アイドルヲタク競輪選手が書く競輪界の推し文化の話

久しぶりのnoteは推し文化について書こうと思います。
なんでかっていうと話題になってた【ユリイカ「女オタクの現在」特集】を読んだから。


正確にはボリュームがありすぎてまだ読み終わってないのだけど、思うことがあったので少し文章にまとめたいと思いました。

テーマが女オタクってことでこの本の中ではジェンダーの話も多いのだけど、私が気になったのは『推し』という文化について。
(ジェンダーについてはまたそのうち書きたいな、ガールズケイリンという“ガールズ”を前面に出した団体に所属するわけだし)

ということで、競輪界の中での推しについて今回は考えていきましょう。

推しという言葉を聞いて何を思い浮かべますか?
『推しは〇〇ちゃん!』
『〇〇ちゃん推し』
『1推しは〇〇、2推しは××』
『〇〇ちゃん神推し、××ちゃん激推し』
だいたいこんな感じで使う言葉だと思います。

10年程前のAKB48を代表にしたアイドルブームから『特に好きなもの、人』を指す言葉になったようです。
語源は人にお勧めする意味の推すから来てるようです。

わたしがアイドルを見はじめた2010年頃に比べて、推しという言葉がフランクに、より好きなものという意味が強くなっているように思います。
推しを推す行為がアイドルやオタクの普及と共により一般的になったように感じます。
(若者向けファッション紙で特集されたり、オタクのような何かに熱中することがファッションの一部になったような)

そんな推しという言葉について考えたことは
推しという存在の関わり方です。

わたしが今まで見てきたアイドルでいう『推し』に関してヲタクがすること、できることはこんな感じでしょうか。

①握手会、ライブ、イベントに行く
これは文字の通りです。
握手会と言わず接触という表現もあります。

②映像コンテンツを見る
オンラインならYouTube、オフラインならDVDなどの映像作品を見ることです。いわゆる在宅活動です。
最近はコロナ禍でオンラインライブ、オンラインサイン会なんかもありますね。

③SNSをチェックする、コメントする
インスタグラム、ツイッター、ブログ、最近はTikTokも含まれると思います。

④自分のSNSにおいて推しの布教活動をする
一つ上の項目③とも繋がりますが、SNSのチェックから自分のSNSの中で拡散をする。ということも含まれます。また、自分で撮影した写真、ツーショットなどをあげるのもこれに当てはまります。

⑤CD、グッズを買う
とりあえず推しが関係するものは欲しい!という人はこちらのタイプでしょう。
またグッズ、CDを買うことで、握手会などの特典会に参加できる場合も多くあります。

⑥ナントカ総選挙や順位付けの投票があればとにかく投票する
オタクは投票系に熱心。ナントカ総選挙はこの典型です。何かを買うことによって投票することができます。

⑦撮影可能現場でカメコをする
①の会場で写真を撮影します。人によっては撮れた写真をSNSにアップします。
当時福岡で地下アイドルをやっていた橋本環奈ちゃんが見つかったのもこういうヲタクが撮った写真がTwitterでバズったからでした。
ちなみに、私はカメラも持ってますが、撮影可能のアイドルに行ってないのでこの項目はよくわかりません。

⑧舞台、コンサートなどでお花を出す
ファン一同や個人名義で出す場合が多いです。費用はみんなで出し合ったり、一人で出したり。アイドルのお祝いといえばもちろんお花。

⑨生誕祭などのイベントを企画、運営する
これは究極の形となりますが、お誕生日のお祝い、アイドルとしての卒業などでファン主導のイベントを行う場合もあります。企画運営をアイドル運営と協議して行います。

ざっと思いつくなかではこれくらいです。
こんなこともあるのかという項目もあるかと思いますが、公営競技である競輪界での推しに関してアイドルヲタクの行動が競輪ヲタクのどの行動にあたるかを考察してみましょう。もしくは、項目として増えるものがあるのかを考えます。

①握手会、ライブ、イベントに行く
これは本場開催を見に行く、イベントを見に行くにそのまま当てはまります。直接声を届けます。また、出待ち入り待ちもここに当てはまるでしょう。

②映像コンテンツを見る
実況中継、インタビューなどを見ることでしょうか。実際にどこかに行かなくてもその場で推しを見ることができます。
またミッドナイトは競輪場に入ることができません、オンラインでの応援になります。

③SNSをチェックする、コメントする
何らかのSNSをやっている人も多くなってきました。ガールズの場合は7割近いのではないでしょうか。簡単に直接近況を知ることができたり、直接文字のやりとりが可能となりました。
でも、SNSをするしないは選手に任されているため、推し選手が必ずSNSをしている、更新するとは限りません。

④自分のSNSにおいて推しの布教活動をする
これはいかがでしょうか?状況を私が把握していないのですが、他の公営競技のファンや競輪を知らない人に何かが届けば良いナァと思います。それもファンの皆様のお力です。

⑤CD、グッズを買う
これがなかなか難しいポイントとなっているように思います。ヲタクと消費は切っても切れない縁。なかなか消費をする場がないように感じました。推し車券の購入という推しへの貢ぎ方はありますが、これからの課題としてグッズ等の充実は必要に思います。

⑥ナントカ総選挙があればとにかく投票する
これはオールスターの投票が当てはまるかと思いました。1人1票ですが、推しを支える大事な投票です。

⑦撮影可能現場でカメコをする
撮影可能な場では撮影が可能です。撮影した画像はTwitter、インスタなどのSNSで上げている方も多いですね。
最近は競輪場やスポーツ新聞、記者さんのアカウントで検車場での写真が掲載されている場合も多いですが、レース中の画像は少ないので自分で撮って推しの細かいレース中の表情を楽しむ方も多いのではないでしょうか。
レース映像ではわからない鮮明な写真は走っているこちら側も面白いです。

⑧舞台、コンサートなどでお花を出す
これはなんだろうと考えました。
そう、横断幕。陰ながら選手を後押しする横断幕でしょう。
ヲタクは推し選手に似合うデザインを考え横断幕業者に発注する。送る、着払いで受け取る。スタンド花の扱いに似てるように思います。

⑨生誕祭などのイベントを企画、運営する
これは当てはまるものがなさそうです。うーん。まあいいや。パス。

と、言ったような感じでしょうか。

アイドルと競輪選手。
全く違う土俵のものを同じ観点から比較してみました。

アイドルヲタクである私の観点から見て、競輪ヲタクは推し選手に対して楽しむコンテンツが少ないように思います。
イベントなどが確実にあるかもわからない、SNSをやっている人なのかもわからない、声援が届いてるかもわからない。
ヘルメットとサングラス姿しか見れない。など。
もちろん与えられた環境の許された中でしか楽しむことはできません。
前述した通りアイドルと競輪選手は全く違う土俵ですし、全てが同じである必要はありませんが、共通していたり、似ているところはあります。
もう少し推し活動のポイントが増やすことができればもっと楽しい競輪ヲタクライフができそうです。
また、他のモノの良いところをただ真似したらよい訳ではなく、今ある楽しみ、面白さからさらにその魅力を引き出せるような制度や活動の広がりに期待したいです。

そして、これを見ている人は推し文化に興味がある人、またはガールズケイリン、競輪に興味がある人だと思います。
このnoteを読んでいま一度、推しとあなたの関係について考えてみてはいかがでしょうか。

推しがいる生活を楽しみましょう。

ちなみに私は競輪選手になってちゃんと推しと言える存在はいません。好きな人はたくさんいるけどね。

では、また気が向いた時に何か書きます。