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シャッフル稽古の衝撃 MANKAI STAGE『A3!』〜Four Seasons LIVE 2020〜に寄せて

2020年9月17日〜20日の4日間、東京ガーデンシアターにて上演された「MANKAI STAGE『A3!』〜Four Seasons LIVE 2020〜」を見てきました。
初演である「SPRING & SUMMER 2018」から2年、各組の単独公演を経て、カンパニーの劇団員とそれを取り巻く関係者のキャスト全員が揃うライブ公演!(雄三さんもいるよ!)
いやー圧巻の一言でした…一組5人×4組=20人+関係者7人=合計27人が一つのステージで歌い踊る!MANKAIカンパニーの歴史を振り返りながら、エーステで歌われてきたあらゆる曲が一度に聴ける贅沢な時間。このライブのために新しく仕立てられたステージ衣装も豪華で素敵でした。
いやこのご時世にしっかり6公演上演してくれて感謝しかないです。楽しかった!!

その中でも目玉の演目と思われるのが、各組の旗揚げ公演を全組でメンバーを入れ替えて演じる「シャッフル稽古」でした。
例えば春組の旗揚げ公演『ロミオとジュリアス』を春組以外のメンバーが演じるという画期的な企画…原作ゲームでは好きな組み合わせで公演を見ることができますがステになると話は違ってくるじゃないですか…ポンと選択するだけで見られるゲームと違ってキャラクターを演じる俳優さんが頑張らなきゃいけないやつじゃないですか…えっありがとうございます…拝むしかなかった。
わたしは20日の公演を見たので、夏組『Water Me!〜我らが水を求めて〜』と秋組『なんて素敵にピカレスク』を見ましたが、どっちもものすごい衝撃を受けてふらふらしながら帰ってきたので記録に残しておこうと思いこうしてnoteを書くことにしました…すごかった…

Water Me!〜我らが水を求めて〜

エーステの旗揚げ公演の中で一番好きなので特に楽しみにしてたのですが、夏組のために作られたコメディ劇を別キャストでやるとあんなに違う笑いが出来上がるのかと驚きました…シトロンは綴と一緒に投げ込んじゃダメ!

このキャスティングで特にすごいなと思ったのはアドリブへの適応力。
シェヘラザードが王様のハーレムに入れられてしまうという流れを千秋楽で突然アラジン(シトロン)が王様ではなく「悪い組長〜!」というアドリブをぶち込んだところシェヘラザード(密)が「組長から使いが来たわ」と乗っかり、同時にランプの魔人(左京さん)も王様を表現するために纏っていたシンドバッドの絨毯を投げ捨て本職を生かして「さっさとシェヘラザードとショバ代持ってこい!!」とド迫力で言い放つ!万里アリババも「シェヘラザードが組長と結婚できないようにしてくれ」ってしれっと言うし「あっ組長のままで行くんすね」という綴シンドバッドのツッコミも冴え、結局全員で最後まで組長で通してしまった。
これはもはや驚きを通り越して感動でした…ストリートACTを繰り返してきたカンパニーメンバーのアドリブ力が光ってました(これは演じる大和くん植ちゃん玲さんのベテラン組の実力でもあるかもしれない。水江くんと前川くんは頑張ってついて行ってたなと思いました)。

さらに万里アリババと密シェヘラザードの関係性も、天馬と幸くんが演じた二人とは違ってお互いを大事に想っているお似合いのカップルという感じでここも本家とは印象が変わって面白かった。特に万里アリババはチャラチャラしてて女好きな感じがするのに実はシェヘラザードにメロメロで、ラストに「かわいい〜!!」って叫んじゃうのとか、天馬とは違う役作りが出来る役者になったんだなー、万里成長した!とここでも感動したりしてました。
夏組が誇るコメディを今回のシャッフルメンバーもまた違う方向性で本家に負けず劣らずのコメディ劇に仕上げてきたのが素晴らしかったです。本家もシャッフルもどっちも好き!

なんて素敵にピカレスク

こちらはアクションが得意な秋組ならではのバトルシーンてんこ盛り作品。
あのー個人的な話で申し訳ないんですけど最推しが真澄でして、ピカレスクだけは誰がどの役を演じるのか当日までネタバレを見ないようにしてたんですけどまーーーこれが全員すごかったので一人ずつコメントさせてほしい。推しの部分だけやたら長い。

ルチアーノ→三角
これはもう納得のキャスティング。本家で万里が演じていたルチアーノとも遜色なくめちゃくちゃかっこよかったし、怪物並みの身体能力で大暴れしてくれて最高だった!
ランスキーの弟ベンジャミンとのやり取りで一瞬「兄ちゃん…?」って言葉が口からこぼれてしまうのが本家と違うところのひとつ。三角くん自身にも円くんという弟がいて、今は二人の間に溝があるからこそ思うところがあったのかな。エーステの斑鳩兄弟も早く和解できるといいな。
あんなにかっこよく演じていても頭の中はさんかくだらけなので途中で天馬に「ちゃんとやれ!」って怒られてるのは三角くんらしかった笑

ランスキー→真澄
ルチアーノかランスキーかなと思ってましたが、軟派なルチアーノよりも硬派なランスキーの方が似合ってましたね。器用なのでガンアクションも肉弾戦も難なくこなせちゃう!三角くんとのコンビでも見劣りしない!推し最高!!!
本家ランスキーを演じた十座とは違って真澄は一人っ子なので「弟ってなんだろう」って考えたと思うんですよ。周りに弟がいる劇団員はたくさんいるからいろんな人に話聞いたりしたのかな。ベンジャミンと接するシーンは最初は距離感も感じたけど、実際に弟がいる十座がベンジャミンを力強く抱きしめるという演じ方をしたのに対して、弟との接し方を知らないけど兄とはどんなものなのかを自分なりに考えて、自らの帽子を被せてあげるという選択をしたのがなんだかグッときました。「さすが俺の弟だ!」のセリフと共に浮かぶ笑顔はまさしく兄の姿であったと思います。
そしてやっぱり歌が上手い…春組ではあまり歌わない低めのキーでもちゃんと響くよねーっていうのと、音楽は詳しくないんですけど原作ゲームの曲(一夜限りの相棒)の「忘れるなよお前は俺だけの〜」のフレーズ、おま〜↓え↑〜は〜♪の低いキーから急に高くなるところが自然に出るのめっちゃ好き〜〜ってなりました。音源くれ。ラストのダンス直前のネクタイ緩めて首をグイッと回してルチアーノを一瞥してから踊り出すとことか最高〜〜オタクなので語彙力が足りない。
終わった途端に「ねえ俺かっこよかった?大人っぽかった?アンタのために俺頑張ったよ」って言ってくる(そして引きずられて戻っていく)のも愛おしい。推しがかわいい。
役作りとは関係ないけど、背が高くてガタイのいい十座(太郎くん)に比べて細っこい真澄(牧島くん)があの衣装を着ると、かっこいいけどホルスターとかが大きく見えて「着させられてる感」があってなんだかかわいかったです。

デューイ→誉さん
誉さんが!!悪役を!!!今回のシャッフルピカレスクにおける一番の衝撃はここでした。
臣くんは元ヤンらしく正統派の悪役デューイを演じていたけど、誉さんのデューイは品の良さを持ち合わせてて普段はいい人に見えるんだろうけどだからこそ滲み出る悪人ヅラが心底怖くて、感情がわからないサイボーグだって言ってたあの誉さんが冬組第三回公演までを経てこんなに魅力的な悪役を演じられるなんて!冬組ではアクションをやることもなかなかないだろうに立ち回りもうまくこなしていて本当に感激してしまいました。これからも役者有栖川誉の演技の幅はもっと広がっていくんだろうな!

ベンジャミン→幸くん
幸くんはここしかないよなあと思いつつも、太一くんとは違って体は弱くても芯が強くてかっこいいベンジャミンだったなと思います。太一ベンジャミンは絶対デューイに頭突きぶちかましたりしない!笑
太一は幸くんに対していろいろアドバイスしてあげたのかな〜〜幸くんもウザがりながらもアドバイス聞いていろいろ考えたりしたかな。原作の二人の関係性が好きなので深読みしてしまう。

カポネ→天馬
天馬は左京さんとは全く違うアプローチをしてきたところにまず驚いた!
杖を持っている→足が悪い→でも悪党なので足が悪いのはウソでーーす身内すらも騙しまーす!!考え方は子どもっぽいとこもあるように感じたけど、貫禄あるマフィアのボスという役を演じるにあたって大人の左京さんに比べて圧倒的に足りない年齢差を左京さんとは別の解釈と演じ方でカバーしてきたので「さすが天才役者皇天馬!!」と感心しきりでした。デューイの顔を蹴っ飛ばして「知らねえよ!」って言い放つシーンはかっこよすぎて震えた!一切笑わないクールな左京カポネとは違って悪い笑顔も様になってたなー。
夏組ではコメディを演じてるけど、映像作品で本来演じていたのはこっちの方向だったのかなって思ったりもしました。

ここまでずっと普通に俳優さんではなくキャラクターとして書いてますが、特にカポネについては演じてる天馬役の陳内くんと左京役の玲さんって年齢ほぼ変わらないんですよ。それなのに「左京さんに比べて天馬はまだ人生経験が少ない」って思わせてしまう才能。他のみんなも天才しかいない。ここが"舞台俳優が舞台俳優を演じる"エーステのすごいところ。

ピカレスクは元々ダンスもめちゃくちゃかっこいいんですけど、まじであの高速ステップみんなよくできるな…演技の幅をさらに広げるためのシャッフル稽古だったけど、ここに至るまでにカンパニー全員役者としての実力は確実に上がっているなと感じました。今回のライブはエーステの原作第一部にあたるお話までのまさに集大成でした!!

本当はロミジュリと天使。のシャッフル稽古も見たかったんですが、仕事で予定が合わずディレイ配信待ちです。
俳優さんたちがSNSに上げてくれる写真見て「太一と紬のロミジュリはカラーリングが本家と違和感がないw」とか「従兄弟同士のミカエルとラファエル尊いな…」などなど思ったりしていますが早く見たい…!!
他にも、怖い話ネタやGOD座と絡むメンバーも違ったりするみたいなのでやっぱり日替わり2パターン見るのが正解っぽいですね…ダンゴムシ真澄早く見たい。(春組単独の時に牧島くんがどうしてもやりたかったと言っていたので念願かなってよかったね。笑)

実はエーステは初演から見ていたわけではなく、別作品でファンになった牧島くんが真澄を演じていたので春組単独から見に行くようになった作品なのですが、今では作品自体も劇団員全員のことも大好きだし、まさに「推し以外も愛おしすぎる」のがエーステの魅力だと思っています。
エーステは牧島くんが連れてきてくれた世界。新たな扉を開いてくれてありがとう!この先もっと魅力ある役者に成長していくエーステの真澄を見守りたいなと思います。

個人的な話ですが、前回の冬組単独で密に送られてきたマリーゴールドの花と今回の左京さんの「劇団員を増やす」という発言でエーステのこの先の展開が垣間見えているので、ライブ終わりに発表があったらどうしようって考えただけで動悸息切れがしてたんですが、何もなくて心底ホッとしました…思う存分こうして余韻に浸れました…
原作でも真澄が最推しですが、その次に好きなのが密に花を贈ったエイプリルこと千景さんなので…エーステに千景さんが顕現してしまう…って考えただけで吐きそうです。誰が演じるのかも含めて、楽しみだけど怖い。早く息の根とめてくれないか…楽にさせてほしい。

そんな感じのエーステライブ感想でした!長くてすみません。あとは気が済むまで家で録画したやつ見ようと思います。

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