ディズニーに行きたいが過ぎたのでディズニーでゾンビゲーをする話を考えた

スペースマウンテンを降りると、そこは一面のゾンビ世界だった。


なにを言ってるかわからないと思うが、自分でもなにを言ってるんだかわからない。つい3分前、乗り物に乗った時はみんな人間だった。係員のお姉さんも、イチャつくカップルも、大人も子供もおねーさんもみんな人間だったのだ。

とりあえず連れ立った友達と外に逃げ出す。もともとどんよりとして嫌な曇り空だったが、一面のゾンビたちの背景となると映えるものなんだなぁインスタにアップしてやろうとか回らない頭で考えていたがそんな場合ではない。早く逃げなければ。

見ると足元にバズライトイヤーの乗り物の光線銃が落ちていた。試しにゾンビに撃ってみた。ゾンビは「うあー」と言いながら倒れた。倒れてはいるけど死んではいなさそうだ。この世界に血しぶきは似合わないもんね。納得しながら逃げ道を探すと右のほうはゾンビが少なそうだった。さあ行こう、夢と魔法とゾンビの世界へ。頭の中で有名なゾンビゲームのタイトルコールが聞こえた気がした。


逃げども撃てどもゾンビゾンビ、たどり着いたはハニーハント。とりあえずなかに逃げ込むと、乗り場は無人のようだった。入り口にはゾンビが来ていたので、出口から出ることにしよう、ついでにはちみつ狩りをしようということになった。係員がいつもいじっている機会を適当にカチャカチャし、乗り物を動かす。聴きなじみのあるアナウンスとともにポッドは進み、絵本のページが開いた。

中はゾンビだらけだった。はちみつ狩りに出たつもりがゾンビ狩りに出ていたらしい。傾くツリーハウスからゾンビが落ちてくるわ、ティガーと一緒にゾンビが跳ねているわ、最後のほうの夢の中みたいな変なところは大量のゾンビが走り回って遊んでいた。回るポッドで命がけのシューティングゲームとなってしまったのだが、たぶん午前中にバズライトイヤーのやつに乗った時に「もっとスリルが欲しいよなぁ!」とか言ってた罰が当たったのだと思う。神様仏様ウォルトディズニー様、もう二度とあんなこと言わないから許して、と切に願った。


そのあとも私たちは逃げ回った。それはもう様々なアトラクションを。ミッキーの家ではミッキーの代わりにゾンビと会ったし、ホーンテッドマンションではお化けとゾンビの見分けがつかなくて困った。楽しくなって立ち寄ったビッグサンダーマウンテンでは暴走ゾンビと決死の鬼ごっこをしたし、休憩しようと入ったカントリーベアシアターでは天井からブランコで女のクマが出てきたと思ったらゾンビだった。時々通りかかるウエスタンリバー鉄道からゾンビが手を振っていた。行ってはいないがトムソーヤ島はきっとHow to Survive的なゲームみたいになっているんだろうな、コバック先生はいるのだろうかとか思っていたりしたがようやくワールドバザールにたどり着いた。

どうにか切り抜け、ゲートを通り、最後ついに本気を出してきたゾンビたちを振り切り舞浜駅に到着した。しかしまだ追ってくるゾンビ、しかし後は電車に乗るだけである。長かった。一緒に来ていたユージーンはスペースマウンテンの係員のお姉さんに噛まれ、もだっちはジャングルの一員となり、フレンはシンデレラ城の前のインスタギャルゾンビに戦いを挑んでそれぞれこの場にはいないが私は生き残ったのだ。さあ電車はいつ来るのだと掲示板を見ると次の電車は20分後だった。


             GAME OVER


さあ次は皆さんの番です。皆さんもディズニーランドサガを妄想してみよう!

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