2019年 高円宮杯Kruse選手 対 Garozzo選手

長身の選手に小柄な選手がどう勝負していくべきか!!

今回は小柄な選手がどう長身の選手と対戦していくべきなのかをKruse選手とGarozzo選手の対戦動画を見ながら考えていこうと思います!

選手の特徴

Kruse選手
イギリスの長身の選手です!
あまり深いアタックは打ちませんが、リーチが長い為、対戦相手からすると遠い間合いから打ってきているのに思っている以上に懐に食い込んでくるアタックになっています!
アタックをうち切る時は交差際に相手の脇腹付近を上から突き下ろす形で突いて逃げるプレー等を得意としています!
深く踏み込まないアタックを打つので、アタックを打ってからのリカバリーが速く、戻り際に突いて逃げたり、無理に追いかけてきた相手を距離を詰めるカウンターを決めたりと守りの硬いプレーをしてきます!

Garozzo選手
オフェンス時の構えが大変独特な選手です!
相手に対して体を正面に構えると、守る部分が広がってしまうので、極力相手に対して斜めに構えますが、Garozzo選手は相手に対して正面に構え手を引いて構えます!
この構えをする事で、体が突っ込まないようにしながら腕を引いて相手に近づけます!
得意プレイは相手に限界まで近づいての押し込む系のストレートアタック、相手のカウンターを誘っての合わせる系のアタックです!

試合の動画

試合の解説

Garozzo選手の2点目
タイミング良く相手の剣を払った得点
動画 0:10~

Kruse選手が攻撃を仕掛ける際剣を振りながら近づいて来ます!
Garozzo選手はKruse選手の剣を振るタイミングに合わせてKruse選手の剣を払い攻撃権を奪い得点をしています!
リーチ差がある選手に得点を決めるにはなんとしても自分の射程圏内に攻撃権を持って入る必要があります!
接近してくる相手の剣払うアクションは相手との距離を攻撃権を奪いながら詰める良いプレーだと僕は思います!

Kruse選手の1点目
わざと隙を作り相手を誘ってからの
パラード・リポスト
動画 2:20~

Kruse選手は接近してくるGarozzo選手に対して最初剣先を向けて牽制をかけています。
Garozzo選手は牽制をされていてもジリジリと近づいて来るので、Kruse選手は一度剣先を下げてGarozzo選手のアタックを誘います。
Garozzo選手はまだ距離が遠いので攻撃を仕掛けて来ませんでした。
Kruse選手は次に突きに行くフェイントをかけます!
この突きに行くフェイントで距離が近づいたので、Garozzo選手は攻撃を仕掛けますが、Kruse選手はGarozzo選手の攻撃を止める準備をしていたので、Garozzo選手の剣を下から巻き上げる形で払い得点を決めています!
Kruse選手の見事なプレイでした!
僕も身長が低いプレイヤーなのでリーチ差がある選手との対戦時は突いて逃げるプレイを非常に警戒していました!

Garozzo選手の5点目
カウンターを誘ってから鋭いアタック
動画 4:30~

Garozzo選手のジリジリとした詰めより方にKruse選手は得点が欲しいがあまり手を伸ばして突いて逃げようとしますが、Garozzo選手はKruse選手の突いて逃げるプレーを選択しますが、Garozzo選手はKruse選手がカウンターを打った所を鋭いアタックを合わせて得点しています!
このプレーの良いとこは2点あります!
1点目、ジリジリ前に出ることで自分の射程圏内ぎりぎりに入るっている事
2点目いつでもアタックを合わせられるように準備をしているこで突然のカウンターに鋭いアタックを合わせているところです!
多くの選手はリーチ差を埋めるのにスピードで勝負しがちですが、スピードだけだとどうしてもリズムやプレイが単調になりがちです!
Garozzo選手はスピードではなく絶妙な距離感を保ちながら距離を詰めるのが上手いなと思います!

Kruse選手の3点目
肩への振り込み
動画 5:53~

Kruse選手はアタックで得点を仕掛ける時は交差際に相手の脇腹に突き下ろす形が多かったです!
このプレーはことごとくGarozzo選手に止められてきました!
Kruse選手の3点目は同じモーションの入りから肩への振り込みになっています!
今回初めて見せるプレーなのでGarozzo選手に見事に攻撃を決めています!
アタックのコースを増やす良い得点だったと思います!

Garozzo選手の7点目
エンドラインに追い込んだアタック
動画 9:25~

フェンシングにはエンドラインと呼ばれるこれ以上下がると相手に得点を与えてしまう下がれる範囲があります!
Garozzo選手はジリジリとした前進でKruse選手をこのライン際まで追い込みました!
Kruse選手は勝負をしないといけない状況に追い込まれカウンターを選択しますが、カウンターは外れGarozzo選手にアタックを決められています!
相手の射程圏外ぎりぎりを保って詰めよっているからこそできたアタックだと思います!
とても素晴らしいプレーでした!

Kruse選手の9点目
我慢のなかで狙ったカウンター
動画 15:57~

Kruse選手の9点目はシチュエーションはGarozzo選手にとられた7点目と同じ形になっています!
Garozzo選手にとられた得点ではKruse選手はカウンターを打たされる形になっていますが、今回は最後まで我慢をし、Garozzo選手が更に近づこうとしもう1ステップ踏み込んできた所にカウンターを合わせています!
しっかりと下がりながらもカウンターを出せるように体勢を整えて下がり、カウンターを出せるタイミングをぎりぎりまで我慢したから奪えた得点だと思います!

感想

今回はリーチ差がある選手にどう挑むかを重視してみました!
Garozzo選手はスピードではなく適切な距離を保ちながら相手をジリジリ追い詰めてアタックで得点しているシーンが多くみられます!
リーチ差がある相手に挑む時、僕はスピードで勝負することが多かった選手ですが、加速するタイミングはカウンターを狙われ安いタイミングで良くカウンター攻撃をもらっていました!
僕はGarozzo選手の動画を観る事でリーチ差を埋める方法を学べたので、
この動画はリーチ差をスピード以外の方法で崩す良い参考資料になると思います!

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