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ディンプル(Dimple)

1.はじめに

料の延性破面は、目視では凹凸の激しい、鈍い輝きをもった繊維状の破面として観察されます。この延性破面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察すると、多数の小さいくぼみが観察されます。このようなくぼみをディンプル(dimple)といいます。

ディンプルは、金属の組成変形に伴い、材料中に存在する非金属介在物や析出物の微粒子の周囲に微小空洞(micro-void)が形成して、これらが結合(micro-void coalescece)してディンプルとなり、破壊にいたる際に発生します。

2.ディンプル形成の要因

ディンプル形成の要因としては、大きく分けて次の2つが挙げられています。

・金属材料中の非金属介在物や析出物の存在
・塑性変形の過程における粒界破壊

これらについて、もう少し詳しく考えましょう。

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