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私は『シン・ニホン』をどう読んだか

                シン・ニホンアンバサダー 5期 呉組
                              外村真也

【自己紹介】

私は中学・高校の数学教員をしている。最初は数学を教えたいなぁと軽い気持ちで始めた教師という職業だった。しかし、年々生徒の大切な人生にかかわる機会が増えていき、何をすればbetterなのかもわからず日々の業務に追われながら過ごしていた。多くの価値観に変化が起こっている時代になり、何を目指して指導をしたらよいのかがわからない。その中で学校が掲げている「社会に貢献できる人材育成」という目標を頼りに指導していた。ちょっと欲を言えば”明るい未来の社会”で”幸せで豊かな生活を送りながら貢献”できる人材に育ってほしい。そのためには、今の私たちの世代が明るい未来を作っておかなければいけないし、生徒たちにも幸せな生活を送ってもらう力を手に入れてもらわないといけない。結局、生徒たちにとっての”明るい未来”や”幸せで豊かな生活”とは何なのか、何を目指して教えるのかがわからなく迷っていた。そのようなときに、『シン・ニホン』(書名は二重カッコで表記します)と出会えた。

【「シン・ニホン」との出会い】


 YouTubeに安宅先生がおススメに出てきたことがこの本との出会いだ。世界と日本の現状や将来を危機的にとらえながらも、真剣な眼差しで、「なんとかなる・なんとかしないといけない」と語る笑顔が印象的だった。
 早速「シン・ニホン」を購入したところ、本の分厚さに驚きながらも、安宅先生の熱量にどんどんと引きづりこまれ、気が付いたら一気に読んでいた。この本をみんなに読んでもらいたい!!!この中には私が求めていた"何か"がたくさん書かれていた。それは想像できないぐらいたくさんの、現状と未来に向けての対策と人材育成の大切さであった。それと、心に突き刺さるキーワードの数々であった。例えば以下である。
・未来の方程式(未来=夢×技術×デザイン)
・妄想力の英才教育
・知覚の言語化
・仕事=力×質量×加速度
・チャーム
・異人
・若い人に投資、応援・未来は創るもの

 特に印象的なのは、AI×データ時代に求められる能力は、最先端のテクノロジーや偉人の力だけでなく、人間性・人間味などであるということが整理されているところである。「シン・ニホン」(p.156)に人間社会で成功する人の要素として、運・根・勘・チャーム(魅力)の4つがあげられている。生まれたころはみんなチャームであふれているが、社会で生活していくなかでチャームさを隠してしまっているところがある。いくつものチャームが挙げられているが、特に気になっているチャームは次だ。「人を傷つけたり騙したりしないこと」「心の優しさ」「実行・推進力」「協力し合う、助け合う人柄」「素敵な表裏のない笑顔」である。
「シン・ニホン」には最新技術の開発と並行して、このようなチャームなどの人間性が大切だと書かれているところが面白い。今後、すべての関われる生徒と「どうあるべきか」を一緒に考えながらその生徒のチャームさを見つけていくことが大切だと思った。


【シンニホンアンバサダー育成講座を受講して】


 シン・ニホンアンバサダー育成講座に申し込みをしたきっかけは、もっと「シン・ニホン」の内容について話ができる人と知り合いになりたいと思ったことと、シン・ニホン的な考えを理解したい、近くの人に広めたいという気持ちからだった。始まってみると思っていたものと全く違い、自分の気持ちを安心して素直に話すことができる、すごく暖かく居心地のよい空間だった。メンバーからは新しい刺激をいただきながら、自他の発見や気づきを学ぶことができ、毎週木曜日に2時間議論をすることが楽しみになっていた。そこでは議論をすることの大切さと同時に、問い立て・ファシリテートの大切さを教えてもらった。そして、わずか2ヶ月前に知り合ったばかりの呉組メンバーとは、実際には会ったこともないのにすごく親しく不思議な関係を作ることができた。「シン・ニホン」を読むだけでなく、このような空間の体験を通して何かが起こる気がしている。
育成講座の中では普段の呉組とは違うメンバーで話し合いをする場が何度かあった。そこで不思議に感じたのが「シン・ニホンがあれば、初めて会った人とでも共通のkeywordで会話ができる」ことだ。この共通意識が、「シン・ニホン」の持っている凄い力の一つだと思う。

【「残すに値する未来」を目指す】


 価値観が大きく変わっている時代に、この本に出会えたことに感謝している。消費すること・奪うこと・比べること・みんなと同じ物差しで測ることに価値を感じた時代から、資源を大切して・分け合い・多様性を受けいれる・自分の物差しで価値を測ることが大切な時代になった。私たちの価値観が変わるこのタイミングで「シン・ニホン」と出会えて良かった。個人の力ではどうしようもできない暗い問いと、考えて協力すればそれ以上に明るく過ごせる行動が書いてある。
 僕にとっての「残すに値する未来」はわかっていない。しかし、いろいろな人と話をしているうちにぼんやりと見えてきている気もする。今はぼんやりと見えてきたものを目指しながら「未来を創る人」と関わることができる教師という職業が本当に重要であることを日々確認して学びながら過ごしていきたい。まずは自分の近くから、「残すに値する未来」について対話を通して考えて、チャームな生徒たちと一緒に良い循環を仕掛けてみたい。

YouTubeで語られていた安宅先生の言葉が好きだ。
「最初のことをやるのが大事。
 失敗しても失うものはない。
 もともとゼロだからリスクゼロ。」

最後になりましたが、シン・ニホンを通して出会えた方たちに感謝いたします。ありがとうございました。

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