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ドが付く素人が無謀にもダンスWS受けたら少しだけ自分を許せた話

突然ですが、渋谷って怖いですか?
ヒップホップって怖いですか?
ダンサーって怖いですか?

私は怖いです。

これはド素人が何故かダンスのWSに参加してしまった体験の感想を殴り書きした、備忘録みたいなものです。

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まず初めに、私は新しい場所新しいこと新しい環境というものがとても苦手。いわゆるコミュ障。陰陽で二分化すれば間違いなく陰側の人間。
どれくらいかというと若い世代の集団とすれ違うときはいまだに目を逸らしてしまうくらい。気持ち悪いのは分かってる。でも本能的に避けちゃうからしょうがない。

話は変わってヒップホップと聞いてどういうことを想像しますか?

個人的には、かっこよくて強くてワーワー盛り上がってる。明るくて陽気。そしてどことなく敷居が高い文化。こんなところだと思う。

コミュ障とヒップホップ、誰がどう考えても合わない組み合わせ。
だけどそれがなぜか実現してしまった。

GANMI WEEKの初心者WSに参加してしまったから。

きっかけ

7月、昨年から密かに好きで応援していたGANMIのオンラインライブ(G3LX)が終了。3日間見届けた私はやっぱりダンスっていいなという思いが高まっていた。

そして8月になり、GANMI WEEKが発表される。
5日間、メンバーが日替わりでWSし夜はショーケースをYouTubeで生配信する。
そして、最後の2日間はF.A.D(kooouyaくんとYU-KIくんによる個展のようなイベント)が開かれるというとてつもなく贅沢な企画。

このご時世でオフラインでメンバーと会える機会はほとんどない。それこそメンバーが教える生徒さんじゃない限り。だからWSはとても魅力的。
ただ当たり前に難しいから素人は入れる訳もなく。5日間の生配信を楽しみにしていた。

このツイートを見るまでは。


どこまでが"初心者"なのか

28日、WS最終日チームご当地(AOI Mr.D Ryoga Dyson Yuukiの5名)が"初心者"向けのWSを開催すると発表があった。

このとき思ったことはひとつ。

本当に初心者向けなのか??? ということ。

あんな敷居が天井みたく馬鹿高いEnのスタジオで?
GANMIのメンバーが教えるWSが?
初心者向けだと?

その人たちが言う"初心者"がどこを指しているのか分からないため、参加したいけど参加できるわけないと考えが右往左往する。
しかもそのツイートに思いっきりダンス習っている方たちが「参加します!」とリプしているもんだから余計に初心者なんて嘘なのではと思ってしまう。

そしてもうひとつ躊躇する理由。

自分が本格的なダンススタジオで踊っていいのかと思ったから。


ダンスと容姿と自意識

そもそも私はダンスを全くしたことないか、と聞かれると嘘になる。
10代から去年までジャズダンスコンテンポラリーはしていた。スタジオではなくボロい公民館で。(先生はとてもすごい人です。)何度か舞台にも立ったこともある。下手くそだったけど。

踊ること自体は好きだった。運動が苦手な私にとって唯一楽しく身体を動かせるのはダンスだった。

でも学生時代も社会人になっても私が踊ってること知られると必ず言われたこと。

「へぇ〜意外!」

どういった意図でこの言葉を投げたか正直分からない。とりあえずヘラヘラしながらですよね〜って返すしかない。
ただ紛れもなく私が踊るようには見えないということがよく分かった。

やはりダンスはか見た目がいい人がやるものだ、というのが多くの人のイメージなのだろう。
確かにダンサーさんってかっこいい人もかわいい人も多い。

その言葉を言った人がどのようなダンスを想像したのか知らないが。

振り返ればいつも習っているところでも、容姿が良い人たちは確かにウケが良い。先輩からも可愛がってもらえる。チームに馴染むのも早い。(もちろん一番は技術面が大事なのだが)
一方私は同じチームにそれとなくいさせてもらってるだけで、チームのメンバーになれた気は何年経っても起きなかった。お荷物がすみませんという気持ちだった。

そうして私は踊ってはいけない人間なんだと気付いてしまった。気付かないフリにも限界があった。
気付いてしまったらとても恥ずかしくていられなくなってしまいダンスを一旦辞めた。これが去年。GANMIを好きになったのと同じくらいのとき。

だから綺麗なスタジオで習ったことのないジャンルのWSを若くもない私が受けるということを自意識が許さなかった。
何?あのBBAって思われそうで怖かった。


それでも受けた理由

(ここまで隙自語なげぇ〜〜〜気持ち悪いネ!)

とりあえずダンスにもヒップホップにも渋谷にと人前にも恐れてる私がそれでも参加したのは、

生でメンバーの踊ってるところを見たい

という不純な理由。

でもこれはコロナ禍で無ければ起こらなかった感情だと思っている。
ライブやイベントが頻繁に行われていたら今度のライブに行こうとなるだけだった。
ただこのご時世、オフライン開催は悪という風潮が漂ってるなかで次に会える保証は無い。
来年も駄目!全部オンラインで!とか言ってるクソみたいな人もいるなかで、いつ応援している好きな人たちに会えるか分からない。

推しにもう会えないかもしれない。

これがどの恐怖よりも勝った。
その頃には『新しいこと 若くない 怖い』とか
『新しいこと 若くない 恥ずかしい』という検索履歴でいっぱいになった。

そしてそこで引っかかった

「年齢を気にしたら人生は詰む(特に20代)」

という言葉と、
友人からもらった

「楽しみがまた増えるね」

という言葉に背中をばちぼこに押されて応募した。

(最悪どうしても行けないと思ったら架空の親戚を死んだことにしようとしていた。殺そうとしてごめん。)

とても邪な理由で申し訳ない。


WS当日

前の週から何を食べてもお腹を壊すくらい緊張しながらミヤシタパークへ。(怖い)
暑さか冷や汗かとにかく汗だくになりながらスタジオに到着。受付のお姉さんは優しかった。
待機してる若い女の子たちが眩しくて死にそうになる。(怖い)

室内に入り、うわ〜動画で見たことあるスタジオだ〜と馬鹿みたいなことを考えてたら、普通にGANMIメンバーがソファーにいて内心ビビり散らかす。(怖い)
多分ここが緊張のピーク。

そうこうしてるうちに柄シャツ着た陽キャご当地メンバーが来る。
陽キャだなって思う。

するとすぐにアップ開始。とにかく跳ぶ、跳ばせる。
こうなると緊張どころの騒ぎじゃない。

アホみたく苦しい。

あとあまり知らないのですが、こういうジャンルのダンスってストレッチしないのでしょうか…?
いきなり過ぎて驚きしかない。

死ぬほど跳んだ後はすぐステップの練習。
ついていくことで精一杯。あと全体的にテンション高い。(少し怖い)
普通に苦しくて緊張消えた。

そして今回使う曲が


ばっっっちり世代〜〜〜(年代バレる)(2004年発売ですって)(嘘だ)

だからこんなにチャラめの格好なんだと納得する。

ひとりひとりパートごとに振付を教えてもらう。
5人だから意外と長い。大丈夫かなと不安になる。

まずはMr.Dさんのパートから。

初めてしっかり「トロピカルバンジージャンプ」と言ったかもしれない。
バンジージャンプの飛び方はSUN-CHANGさん直伝だそうで。
そしてよく跳ぶよね、うん。

次にAOIさん。

また跳ばすんだ、これが。
そして「ハイテンションプリーズ!」のハイテンションっぷり。さすが全力あおちゃん。
どんどん声が枯れてガラガラになるくらい。
「夏の大サマーセール」面白すぎる。

次はRyogaくん。

ステップ祭りじゃ〜〜〜! とにかく早い。
多分この辺からついていけてない。
歌詞があやふやな感じがかわいい。
「セレナーデ」がハマるとめっちゃ気持ちいい。セレナデ〜

サビに入りDysonさん。

肩の動きがだいそんみあっていいよね。
自分が肩動かしてもああならない。
何回やっても「青空 海」のところができない。
早いのよ、この曲。でも楽しい苦しい大好き。

そしてラストYuukiくん。

いや〜ナイスバディ難しい〜
ゆうきくんほどセクシーにできない。
ロコローションを一生ロコモーションになっちゃうのがかわいい。にこにこしちゃう。

と色んなことを思いながら必死についていく。
ワイワイと楽しみながら時間が経過していく。
ちなみに私は一言も発していない。


ダンサーと先生

「分からないことがあったら不安そうな顔してくださいね〜」と振付前にDさんが話していた。
最初は不安そうな顔?目元で分かるもんかなと思ってたけど、その意味がWS中でよく分かった。

みんなめちゃくちゃ人のことを見ている。

分からないと言えばもちろんその人たちのところへ行き丁寧に教えてくれるし、
振りが合ってるか確認してるときには「今のできてるよ!」と声をかけてくれる。
振り入れ最中も「大丈夫?」と見渡してくれて、アイコンタクトを取ってくれる。
間違っていたらすぐ訂正してくれる。

そういえばこの人たちダンサーでもあるけどみんなレッスンを持っている(持っていた)先生たちだった。

プロってすごいなと、勝手に仕事振りを見れた気がしている。
素人が一番陥りやすい、分からないところが分からないという部分が無いようにしてくれているのかもと感じた。
分からなくても聞きにいけないタイプの人もいるしね。私みたいな。

確かに踊りは長いししんどいけどこれは"初心者"向けだ。
サポートが手厚すぎる。

出来不出来を問わず楽しむ

振りが入ったら何回か音で通してみる。
早い難しい。ただとにかく声をみんな出してくれている。盛り上がってるというかうるさいといか、すごい音量。強制的にこっちも盛り上がっちゃう。なんか跳ねちゃう。

<踊りに対して歓声をあげる>ということを今までやってきたことがなく、レッスンの動画やダンスライブで見るわー!とかえーい!とかあー!とか声を出してもらいながら踊る文化?を初めて生で体験した。

すごく楽しい…!

仮に間違ってても大丈夫だな、と思えるくらい楽しいと思える。なにこれすごい。
ダンサーはいつもこんな声を浴びながら踊っているのか、さぞ気持ちがいいんだろうな。

技術ももちろん大事な要素だけど、そのときは純粋に踊ることって楽しいと思えた。

それと同時にいかに今まで余計なこと考えながら踊ってきたんだろうとも思った。
手を合わせる振りでもこの人私のこと嫌いだから触ってくれないな、とか。変な風に見られたらどうしよう、とか。
離れてみると本当にしょうもないと思う。

たまに半分に分かれたりしながらとにかく通して踊ってみる。毎度毎度テンションめっちゃ高い。見てる方も楽しい。

(途中ソファーに座ってたO.S.Mさんを見ると大熱唱しててとってもかわいかった。)

そしてメンバーめっちゃ色んな人のところに移動してる。移動距離半端なくでかい。
全員で盛り上げようとしてくれている。
陰キャも思わずハイになっちゃうくらいのノリ、本当にすごい空間だった。

最後に全員で踊ってるところをビデオに撮って終了。
(この映像はいつか上がるのでしょうか…)

1時間半の異空間はあっという間だった。

 

WSが終わって

始まってしまえばあっという間で帰る用意をする。
差し入れやお手紙とか渡してる人たちもいて、そういうの何一つ持ってきてないしそこまで考える余裕がなかったと気づく。

いくらコミュ障でも無言去るのは流石に失礼なので、一応皆さんにありがとうございました。とお礼を伝えると、にこにこしながら「ありがとう!」「またきてね!」と話してくれた。

うーーん、佛様なのかな???

汗だくで化粧なんて崩れまくりの化け物状態なのになんてお優しい方々なんでしょう…
ずっとすごいな〜と終始感じまくったWSだった。

こうしてとてつもなく久しぶりに、しかも初めてのジャンルで踊ることができた。
まず逃げずに参加できたことが意外だった。
自分のためだけに頑張れることできるんだって思えた。

そして何よりあんなに怯えて偏見持ちまくりながら参加したけど、結果すごく楽しんでたことに驚く。
何ならまた参加したいとも思ってしまってる。最初で最後のつもりだったのに。

踊っている自分をずっと許せなかったけど、また踊ってみてもいいかもと思うくらい変わった。
たったの1時間半で。気持ちの振り幅がえげつない。

そんな風に思わせてくれたチームご当地の皆さんには感謝しかない。
そしてこんな素敵な企画を次々出してくれるGANMIがすごすぎる。多分同じ人間じゃないこの人たち。

大切な思い出が図らずもできてしまった。
ありがとう、GANMI WEEK。

ただライブを立ち見するのも辛いくらいの腰痛と筋肉痛に襲われ、やっぱり若くないということと、運動前のストレッチの重要さも再確認できた。

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めっちゃおまけです。

前日のWSとライブの余韻に浸った結果、友人を誘い出し翌日F.A.Dにも急遽遊びに行った。
知ってるとスタジオも前より怖く感じない。

ドリンクを受け取りに行ったらカウンターにいたMr.DさんとDysonさんがあっ!みたいな顔をして、どうやら覚えてくれてたらしい。
昨日の今日で。びっくり。

更に2回目は入り口でYuukiくんから「本当に初めてでしたか?」と話しかけられ頭が???状態。どうやらYuukiくんも覚えてくれていたみたい。ご当地って記憶力化け物なんか?

そこで冒頭で書いたように完全な未経験ではない事を話す。そしたら「ちゃんと踊れてましたよ〜」ってにこにこ話してくれて、更に頭が混乱した。

ナニイッテルノコノヒトハ?

その場ではヘラヘラしながらなんとかお礼伝えて別れたけど、後になってからとんでもないことだと気づき消化するまでめちゃくちゃ時間かかった。隣で友人は爆笑してた。(少し酔ってた)

確かに近くで見てくれていたけど、昨日の今日でそんなに覚えててくれてるんですか?
あんなに人数いたのに?
しかも動きまで?
記憶力どうなってんのマジで?

この人たちやっぱりとんでもない先生でありダンサーなんだと恐ろしくなった。ヒエエエエエ…

色んな意味でGANMIは恐ろしいチームです…
敵わないや。

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