住居




あの一日中陽が当たる、頑丈だけど少しだけ古いあの部屋が、とても満ちて幸せだったのだと、あと何度住む部屋を替えても、窓から眺めた国道のまるい夜灯を、眠れないまま挨拶した眩しさを、あれこそが幸せで、壊したくなったんだ。


夜と朝の境目まできてしまったら寝るタイミングがわからなくなって、暁の空を見てみたら春の青ってこんな色なのかって、あと窓に区切られた空が特別なことを思い出した。


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