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運営費交付金の会計処理について④

こんにちは。SSKC会計グループの岩田です。

毎日暑いですね。
最近犬を飼い始めましたが、日中はお散歩なんて出来ませんね。ワンコの肉球は火傷しますし、飼い主は溶けるし...。秋が待ち遠しい!!

さて、今回も運営費交付金のお話です。しばらく続きますよー😅

前回のお話

運営費交付金は使用時に収益化します。使用パターンには複数あり、その中でも費用の支払に充てた時に収益化する方法について書きました。

収益化には下記3パターンあります。
・業務達成基準(原則)
・期間進行基準(管理部門のみ)
・費用進行基準(業務と交付金の対応関係が明確でない場合のみ)

前回の記事で触れたのは業務達成基準だけですね。

①収益化単位の業務の設定を行い、②予算の配分をし、③事業年度末時点で収益化判定をする、という流れが業務達成基準です。

原則、業務達成基準を採用しないといけないのですが、特定の条件下では期間進行基準や費用進行基準を採用しなければなりません。

今回は、これらの基準についてお話していきます。といっても、そんなに説明することはないんですけどね😅

期間進行基準

まずは期間進行基準について。

名前から想像がつくかもしれませんが、一定期間の経過を業務の進行とみなして収益化します。つまり、1事業年度が終了したら、管理部門に充てていた運営費交付金の予算全額を収益化する、ということですね。費用が予算を上回っていようと、下回っていようと関係なく予算全額を収益化します。簡単!!

ちなみに、これは管理部門のみ適用されるんです。

仮に主要業務に期間進行基準を適用すると、業務が完了していなくても事業年度が終了したから、という理由で収益化出来てしまうんですよね...。期待されている業務活動を行わずに勝手に収益化してしまうというのは、国や国民に説明が付きません😱

対して、管理部門は法人の業務全般のサポート的立場であり、主要業務の区切り関係なく継続的に続けていく部門のため、一定期間の経過を業務の進行とみなしてもおかしくありませんよね。

費用進行基準

次は費用進行基準について。

こちらも採用するには条件がありまして、『業務と運営費交付金との対応関係が示されない場合に限り、運営費交付金債務は、支出額を限度として収益化することを認める。』と独法会計基準の注解61に記載されています。

同会計基準に『例えば、期中に震災対応のための突発的な業務が複数発生したが、当面各業務の予算、期間等を見積もることができないなど』と具体例も記載されています。

中期計画で予定していた業務では費用進行基準は適用出来ないということでしょうね。突発的に発生した業務で交付金との対応関係を明確に出来ない場合は、業務達成基準ではなく費用進行基準を採用することになります。

ちなみに、採用する場合は注記で採用理由について記載する必要があるみたいですよ📝

費用進行基準の収益化は、支出額を限度として行います。期間進行基準では費用額関係なく予算全額を収益化していましたが、費用進行基準は費用額までなら収益化してもいいよ、ということですね。費用額と同額を収益化すれば損益をゼロにすることが出来ます。

そもそも、突発的業務なので予算はありませんし、費用額を基準に収益額を決めるというのも違和感ない方法かな、と思います。

以上、期間進行基準と費用進行基準のお話でした!業務達成基準の話よりも簡単でしたかね?

次回からは、償却資産の取得に使用した時の収益化方法について書いていきます。資産購入で使用した場合は、収益化方法が異なるんですよ~。


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