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【過去の感想文】ハムラアキラ編

「あれ、私ハムラアキラのまとめの感想文、
載せてないな?!」


って、今ハムラアキラを流しながら作業していて今更気が付きました。遅過ぎる。
本当に大好きな作品なので、あまりにも今更ですが放送終了後に書いていたまとめをnoteに記録。
めちゃくちゃネタバレしてますので未視聴の方が読むのはおすすめしません。



以下は、2020年3月7日に書いた感想文です。

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『ハムラアキラ 世界で最も不運な探偵』
全7回、無事ラストを迎えました。
探偵物に出て欲しい、警察官役をやって欲しいという私の以前からの願望が同時に叶った点において始まる前から私にとって特別な作品でした。

元々ミステリジャンルを愛するミステリヲタクで、警察小説より探偵小説が好きなタイプ。好きになるキャラは大抵探偵か探偵の助手だけど、探偵小説に欠かせないのは物語に様々な味をつける「警察官」だと思っています。
警視であり管理官である岡田正太郎というキャラクターは原作『葉村晶シリーズ』の世界観に「奇妙な味」をつける重要な存在になりました。

「奇妙な味」というのは詳しくは省きますがざっくり説明すると、江戸川乱歩が名付けた「読後になんとも言えない後味や割り切れなさを残す推理小説」を指す言葉。葉村晶シリーズは元々ブラックな結末ややりきれない結末を迎えることもあるイヤミス的な作風も持ち合わせています。岡田警視はオリジナルキャラでありながら、葉村晶の対話役として、1〜6話まで「よくわからない苦さ」を残す味付けを全うした。
7話、何者かに殴られた拉致され閉じ込められた葉村が事件の流れを整理する場面。「あっ」とだけ葉村の心の中で発せられたあとに映る6話の六八会と岡田警視の関わりを示す場面。ここのなにが素晴らしいかというと、ここまで岡田警視が「何者か」があまりにも奥が見えないままできたから、急に怖くなるんです。「あっ」という台詞と回想だけで、よく考えたら、もしも敵だったらめちゃくちゃ怖いじゃないか、アイツと。岡田警視は味方だろうなぁと思ってた私でもゾクッとしました。6話の「六八会が関係してると思ってるんですか?」が。急に怖くなる。オリジナルキャラクターである探偵の対話役に、この設定や雰囲気を担わせた制作陣は素晴らしいですし、見事な立ち振る舞いで演りきった間宮さんも凄い。

岡田警視と山辺の対峙シーン、最高でしたね。原作の細かいエピソードが省かれているお陰で「親と子」「血の繋がり」というもののある種の”キツさ”みたいなものを描こうとしているテーマ性がより色濃く見えるドラマ版『悪いうさぎ』。「晶と珠洲」「ミチルと両親」「岡田と山辺」この3組の血の繋がりが見せるどうしようもなさが印象的でした。
山辺、自分に銃を向けるとは思わなかったんでしょう。自分は父親だから。相手は血の繋がった息子だから。血の繋がった息子だから最後には自分の言うことを聞くに決まってる、丸め込むことができるに決まってる、そういうものだ、だって自分の血の繋がった子供だから。山辺や野中の岡田警視への態度にはそういう血の繋がりに対する自信があった気がします。エリートの自負があり、岡田警視もまたエリートだったからでしょうか。でも彼は六八会の持つある種排他的な選民思想というか、特権階級である意識なんかとは、別の次元で生きるひとりの警察官だった。自分と母親を捨てたろくでもない父親を見返す為に岡田警視は死にものぐるいで努力して警察官になりあの若さで警視・管理官という立場を得たんでしょう。それを「俺の遺伝子の優秀さを証明してくれて」って私だったら暴れるわ!笑 ある意味山辺が父親としてあんな感じだったから血の繋がりを背負ってもなお、染まらず曲がらず、彼の思う正義を全う出来たんだと思います。
そういう意味でも引き金をひき、手錠をかけるシーンは岡田警視が血の繋がりを振り払うことの象徴になっていたようにも思えます。めちゃくちゃ良かった。単純に、撃って手錠かける岡田警視かっこよすぎてヲタクは死にましたし。

女探偵葉村晶もほんっと〜〜〜〜にクールでハードボイルドでたまらなく魅力的でした!格好良すぎた。カフカさんの使い方としてこれ以上ないくらい上手い気がした……。ただかっこいい女探偵ってわけではなく、調子にも乗るし落ち込むし悲しむし笑う。そういう人間くさいところが葉村晶の良さだと思うんですが、そのキャラを見事に演じておられました。ファッションやスタイルも格好良かったです。
もちろん他のキャストも素敵でした。影山東署の刑事コンビが岡田警視出てきたら勢い良く起立するの可愛かった(笑)

長くなってしまいましたが、最高のかたちで私の願望が叶ったことを改めて幸せに思います。全7回は短い!もっと観たい!続編を強く希望します。BD出して欲しいしサントラも欲しい。ハムラアキラ展まで用意してくださったNHK名古屋放送局には頭が上がらないです。
原作にも出会うことができて良かった。
とても楽しませて頂きました、ありがとうございました!

2020.3.7




この投稿をつくる作業してる今ちょうど、管理官の初台詞のシーンです。

2021.3.28  saki








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