見出し画像

サブスクってなんだろう

先日、焼肉チェーン店の牛角が「月額制で食べ放題」といういわゆる"サブスクリプション"を開始して大きな話題になったが、このあとさらに大きな話題となる出来事が待っていた。なんと「多くのお客様から反響を頂き予約で連日お席が埋まりご来店いただけない状態」により一時販売停止という状況に追い込まれた。

そもそもサブスクリプションとは
製品やサービスなどの一定期間の利用に対して、代金を支払うサービス
を指している。
が、昨今のサブスクは主に月額制にすることで一定期間=半永久的なものにしている。当たり前ではあるが、ファミレスのドリンクバーなどはサブスクとは言えないという話である。

現在成功しているサブスクといえば
①音楽配信サービス(Apple Music,Spotifyなど)
②動画配信サービス(Netflix,Amozon Primeなど)
③雑誌購読サービス(dマガジン,楽天マガジンなど)
が主流である。

サブスク自体は成功し得る時代なのになぜ牛角は失敗したのか?サブスクの限界と成功要素を自分なりに考えてみた(ここまで書いて気づいた。めっちゃ堅苦しい。)

まず、サブスクとして提供する上で適しているサービスは

①半永久的なデータであること

これがめちゃくちゃ重要なんじゃないかと。
牛角のように食べ物は消費する際に必ず「量」が伴う。「量」が伴うということはそれを消費するのに限界があるということでもあり、一定量に値段があることから月額利用料と比較して「コスパ」を容易に考えやすいということである。
これは食べ物に限ったことではなく、消費していくうちに摩耗してしまう製品にも同じことが言える。例えば洋服をサブスクの対象にすると、顧客の手に洋服が渡り仮に洋服が摩耗もしくは事故、故意により着れる状態じゃなくなったとしても、顧客に月額利用料を払わせている以上会社はサービスを提供し続けなければならない。あきらかに会社としては普通に売ったりサブスクではなく短期間のリースをした方がいい。1度手放してしまえばかからなかった倉庫代なども、サブスクにすることにより莫大な金額になりうる。

また、CDなんかもそうである。CD自体はデータを保存するための手段であり、摩耗してしまえば使い物にならない。CD借り放題を無制限に行えば、1ヶ月で全てのCDを借りてデータをパソコンに落とし込んで解約、なんてこともできる。(あくまで机上の空論ではあるが。)


一方、音楽や動画などは半永久的なデータである。iTunesであれば大抵1曲¥255で販売されているが、人によってその¥255の価値が大きく変わる。その曲を何回聴くかというのが消費者にも推定しづらく、「コスパ」が計りきれない。また、データは基本的に摩耗することなどなく、製品とは違い管理費も倉庫代とは桁違いである。(これは、多分。)むしろ、1度手放したら今までどうしようもなかったものが、こちら側で管理できるメリットはデカい。(急な配信停止や再生回数の把握など。CDの売り上げは、そのCDをどのくらい聴き込んでいるかの指標にはなっていない。)
Apple Musicは¥980/月であり、仮に20歳の人が50年間入り続けたとすると総額¥588,000という莫大な金額。これを¥255で割るとこの50年間で2306曲買えばトントン。70歳までに2306曲。

分からん。コスパってなんや。

とりあえず狭義的な消費物より半永久的なデータの方があきらかにサブスクに向いている。

②空間に縛られない

牛角がサブスクに失敗した理由は明確にこれである。
ある空間でしか行えないサービス=制限があるということになり、その時点で全消費者にサービスを提供できなくなる可能性がすでに存在している。これはあきらかなミスである。
同じようなことが映画館のサブスクリプションにも言える。映画館にはそもそも「〇〇時〜」という狭義の時間的な制限があり、席数という空間的な制限があり、さらには上映期間という広義の時間的制限まである。アメリカでは映画館のサブスクリプションを開始したが「1ヶ月3本まで」など様々な制限を追加して結局頓挫してしまった。日本でも映画館のサブスクリプションが始まったがどうなることか…。
一方でやはり音楽配信や映画配信、雑誌配信などは「寿命」という本当の意味での時間的制限を除けば空間にも時間にも縛られない。「〜し放題」というのが消費者側に委ねられている。


いまのところこの2つがサブスクの成功要素だと思った。
他にこの要素満たせるものあるかなってふと考えたが…全然ない。

銭湯入り放題。
ビール飲み放題。
風俗行き放題。
二郎食べ放題。
授業受け放題。
野球観放題。
宝石付け放題。
LIVE行き放題。
背負い投げし放題。
ホテル泊まり放題。
アイドルと接触し放題。
美術館行き放題。


もうなんもない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?