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令和7年度 東京科学大学 編入体験記

令和7年度の東京科学大学 物質理工学院 材料系の編入試験を受けたので、ここにその体験記を残しておこうと思います。

この体験記は、合格発表の前に書いています(もし落ちてたら書く気が失せるので)。それでは、よろしくお願いします。

【追記】受かりました。


自己紹介

一関高専 未来創造工学科 化学・バイオ系
【成績 - クラス順位 - 】
- 1年:2位
- 2年:1位
- 3年:7位
- 4年:15位くらい

【TOEICスコア】
- R6 1月:720点

【部活など】
- 陸上部
- 学生会執行部

【趣味】
- キャンプ
- ツーリング

受験大学

第一志望:東京科学大学 合格
第二志望:東京農工大学 合格
第三志望:一関高専専攻科 合格

編入までの過程

(4年後期まで読み飛ばしてOK)
端的に言うと、僕は2月から8月までの7か月弱の間編入勉強をしていました(TOEICは結局使わなかったようなものなのでノーカン)。

1~2年生

 ここらへんまでは就職希望でした。なので、課題をちゃんと出してテストで良い成績を取ることだけを考えて学校生活を送ってた感じです。2年生ではそれに加えて資格厨になって6,7単位分くらいの資格を取ってました。あとは、部活の陸上に勤しんでましたね。

3年生

 2年生でクラス順位1位を取った後、テスト勉強をそこまでして頑張る理由が自分の中に見つからず(なんとなくこんなものかと思ってしまった)、だんだん学校の勉強以外のことに勤しむようになりました。友達に習ってWeb制作したりpythonでコード書いたりして、だんだん情報系寄りの事をするようになりました。また、同学年の情報系のめちゃくちゃ頭いい奴とそのつながりで仲良くなって、学校の勉強であまり深堀しない初等力学や電磁気、熱力学の自主ゼミの団体を立ち上げて、輪講形式でゼミを開催していました。
 学生会で会計局長(一関高専には「会計」という珍しいブラックな部署が学生会に存在します)もしたので、一年中ExcelとTeamsに張り付いて授業中も作業していました。
 自己紹介でお察しの通り、成績は悪くなりました。まあこのあたりからテストに一夜漬けで挑むようになったので当たり前ですね。でも、1,2年生の時と比べると勉強に対してのモチベーションや興味のある学習範囲の理解度は高かったです。

 これから編入を目指す皆さんに注意しますが、成績が良くて損することはないです。なぜなら、編入において「推薦」という選択肢が使えることはもちろん、学内の様々なところで自らの成績というものはついて回るからです(編入しようとする方は大体真面目なので分かってると思いますが)。
 もし打ち込みたいことがあっても、成績だけは良いままを維持することに注力すべきだと思います。

4年生前期

 4年生では、学生会副会長を務めたのでますます忙しくなって、勉強は全然手につかず、課題もしょっちゅう期限超過していたと思います。とにかく業務量が尋常じゃなかったので、11月くらいまでは学生会の仕事をずっとしてました。そのため、テスト順位も結構下がりました。

4年生後期

 高専祭が終わって学生会から解放されたので、11月からTOEICの勉強を本格的に始めました。以前からTOEICは何回か受けていて、だいたい600点前後あたりでした。編入の勉強を始めるのがだいぶ遅い自覚があったので、3か月間でTOEICはとりあえず終わらせようと決めて1月末の試験を目指して勉強していました。結果は720点だったので、まあまあ及第点かなと思って、TOEIC勉強は一旦打ち切りました。

 余談ですが冬休み前に、5年生の先輩方が編入説明会を開催してくださり、それに参加したところ東京工業大学に進学する先輩が同じ化学系でいらっしゃったので、僕でもいけるかもと思ったのが東工大編入を意識し始めたきっかけです。あと説明会の後、先輩に編入先を相談しに行ったら、とりあえず東工大目指しておいたら?との回答を頂いたので、ここで本格的に東工大を目指すようになりました。

 スタディプラスもここら辺で始めたのですが、ある時ふとタイムラインを見ると、「一緒に東工大の過去問解く人いませんか?」という投稿があったため、速攻返信してdiscordのグループに入れてもらいました。その後は、この時に集まった3人で毎週過去問を1,2年分解き、曜日と時刻を決めてボイチャで過去問の解答を共有していました。今思えば、この時に一緒に過去問を解く人を見つけられていなかったら、割と詰んでいたと思います(マジで二人ともありがとう。感謝してもしきれない。)

 話は戻って2月になって本格的に編入勉強をするぞーっと意気込んではいたのですが、何からやればいいか分からず、問題集からではなく、とりあえず過去問を解いていました笑。理由は簡単、編入仲間の他の二人が既に過去問を数年分解いていており、僕も混ざらなければと必死だったからです笑。案の定、8割分からなかったので、先輩からもらった過去問の解答を度々見ながらやってました笑。

 しかし今なら、案外良い選択をしたと思っています。なぜなら、過去問を解くのが一番記憶に残りますし(個人の意見ですが)、問題の傾向を把握できるからです。

 これから編入勉強するみなさんに注意していただきたいことですが、最初に問題集をやみくもにやるのはお勧めできません。なぜなら、問題集の範囲全体が試験に出るかというと、必ずしもそうではないからです。そのため、問題集に入る前に、もしくは問題集をやりながら過去問をコツコツとやって、どの範囲が出やすいか、どのくらいの難度で出題されるのかを正確に把握する必要があります。

 そのため、まず何からしたら良いか分からないという人は、その進学先の先輩やSNSでつながった人に過去問の解答をもらい、さっさと過去問をやりましょう。はじめはマジで何も分からないので精神的にきついのですが、ぐっとこらえて過去問を優先的に終わらせることをお勧めします。この時、分からなくても良いというのがポイントです。もらった解答を堂々と見て、理解しながら解きましょう。僕個人の意見ですが、この方法が一番手っ取り早いです。

 春休み期間は、過去問と並行して英語と力学の勉強をしていました。英単語がまず分からなかったので、システム英単語帳を範囲を決めて回していました(1時間くらい毎日費やしてました)。また、英文を読むスピードが激遅だったので、速読英単語を買って、繰り返し読んでました。とにかく英語に慣れたかったので、移動時間や家事している時間はずっとこれを聞きながらシャドウイングしてました(そのおかげで電車のアナウンス聞くだけでも口ずさむようになってしまいました)。

 力学は、「大学生のための初等力学」を2月から春休みの終わりまでやってました。僕は化学系のため、授業で大学物理はほとんどやらないので、物理の考え方を身に着けるのにすごく苦労しましたが、一旦分かってしまうと、それが至極当たり前なことに感じてきて、後の電磁気学や熱力学の勉強も楽になったと思います。

5年生

 当初から化学は春休みが終わってから手を付けようと思っていたので(化学は好きだし得意だったのであまり心配していませんでした)、5年生の始めから有機化学を勉強しました。有機化学は、「マクマリー有機化学概説」で勉強しました。授業では「工学のための有機化学」という本を使っていたのですが、「マクマリー有機化学概説」の方が読みやすかったので、一通りノートにまとめたり章末問題を解いたりして終わらせました。そのあと、上記2つの参考書に書いてあるすべての反応を、反応機構付きでまとめるという暴挙に出ました。色々サイトを読み漁ったりしながらコツコツとまとめ、合計120個ぐらいの反応とその反応機構をまとめた暗記ノートがGWあたりに完成しました。その後、反応名と最初の化合物だけを書いた演習用のノートを作り、すべての反応機構を覚えようと、毎日範囲を決めて反応機構を書いて覚えるのを繰り返していました(全部通してやると6時間くらいかかる)。そのおかげで、問題集はほとんどやっていないのですが、過去問で分からないところはほとんどなくなりました。やはり基礎固めが大事です。また、時間をかけて反応機構を調べたことも有機化学の理解につながりました。

 また、毎週英語の先生に英語の過去問を添削してもらっていました(英訳・並べ替え・英作文など)。これはみんなやった方が良いです。編入試験の英語の長文も、内容把握しやすい問題の読み方や点数をつけやすい答え方のコツがあります。また、英作文は添削してもらった事が一番頭に残ります。ですので、早めに英語の先生にアポを取って英語の添削をしてもらいましょう。

 その後5月末まで物理化学と無機化学を勉強しました。物理化学は「化学熱力学中心の基礎物理化学」という本を1周しました。受験後半では、様々な式の導出過程を毎日書いて覚えてました。この本の章末問題は解答に過程が記載されてないため、章末以外の問題をやっていました。無機化学はもともと得意だったし、授業のスライドがメチャクチャ分かりやすかったので、それだけで勉強しました。無機化学の参考書は内容が難しそうで本当にやる気が起きず、問題集も最後まで開くことはありませんでした。それでも東工大と農工大の無機化学の範囲はほとんどカバーできたので、そのスライドに感謝です。また、過去問で周期表の穴埋めがあったので、第7周期のRaまで(ランタノイド、アクチノイドを除く)毎日書いて覚えてました。何も考えずに出来たので、勉強の合間とか最初とかによくやってました。

 あと、この頃から東工大英語の赤本「東工大の英語20カ年」もやり始めました。マジで読めなくてきつかったですが、コツコツやってました。夜やると本当に頭が働かないので、朝早く起きて学校の1限が始まる前に終わらせてました。また、「システム英単語」と「速読英単語 必修編」をこの頃はだいたい覚えてしまったので、「速読英単語 上級編」に入りました。

 6月が近づき、農工大の編入まであと1ヶ月と迫ったころで、電磁気学と数学の勉強に入りました(遅すぎ)。それでも毎週過去問を解いていたので、どちらも基礎的な問題は理解していました。電磁気学は「大学生のための電磁気学」、数学は「編入数学徹底研究」を使って勉強しました。事前に農工大の過去問もやっていたため、出題範囲を絞ることが出来、どちらも2週間くらいかけてがーっと一気に詰め込むことが出来ました。

 農工大の試験(6/26)が終わってからは、試験の手ごたえが良くなくて、もともと病んでたのに、更に病み始めたので、どんな勉強をしていたのかあまり覚えてません。「大学生の初等力学」と「大学生の電磁気学」を周回して問題を完璧にしていたと思います。

 その後、7月に入ってから高校波動と量子力学を勉強しました。波動は授業で使ってた「リードα物理」の問題集を何問かといて、量子力学は「理工系学生のための基礎化学 量子化学編」をやりました。これは東工大で使われている教科書だそうなのですが、この教科書から量子力学範囲の問題が頻出しているため、これだけやっておけば大丈夫だと思います。その後、今までの問題集を復習しながら、「編入数学過去問特訓」「有機化学演習」「演習力学」「電磁気学演習」を1周しました。

 英語は、「実践模試演習 東京工業大学への英語」をこの頃1周しました。あと、英作文の勉強も少しだけしました。

 直前期の7月後半~試験前までは、ひたすら全科目ひたすら過去問を周回していました。試験1週間前までに9年分の範囲を2週目解き終わって、その範囲をひたすら復習してました。

自分の勉強スタイル

  • iPadを使った勉強
     僕は元来ノートをまとめるのが苦手だったので、勉強は全部iPadのGood noteで行なっていました。試験の直前一週間だけはコピー用紙にシャーペンで勉強してました。東工大の範囲はただでさえ広いので、ノートが整理しやすいのは勉強の効率面でも結構よかったと思います。また、先ほども言った通り、試験範囲が馬鹿みたいに広いので、参考書は全部pdf化してonedriveに保存し、そのpdfファイルを見ながら勉強してました。そのため、僕が編入勉強の期間に使った紙の参考書は、システム英単語だけです。試験に向かうときの荷物にもiPadだけ入れればよかったので楽でした。

  • 自分を律さない
     春休みの終わりとともに(編入勉強開始から2か月弱で)、勉強のモチベがほとんど皆無になったので、残りの勉強期間中は、とにかく自分の機嫌をとって、勉強するためのハードルをいかに下げていかに継続させるかに注力してました。そのため、他の体験記を書いてる人ののように、毎日の勉強時間を決めたりルーティンを作ったり早寝早起きしたりという自分を律することはせず、自分が勉強したいと思うときに勉強するように心掛けてました。そのせいで結構徹夜もしたし、2,3週間に一度は疲れすぎで何もしない日が出来ていました笑。それでも、心が折れて勉強しなくなってしまうことが最も良くないと思うので、計画通りでなくても、自分が楽しいと思えるように勉強することが大事だと思います。

 

使った参考書

数学

 僕は数学は苦手なので、分からない問題は解答見ながらやってました。体感思っていたよりは難しくないです。問題数も少ないので、初めにやって基礎固めするといいと思います。

  • 編入数学過去問特訓(優先度:★★★★☆)

 徹底研究をだいたい終わらせた後にやりました。様々な問題があるので演習として最適だと思います。ただ、問題数が多いので、過去問で出題傾向をつかんでから、問題を絞ってやるといいと思います。

物理

 力学は、これ一つを完璧にするだけで結構いけます。反発係数当たりの鬼畜計算の問題はとばして、これを全部やっておけば基礎的な問題は対処できると思います。

 これは編入試験対策というより、力学という学問を学ぶときに良い参考書。この参考書をやれば力学への理解はとても深まると思いますが、試験で出るような出題形式でない問題が多いため直接的な対策になるとは限らないです。

 初等力学分野を学ぶときに良いと思う参考書です。ただ、力学は問題をこなした方が早いと思うので、理解の助けにするのであればオススメです。

 電磁気学演習とどちらもやった方が良いと思います。誤字が多いですが、編入に出やすい問題が揃っているため優先してやるべきだと思います。

 大学生の電磁気学と一緒にやった方が良いと思います。こちらも、編入で出るような問題形式でない問題もありますが、大学生の電磁気学にはない問題も多数揃っているため、やって損はない参考書です。

 熱力学もこれで学べるため、物理化学と一緒にこの参考書で勉強しました。熱力学の本は記述があいまいで、記号の意味を文脈で理解しなければいけないことが多いですが、この本は比較的しっかりと前提条件を書いて説明してくれるため分かりやすかったです。例題や問題も多いため、演習用としても結構使えます👍

 買ったけど読みませんでした。東工大の波動の範囲は最近、大学の波動寄りになってきているため、やったほうがいいかもしれません。

 授業で使ってた問題集。気管の問題やドップラー効果の問題などを復習しました。

化学

 授業で使っている教科書ですが、内容が難しくて読みませんでした。

 あまり読みませんでした。しかし、無機化学を初めて学ぶのであれば、とても分かりやすくまとめられていると思います。

 あまりやりませんでした。東工大で使用されている教科書だそうです。内容は絞られていて、中身も見やすく、ある程度問題も載っているので、最初に学ぶのにいいかもしれません。

  • 無機化学の先生の2~5年生の授業のスライド(優先度:★★★★★)

 めちゃんこ分かりやすいから一関高専の人はオススメ。


 解きませんでした。院試向けの参考書のため、編入対策としてはオーバースペックだと思います。

 分かりやすい教科書です。非化学系の学生にもお勧めできます。読み物として読み進めやすいように作られているので、内容が入ってきやすいと思います。問題も多いので演習として使えます。

 マクマリー有機化学概説とは対照的に、読み物としてはあまり面白くないです(つまり、これで学び始めるのはきついかもしれないです)。ですが、非常によくまとめられている参考書のため、マクマリー有機化学概説などで一度学習を済ませてから、理解を深める・内容を整理するために用いるのが効果的かと思います。唯一の欠点はDiels Alder反応が載ってないこと。

  • 反応を自分でまとめる(優先度:★★★★★)
    有機化学は、他の科目と比べて勉強しやすいので、前述のように一覧を自分で調べてまとめ、全部を覚えるのが一番効果的です。反応機構は必ず意識して書くようにしましょう。そうすると、見たことない問題でも対応できるようになりますし、反応の暗記がとても楽になります。


 東工大の有機化学は結構難しいので、院試用の問題集ですがやっても良いと思います。無機化学演習、物理化学演習と比べて問題も易しいです。

 前提条件をしっかりと書いてくれる教科書のため、内容が理解しやすいです。熱力学範囲を含めて幅広く物理化学の範囲を学べます。問題数も多くて演習にも使えます。ただ、気体の分子運動論のあたりが説明が少ないので、そこは他の参考書をあたっても良いと思います。

 あまりやりませんでした。院試用の問題集のため編入対策としてはオーバースペックです。

 気体の分子運動論のあたりの勉強に使いました。とても分厚い参考書のため、これで学ぶのはあまりおすすめできません。

 酸・塩基を溶かした溶液のpHの問題とかを理解する時に使いました。プロトン収支とか電気的中性の条件とかを使ってかなり細かく説明されてあります。


 あまり読みませんでした。とてもよくまとめられているため、最初に化学全般を学ぶときに使えると思います。

 高校化学範囲の問題がたくさん載っています。これをやっておけば、高校化学の範囲の問題はほとんど大丈夫だと思います。東工大の化学には高校範囲も出るので、出題傾向から問題を絞って解くといいです。

英語

 大学入試用の英単語が載っています。これをできれば毎日読むようにするのが英単語を早く覚えるためのコツです。僕は以下のようなサイクルで進めてました。
1. 0~400の範囲を覚えるまで周回する
2. 400~600の範囲を覚えるまで周回する
3. 0~600の範囲を周回する
4. 600~800の範囲を覚えるまで周回する
5. 0~800まの範囲を周回する……..
新しい範囲を覚えたら、必ず0から全部通しで覚えられるように何度も同じ範囲を行ったり来たりしてました。注意ですが、単語帳を一旦最初から最後まで読み切ることにあまり意味はありません。範囲を限定して、徐々に広げていくイメージで覚えていくとよいと思います。

 僕はシステム英単語で単語勉強はしていたので、なれるための多読・速読用にこれを使っていました。Youtubeに音声が載っているので、それを聞きながら、意味をつかみながらシャドウイングできるようになると、英文を読むスピードが割と速くなります。僕は春休み中狂ったようにずっとこれをやっていました。以下のように勧めるといいと思います。
1. タイマーをセットして、目標時間内に文脈を理解しながら読むことを意識して、1ページ読む。2回目も同様に読む
2. 2回読んでだいたい意味を把握したら、日本語訳をみながら精読する。
3. 音声と同じスピードでシャドウイングしながら読めるように繰り返し練習する。
【コツ】
- 初めてその英文を読んだその日に、シャドウイングしながら内容も理解しながらその英文を完全に読めるようになるのは、とても難しいです。そのため、何回か練習したらさっさと次のページに進みましょう。しかし、翌日以降繰り返し同じところを読み返して、だんだんとシャドウイングできるようにしていくのが大事です。英文を読むのが疲れるのであれば、僕のように移動時間中に音声を聞いて頭に英文を思い浮かべて意味をつかみながらやるのでも十分効果があります。大事なのは、同じ英文を読む・聞く回数を増やすことです。すぐ理解できなくても良いです。そのうちだんだん意味が頭に浮かんでくるようになるので、根気よく続けましょう。

 ↑の参考書よりも、構文・単語の難しさは東工大の編入試験の英語にだいぶ近いです。必修編が終わって余裕があったらやっていいと思います。これもすらすら読めるようになれば、結構過去問の英文を読むのが楽になります。

 通称、赤本。東工大の入試用の英語の過去問です。近年の東工大の編入試験では英訳問題は出ておらず、並べ替え問題が主だったりするので、出題傾向は編入試験のものと少し違います。編入試験の英語長文よりも難しいですが、英語長文問題をより解けるようにするには、長文をできるだけ読んだ方が良いので、傾向が変わる2011年あたりの問題までやった方が良いと思います。長文を読んだ後は、必ず精読しましょう(僕は問題解いて精読が終わるまで4時間ぐらい毎回かかってました)。

 通称、青本。東工大への入試用の模試問題集です。出題傾向は、赤本よりも編入試験のものに近いです。こちらも実際の試験よりも難しく作られておりますが、赤本よりも解説が丁寧であり、編入の過去問よりも優先して周回しても良いと思います。同じく、問題を解き終わったら精読しましょう。

 50番くらいまでしかやりませんでした。春休みあたりにもっとやっていればよかったなと思う反面、これをやらなくても最終的に英語長文は大体読めるようになったので、そこまで重要視しなくても良いと思います。

 編入試験の英作文で使える表現は限られるので、どの表現が使われそうかを自分で見極めて使いましょう。

 最初の方はコツコツ読んでいましたが、編入試験の英作文で使えそうな表現があまり載ってないと気付いてやめました。また、僕はこの本の学習スタイルには合わなかったのですが、ひとによっては覚えやすいのかもしれません。

実際の試験について

試験の内容については、あまり書きません。

前日

 東工大の試験直前の期間は本当に実感がわかず、前日は、夏休みに入ってあれよあれよという間に試験前日になってしまった💦という感じでした。

 ホテルは「ヴィアイン東京大手町」というところに宿泊しました。ホテルはきれいで、1Fにセブンがあるので便利でした。

 夕方、編入仲間と待ち合わせして実際の試験会場を下見に行きました。そこで67人受験者がいると座席表で知り、思ったより倍率高くなくて安心しました。

 前日は、過去問をやって、面接練習を少しだけして12時くらいに寝ました。

試験一日目

 試験開始の40分前ぐらいに会場につくと、ほとんどの受験者が揃ってました。あまり留学生はいなかったイメージです。

数学

 去年だけ傾向が変わったのかなと思っていたのですが、問題の作成者が変わったのか、去年と同様、例年よりかなり範囲が変わって問題も難しくなっていました。東工大数学は簡単といわれていますが、東工大編入の数学はもはや簡単ではないので、来年以降の受験者は注意してください。

 多分最後まで書いた(解けたとは言ってない)のは最初の大問だけで、それ以降はほとんど全部撃沈でした。

 お昼に食堂で編入仲間とご飯を食べた時に、みんなあれは点数低いと思うと、仲間が言っていたので、少しだけ安心しました。

物理

  • 力学

 ばねの問題で解き方を度忘れして運動方程式しかかけず、そこからその方程式を解くことが出来ませんでした。この大問はほとんど落としたと思います。

  • 電磁気学

 磁場と電場の問題でした。磁場の問題は電流がながれるわけではなく、電荷をもった導体が回転する時に発生する磁場という問題だったので、線電荷密度や角速度を用いて、電流の次元に合わせるところに計算過程で少し躓きました。最後は答えがあってそうだったので、ここはほとんどあっていたと思います。

  • 熱力学

 今年は波動ではなく、熱力学でカルノーサイクルと冷凍機が出ました。波動は、本当に苦手だったので、内心助かった~と安堵してました。内容自体は簡単でしたが、冷凍機の問題に差し掛かるところでタイムアップでした。

化学

 結構難しかったです。大問5で化合物Aがどうしてもわからず、雪崩式でその大問のほとんどの問題を落としました。また、pHを求めるという基礎問題も解き方を度忘れして、途中計算までしか書けませんでした。有機化学は結構自身があったため、あまり力を出せず結構悔しかったです。

試験の出来がひどくて、試験後は結構メンタルに来ていました。明日の面接場所を確認し、ホテルに戻りました。夜は英語長文を少し読んで、面接練習を2時間くらいして寝ました。

試験2日目

英語

 英語は、例年に比べて簡単だったと思います。並べ替えや和訳では多分致命的なミスはしていないと思います。また、選択肢問題も結構自信をもって回答できました。英作文もつたない文章ですが、なんとか埋めて見直しの時間も取ることが出来ました。全て英文を読めたとは言えませんが、普段と比べると手ごたえは十分にあったと思います。

面接

 材料系は志望者が2人だけで、待機中はずっと雑談してました。お互いに名前は知らなかったですが、色々語ることが出来て楽しい時間でした笑。なんとなく待機所に来た試験官の雰囲気が良かったので、二人でこれは和やかな面接だと確信してました。実際面接は、堅苦しいものではなく、リラックスした雰囲気で進行しました。

【質問】
- 本校を志望した理由は?
- 入学したら何を勉強したい?
- どこの研究室に興味がある?
- その研究室に入ってからはどのような勉強を頑張りたい?
- 試験の出来はどうだった?
- 自分の得意科目を教えて
- 一関高専のカリキュラムについての質問(多分きちんと授業内容を説明できるかの確認だった)
- 台風大丈夫だった?
- 最後に質問はある?

卒業研究の事を聞かれなくてびっくりしました。面接は15分くらいで終わったと思います。志望理由をド緊張しながら言ったら、笑いながらリラックスしてと言われました笑。

その後たまたまさっきの材料系のもう一人の受験者にあって、あの面接は点数付かないなと二人で話してました。試験官があまりメモを取っていなかったからです笑。

最後に

 編入は高専生にとって、大きな挑戦です。僕もこんなに勉強したことはないんじゃないかってくらい約半年間勉強してきました。決して、楽しかった・良かったの一言では収まりきらないくらい、つらくきつい期間だったけれど、自分を成長させてくれた面もあると思っています。ちなみにこの7か月弱の勉強時間は1700時間です(TOEICを除く)。決して他の受験者に比べて勉強したとは言えないし試験の出来も良くなかったけど、それでも当日の試験を経てこれが自分の限界かもなと心の中では認識していました。勉強の成果は全部出たとは言えませんが、自分の中では納得するだけの力が出せました。こういうのを含めて、編入勉強をしてよかったなと思っています。
 過去問欲しい人は、Xでssk_yt_studyにメッセージください(あまりXは見ないので、もしかしたら既読遅いかもしれませんm(_ _)m)。
 最後に、この編入体験記が、だれかの合格への一助になることを願っています。


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