なぜ、日本は新薬の保険適用が遅いのか?

 コロナ禍からの脱出にはワクチンの開発が急務である。なのに、報道されるのは海外のワクチンばかり。国産はなぜできないのか?と疑問に感じる。早々に、政府は欧米からの確保を図ったことから、早期に日本の開発は遅れることが明白だったことが分かる。英国のアストラゼネカ社、米国のファイザー社などのワクチン開発は先行している。国産では、アンジェス社が大阪大学医学部付属病院で臨床試験に入り、来年春の実用化を目指すとしているが、欧米からは出遅れている。

 この要因は、日本の臨床医学研究が全般的に遅れていることにあるらしい。臨床研究は欧米がリードしてきましたし、今や、論文発表数でも中国にも抜かれ、韓国に追いつかれようとしているとのこと。

 臨床研究は、実際の医療現場で人を対象する研究で、病気の予防や診断、治療方法の改善や病気の原因の解明、患者の生活の質の向上を目的として行われる。患者のデータを使って統計学的に解析を行い、診療現場でどの治療が良いか検討する。患者側からすると、有益な予防や治療の情報が得られることになる。

 ところが、日本の医学は、基礎研究が中心bという。基礎研究とは、遺伝子や免疫など体の構造や機能・メカニズムを明らかにしようとする。実験室で実験を行って、新たな発見をしていく。

 どうも、新薬の開発は、大学医学部の研究対象ではなく、民間の製薬会社に委ねられている実態にあるようだ。がんの新薬も欧米の臨床研究を踏まえて認可の方向に行くようだ。これが根源的な理由であれば、この流れを変えない限り、難治性の病気の新薬が早期に日本で認可する道は広まらないことになる。

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