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ククルカンの【神域】裁定変更について

 ご高覧いただきありがとうございます。へびつかい座に産まれたかったサクラです。
 今回は緊急の記事ということで、言いたいことダァーッ!とぶちまけるものです。人によっては不快感を覚える可能性がありますので、ブラウザバックを推奨いたします。
「ククルカン弱体化かぁ…」「裁定逃げしたんじゃないの?」といった、ククルカンを使っている/いた方たちに向けて、何らかの救いになればと思っております。それでもよければぜひ読んでいっていただけると幸いです。
 それでは行ってみましょう!

1.はじめに

 まず最初に、ククルカンの神域で起きた珍事(?)を筆者がわかる限りでザッと羅列していきます。
・リュキオースの【龍射撃】によって破壊されない。
・各種耐性を持つ『妖蛇』スピリット達が「効果によって防げない」効果を「防げない効果」で打ち消し、結果として耐性を発揮している。(マイナスとマイナスを打ち消したイメージ)
・各種ハンデス効果で手札保護効果を無視して破棄する。
・白晶防壁などライフダメージの制限下でライフバーンが通る。
・トラッシュや手札をロックされていても、『妖蛇』を持つスピリットの踏み倒しは止められない。
・召喚時効果をロックされていても、アルデウス・ヴァイパーの【アクセル】による召喚時効果の発揮は可能。

 などなど、枚挙に暇がありません。
 このような事態になったのは恐らく公式サイドも想定外だったのでしょう。
 しかし、そもそもの事の発端は、公式サイドの『創界神ククルカン』Q&A2による長い説明文です。こうなることを想定していなかった、という言い訳は少し苦しいと感じます。

2.なぜ話題になったのか

 話題になった理由は主に2つです。1つ目は「なぜかククルカンという環境に抗う側がエラッタされた」、2つ目は「なぜ弱体化されなければならないのか」
 そもそもの話、ククルカンデッキ自体を見かけることはあまりありません。しかし、複雑で難解なテキストは多くのTCGプレイヤーたちの知的好奇心を擽るものだったようです。彼らは時折「これどうなんだろ」という興味本意でナビ電に問い合わせをして、結果を見て楽しむという『大喜利』に近い楽しみ方をしていました。それ自体は自分も「こりゃ面白い」と思って見ていた側です。
 ここからは憶測になりますが、あまりにも様々な事例をプレイヤー側が探し出すので、公式サイドが降参したと筆者は考えています。似たような事例として『冥犬ケルルベロス』が禁止カードに指定されたケースがあります。
「効果の裁定がややこしすぎる、かと言って新しいカードの効果を早々に引き下げるわけにもいかない」
 エラッタされたのはこうした経緯があったのでは無いでしょうか。公式サイドとしては、これで一応の決着を見たので、今後増刷する『妖蛇』カード、引いてはバトスピのカードについて、ククルカンのせいで悩む必要は無くなったと言えます。
 しかし、割を食うのは我々プレイヤーです。ククルカンというカードはそのビジュアルも相まって、コアなファンが多いデッキタイプであると言えます。昔から『妖蛇』を握っていた人にとっても、新たな刺激になったことでしょう。
 結果を出していたか否かは別として、多くのプレイヤーが試行錯誤を重ねて、己の『ククルカン』を創り上げてきたはずです。それらの時間が、言葉を選ばなければ『無駄になった』ことになります。
 当然、プレイヤーは公式サイドから提供された物、環境で遊ぶため、そのことについては議論すべくもありません。(最近だと蒼波や赤属性が手痛い制限改訂を受けていました)

3.なぜ弱体化と言われるのか

 効果の範囲が狭まった時点で、カードゲームの常識に当てはめれば「弱体化」と言って差し支えありません。これは揺るがない事実です。では、どう弱体化したのかを簡潔にまとめます。

・『ビヨンドエボリューション』で収録されたツィツィミトゥルのハンデス効果が手札保護効果を持つカードに対して無力になった。(他の『妖蛇』ハンデスも同様)
・ククルカン自身の「破壊されない」効果も単なる耐性に留まるので、「効果で防げない」破壊に対して無力になった。
・ドローや踏み倒しなど、様々なメタ、ロック効果を無視できなくなった。
・ライフバーンも同様になった。

 恐らくこの辺りでしょうか。要約すると「他のデッキと同じようになった」と言えます。弱みはそのままに、独特の強みを引っこ抜かれました。
 元からパワーが低かったのをテクニックで補っていたのに、テクニックを奪われたとなれば当然の結果です。間違いなく、『ククルカンを軸とした妖蛇』は弱体化されました。
 しかし、今回のこの修正によって与えられたのは、弱体化のみではありません。ここからは独断、偏見全開で説明していきます。

4.得たモノ

 弱体化された!で片付けるのは待ちましょう。それだとせっかくの楽しみが失われてしまいますから。
 今回の修正を受け、筆者が即座に考えついた「得たモノ」を並べます。

・メリットよりデメリットが目立つ【神域】にこだわる必要がない=ネクサスを自由に採用できる。
・破壊されやすくなったことは、紫にとっては影響が少ない。
・『シェンマドー』との親和性を得た。

 上から順番に説明していきます。まず、「ネクサスが採用できる」、これは非常に大きいです。紫は『紫の世界』をはじめとしたドローソースネクサスが数多く存在します。今までククルカンの【神域】を軸にしたデッキでは、これらのネクサスは採用できませんでした。代わりに、他の創界神デッキに比べてサーチするカードが多かったわけです。
 しかし、スピリットのサーチは召喚時効果であることが多く、様々な誘発を踏み抜きます。また、維持コアが必要であったり、次ターンで除去されたりと、シンボルの確保に難儀しました。それがネクサスになれば、スピリットに比べれば触られづらく、シンボルの維持コストもかからない。以前から紫が得意としていた足場の固め方が、ククルカンでも使えるようになりました。
 単純にドローソースの候補が増えたことで、「多くのドローソースを使ってツィツィ、またはアクシットを探しに行く」ことが可能になりました。他のTCGで見かけるようなやつです。また、『オシリス』のように、他の創界神と共に採用することも視野に入ります。
 次は、破壊されることがデメリットになり得ない、という話です。ククルカンが破壊されようと、トラッシュの『妖蛇"カード"』を回収するカードはそれなりに存在します。また、専用サポートカードの『エエカトル』でそのまま踏み倒すことすら可能です。配置する度にデッキを掘ることも出来るため、フィニッシャーを探しやすくなります。
 最後に、『妖蛇の神皇シェンマドー』との親和性です。過去に環境を支配し、今なお展開力と速度には目を見張るものがあります。(他属性でありながらほぼ上位互換のフェニルがいたりしますが)
 ククルカンのフィニッシャーは、ソウルコアをカウントエリアに置く都合上、【煌臨】との併用がほぼ不可能という弱点がありました。その理由については、以下の記事をご覧下さい。

 しかし、わざわざククルカンの【神域】に拘らないなら、ククルカンのフィニッシャーを採用しないという選択肢もあります。『シェンマドー』を軸とした『妖蛇』デッキのネクサスとして採用すればいいのです。『冥界蛇神アウザール』の【界放】を満たしやすくなったり、攻撃力や場の維持力が上がったりします。元からあった創界神ネクサスデッキに、別の創界神ネクサスが採用できる利点は、『遊精』や『甲竜』が証明しています。(あれらは神様が直に殴ってくるのもありましたが…)
 ククルカンに目をつけたプレイヤーが四苦八苦して生み出した様々な発想を失った代わりに、「いちばん強かったタイプ」を単純に強化できると考えれば、組む楽しみは薄れても、戦う楽しみは得られるかもしれません。

5.最後に

 と、つらつらと書きなぐってきましたが、やはり残念な気持ちは拭えません。唯一無二のテキストを奪われ、単なる耐性貫通、それも【装甲】の類は抜けないものになってしまいました。「何かを支払う代わりに、何かを得る」感じが大好きでした。開発陣はハンターか呪術師になってみればいいと思います。
 それでも、「テキストが複雑なので禁止しました」とならなかっただけ幸いだったと思いましょう。また、これを機会に、抑えられ気味だった『妖蛇』のカードパワーが再び上がるかもしれません。ブレイヴを軸とした『〇相棒』の紫枠とやたら噛み合わせが良くなるかもしれません。ネクサスが採用できる、というだけでまた新たな発見があるかもしれません。
 先程、「時間が無駄になった」と言いましたが、それは「現時点」での話です。また、完全に無駄になった訳ではありません。そこにかけた時間は着実にプレイヤーの実力になっているはず。他のカードへの理解も深まっていませんか。ゼロからの再スタートに比べれば安いものです。その涙は、新しい『ククルカン』と共に得た勝利の時に取っておきましょう。
 それでは皆様、良きククルカンライフを!

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