑ってしまう○○。
○○:まぁ…今年何も夏っぽいことしてないし、行く?
和:行くっ♡
――――――――――
翌日。
バイクに乗って和の家まで迎えに来た○○。
和:…なんでこんな朝早いの。
○○:暑いだろ、あんまり遅くなったら。
和:…んぅ。
めちゃくちゃ眠そうな和。
○○:眠い?
和:…眠い。
○○:やっぱり行くのやめる?
和:…それはやだ。
ということなので、バイクに跨りいざ出発。
和:○○は眠くない?
○○:全く。
和:…ふーん。
インカム越しに聞こえてくる、互いの声。
○○:どうせ昨日遅くまで夜更かししてたんだろ。笑
和:…。
和:…今日が楽しみであんまり寝れなかった。
ちょっぴり照れながら、そう言うと
○○:小学生かよ。可愛い奴だな。笑
笑いながらそう言う○○。
和:…///
たぶん、バカにした意味だけど
“可愛い”と言われると…やっぱり嬉しい。
和:…。
信号が赤になり、停車。
その隙に…思いっきり、抱きついてみる。
○○:…おい、さすがにくっつきすぎだろ。笑
和:暑い?
○○:いや、動きづらい。
和:…あ、わかった。照れてるんでしょ。
○○:動きづらいって言ってるだろ。笑
すぐ青になり、発進。
和:…。
くっついているとわかる、○○のにおい。
それを…こっそりと嗅ぐ和。
和:○○。
○○:ん?
和:…全然、たばこのにおいしないね。
○○:そりゃあ、吸ってないからなぁ。これもたばこ辞めた後に買った服だし。
和:吸いたくなんないの?
○○:まぁ、たまになるけど…お前が社長に言ったから、会社じゃ怖くて吸えないな。笑
和:でもお家とか。会社以外は?
○○:いやぁ…意外と大丈夫だな俺は。
そう言うと、笑いながら
○○:吸いたくなったらお前の顔が脳裏に浮かんできて…吸ったら殴られると思うと、怖くて吸えねぇよ。笑
和:ひどい。私そんなことしたことないじゃん。
○○:あはは、冗談だって。笑
ムッとしたような和の声がインカム越しに届いて、そんな声も可愛いなぁなんて思いつつ
○○:まぁ、俺がお前のことを好きなうちは吸わないだろうな。これは自信ある。
和:…ふーん、じゃあ死ぬまで一生ってことね。そうじゃなきゃ許さないから!
○○:はいはい。笑
話しながら走っているうち、すっかり目が覚めた和でした。
――――――――――
しばらく走っていると、トンネルに差し掛かる。
出発前に見たマップによれば、たしかこのトンネルを抜ければ…もうすぐ目的地にたどり着くはず。
トンネル内を走っていると、周りの音が普段よりもやかましい。
和:…ねぇねぇ。
○○:…。
小声で話しかけると、聞こえてない様子。
和:…ねぇってば。
○○:…。
あえて、聞こえるか聞こえないかギリギリの声量で話しかける。
和:…。
和:…大好きだよ♡
○○:…。
和:…愛してるよ♡
○○:…。
和:(ふふ、聞こえてない。笑)
なんて思っていたら
○○:…何か言った?
聞き返してくる○○。
和:えっ?
○○:トンネルで聞きづらいんだけど、さっきから何か言ってるよな?
和:…聞いてなかったの?
○○:だからトンネルうるさくて聞きづらいんだよ。
和:最低、後で海に沈めてやるんだから!♡
○○:怖すぎるだろ💧笑
そんなどうでもいい会話しているうちに、トンネルを抜けると…オーシャンビュー。
和:おー!きれーい!♡
テンションの上がる和。
そんな和を後ろに乗せて、夏の風を切りながら海沿いの道路を突っ走る…何とも言えない、気持ちよさ。
和:フー!!♡⤴☀🌊✨️
○○:うるせぇな。笑
和:うるさくて悪いか!!
○○:インカム越しだから。マジで耳に直接ダメージ来る。笑
そう言って笑う○○。
この時…和は気づいていた。
さっきまでより、少しだけスピードが上がっていることに。
和:…自分だってはしゃいでるくせに。笑
○○:ん?何か言ったか?
和:はぁー?別に何も言ってませんけどーっ??
○○:…ほんとかよ💧
苦笑いの○○でした。
――――――――――
その後、目的地に到着。
バイクを降り、海風を浴びながら…伸びをする。
○○:あー、疲れた。笑
和:んふふ、お疲れさま♡
照りつける日差し…ビーチは既にワイワイと賑わっていた。
○○:晴れてよかったな。
和:ね♡
海独特の開放的な空気を感じつつ、更衣室へ行き水着に着替える。
○○:…。
一足先に出て、出入り口付近で待っていると
和:…お待たせ。
○○:おお。
水着に…上から薄手のパーカーを羽織ってる和。
和:(ああ…やっぱりパーカー着ない方がよかったかな、がっかりさせちゃったかな、でも恥ずかしいし…!///)
いざ水着に着替えて○○と対面すると、なぜか緊張する和。すると
○○:めっちゃ可愛いじゃん。笑
和:えっ…?///
和がちょっぴり恥ずかしがってることに、すぐ気づくと
○○:あれ、さっきまでと随分態度が違うな。笑
和:…///💦
○○:照れてる?笑
そう言ってにやにやする○○に
和:も、もう!うるさいなぁ!///💦
○○の腕の辺りをベチン!と叩く和。
○○:いってぇな。笑
和:○○が行けないんだからね!ほら、早く行こ!
照れ隠しをするように、○○の手を掴んでぐいぐい引っ張って歩き出す和。
○○:…。笑
○○:(めちゃくちゃ可愛いな。笑)
荷物をロッカーに置いて、波打ち際へ。
○○:こうやってちゃんと海入るの久しぶりだなぁ。
和:そうなの?
○○:うん…大学生以来とかかな。
すると
和:…。
セクシーな水着を身に纏った、美人なお姉さんとすれ違う。
和:…。
真偽の程は定かではないが…
一瞬、○○の視線を奪われた気がした。
和:…。
和:…○○。
○○:ん?
急に立ち止まったかと思えば
和:…見て。
パーカーのチャックを降ろし…中の水着を○○に見せる。
和:ど、どう…?///
○○:(このタイミングで!?)
ちょっと驚く○○。
それでも、水着姿で…どこか恥ずかしそうな和に
○○:いや…めちゃくちゃ可愛いし、何と言うか…ありがとう。
和:ふふ、何のお礼?笑
そう言って笑いながら、パーカーを完全に脱ぐ。
その姿が…とても眩しい。
○○:な、なぎ…///
和:ふふ♡
にこにこと笑う和…と思いきや
和:…さっきすれ違った女の人見てたでしょ。
○○:はぁ?見てねぇよ。笑
和:見てないならなんですれ違ったってわかるの?
○○:いやいや、そりゃ視界には入るだろ。
和:視界に入るってことは見てんじゃん!この浮気者!
そう言って砂を蹴飛ばして○○にかける和。
○○:待てって!それは違うだろ!
飛んでくる砂を避けるように慌てて逃げると
和:あ!こら、待てー!♡
楽しそうに笑いながら、それを追いかける和。
○○:(なんだこの幸せな瞬間…。)
追いかけてくる和を見ながら、後ろ向きで進んでいると…波打ち際、
○○:うわっ!
転んで浅瀬にばちゃーんと倒れる○○。
和:あっははは!だっさ!ww
○○:くぅ…なぎのせいだからな!笑
手で和に水をかけると
和:うわっ!💦やったな!!
ばちゃばちゃと、倍返し。
○○:そ、そこまでやってないだろ!💦
和:あははは♡ww
もう1回逃げる○○を、楽しそうに追いかける和。
“波打ち際 走りたい”
“水しぶき 跳ね上げて”
“君の水着がそう眩し過ぎて―――”
――――――――――
その後、浮き輪でも借りてちょっと沖の方へ。
輪っかの中で、○○にくっつく和。
○○:怖い?
和:怖くない。浮き輪あるし。
そう言うと、もうちょこっとだけくっつき
和:…あと○○居るし。
○○:…。笑
くっつかれ、肌と肌が触れ合うところを…そっと抱き寄せる○○。
○○:…気持ちいいなぁ。
和:うん…♡
青い空、白い雲、照りつける日差しに…キラキラと反射する水面。
そして
○○:…なぎ。
和:ん?
○○:陸に戻ったらさ、パーカー来なよ。
和:…なんで?
○○:あんまり他の男になぎの水着姿見られたくない。
和:そんな…別に誰も見てないってば。笑
そう言いつつ、照れながら…でもどこかちょっと嬉しいそうに笑う和に
○○:誰も見てないなら…いいよな。
そう言って、手で和の後頭部に触れながら
そっと…唇を奪う。
和:んっ…♡///
和:…もうっ///💦
咄嗟のことに、照れてしまう和。
そんな和に
○○:あはは、可愛い。笑
和:むぅ…///💦
○○:…愛してるよ♡
和:えっ…
ここに来る途中…和がこそこそっと伝えた言葉を、直接ぶつけてくる○○。
和:…どうしたの、なんか○○らしくない。
○○:そうか?
和:うん…。ま、まぁ…嬉しいけど///
○○:まぁ…夏だからだろうな。笑
和:…。
和:…どういうこと?笑
思わず聞き返す和。
○○:…。
○○:…腹減ったな、海の家で焼きそばでも食うか。
和:あっ、誤魔化した。笑
和やかな空気の中、砂浜目指して泳いでいく。
和:…ねーねー○○。
○○:ん?
和:私も…愛してるよ♡
今度ははっきり、そう伝えると
○○:へー。
和:おいリアクション薄すぎだろ!笑
○○の顔に向かって水しぶきバシャバシャ。
○○:うわ!💦バカやめろ!溺れる!
和:沈め!お前なんか!
○○:ひどすぎるだろ!笑
最後までたっぷりと、海を満喫した(?)2人でした。
――――――――――
その後、海の家で焼きそばやかき氷を食べて夏を満喫した後…帰り道。
和:楽しかったね♡
○○:ああ。
相変わらずぺとっと抱きついて、インカム越しの会話。
ただやっぱり…疲れもあるのか、行きよりかは2人とも言葉数は少なめ。
それでも
和:…。ムギュ
○○:…。
和:動きづらい?
○○:ううん。
抱きつく和と…抱きつかれる○○。
互いに…心地よかった。
和:(もうここかぁ。)
行きに比べて、帰りは道のりが短く感じる和。
和:(帰りたくないなー…。)
そう思い
和:…ねぇ。
○○:なぁ。
声をかけると、同時に○○も声をかけてくる。
○○:…どした?
和:あ、いや…○○先いいよ。
○○:今夜…俺んち来ない?
和:えっ…?
○○:…まだ一緒に居たい。
和:…わかった、行く♡
○○:なぎは…?
和:?
○○:さっき、なんて言おうとしたん?
和:あー…何でもないよ。
○○:なんでや、気になるんだけど。
和:いいの。私の用事はもう済んだから♡
○○:はぁ?どういうことだよ。笑
和:んふふ♡
その後、一旦和の家に寄って泊まりの準備をしてから…○○の家へ。
和:ふふ、早く行こ♡
○○:急かすなや💧笑
夏の暑さにも負けないくらい、熱ーい夜を過ごす2人でした。