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自問自答しにスタバに行った靴編

とりあえず、騙されたと思ってスタバに行ってきた。

休日、朝起きたらスマートフォンまたは、パソコンとノートとペンだけ持ってスタバに行きましょう。(家の中ではダメです。とりあえず騙されたと思ってスタバに行くのです。)

オープンスペースで道行く人が自然と目に入る環境は、確かにグダグダになりがちな自室とは明らかに違う気づきがあった。
自分のことを考えているのに、自分自身に没頭しすぎない。
ふっと顔を上げ、あ、あの靴ステキーとか、こういうバッグとスカートを組み合わせれば一貫性が見えるのね〜私だったら......
などなど。通りすがりの人たちを見るともなしに眺めることで自然と一呼吸入れなおして、また自分へ振り戻ることができる。
考えこむあまり一周回って自己嫌悪に陥ってしまうような行き過ぎた過集中を未然に防ぎ、しっかり内面に潜りつつ外側から見た私をバランスよく考えられる気がした。

なるほどこれは良い......と思ったが問題がひとつ。
思いつくままにつらつら書き連ねるにはフリック入力全然使えてなかった。条件をひとつひとつ洗い出していこうにも、誤字誤変換が激しすぎて一々引っかかってしまって思うように進まない。
現にこの記事も、箇条書きしたメモを頼りに自室のデスクトップさんをダカダカたたいている。次は、ノートとがっつり筆記具持参かな。

出ず入らずの靴が欲しい

・フラットでガンガン歩ける
 →大好きを詰めこんだパンプス、ご機嫌でいられるのは5,000歩が限界。
・多少の悪天候は物ともせず
 →靴底がしっかり滑り止めの効いているもの、でも雨対策が一番の目的ではないのでTheレインシューズ素材は違う。
・スニーカーよりキチンと目の場面に対応出来る
 →スニーカーだとちょっと気兼ねするシーン≒さっとスマートな脱ぎ履きがしたい。紐靴は試着チャレンジを繰り返す日や朝慌てている時はちょっと億劫。
そんな、主張しすぎない、私の大好きを全部まるっと受け止めてくれる、懐の深い白ご飯のような土台になる靴。

この条件でいえばきっとバレエシューズやローファーがオススメされるだろう。
が。
バレエシューズはスカートスタイルにあわせるにはちょっとかわいいに寄りすぎるし、かかと細めなので大抵カパカパに脱げてしまう。
ローファーはいまひとつ名前にときめかないし(すぐ怠惰に流されてはいけないという戒めもこめて)、どちらかといえば甲が綺麗に見えるデザインが好きだ。
かといって甲が浅い綺麗目のフラットシューズはびっくりするくらい靴底が薄いものばかりで、雨風になんてさらされない快適地下道やおキレイな絨毯の上専用靴にしか思えない。

こうなると、いざオンラインショップで検索と意気込んでもカテゴリで絞りこもうにもジャンルがわからない。
洗い出した条件が、「これが良い!」よりも「これはちょっと......」に偏るあたりがらしいといえばらしい気がする。
えぇえこの手のファッション系サイトって除外検索という概念は存在しないんです⁉︎ 検索下手勢に優しくないよとシステムにぶちぶちぼやきながらも、逆に、or検索にして希望しないもの以外にチェックをつけていけば良いのかと地道大作戦。

そうやって、違う、これは違うとひとつひとつ選別しながらはたと腑に落ちた。靴って本当に、自己評価だ。探す過程からすでに。

コンセプトと言えるほどまとまってはいないが、ちょっとずつ、自分を表すキャッチコピーのような何かを考えている。
今のところ『逆接のひと』『めんどいのがお好き』『素直なあまんじゃく』『斜め下からギャップ萌え』『くるくるときらきら』あたりが候補に入っている。
検索するためにとても大事なキーワードを、ストレートに一言では言い表せないあたりがとても『私らしい』。
そんな直接関係ないところでもムフフと一人合点しながら見つけた候補のひとつがこちら。

ローファーとバレエシューズのええとこどりやん
しっかりした靴底条件どこいった

違う。違うのだ。(逆接)
脱ぎ履きしやすいという今回譲れないものぐさ条件(めんどくさい)の前に敗れ去ってしまったレースアップシューズへの純粋なときめき(でも好き)を、どちらも満たしてくれる靴だ。
ちょこんといかにも後付感のある、ね、フラットでも可愛いを忘れていないわアピールをしているリボンと違って、ちゃんとデザインに連続性があって機能面でも必然の感じられるこの紐飾りならありかなって思ってしまったのだ。
ツヤツヤキラキラ好きなのにホースビットにときめかないのはなんでだろうとちょっと自分でも不思議だったのだが(逆接)、この流れでストンと腑に落ちた。そうか、甲が深いのともうひとつ、轡を靴に持ってくる意味がわからないからか。ダジャレ?(ファンの方ゴメンなさい)
イヤ(逆接)、機能面では全く必然性のないデコも大好きだ。ブラウスの前立てにずらっと並んだ飾りボタンとか大好きの極みだけれど(逆接)、
靴の中ではデコラティブな部類に入るだろう、うっとりするような職人技のブローグたっぷりウイングチップ、いつかスニーカーを一足アップデートしたいという思いはあるものの(逆接)、
今回靴には求めていないのだ。(ああなんてめんどくさい)

でも(逆接)きっとこれワイズ広めだよな〜試着は試ちゃ......新潟⁉︎ という現実はひとまず全部まるっと置いといて、大好きフォルダに格納したところで時間切れ。
好きを集めて理由を掘り下げ言語化していく作業はとても楽しかった。
そしてこのとても感覚的な「腑に落ちる」という納得を言葉に落としこむことが、自問自答の醍醐味のひとつなんだろうなと感じた。何事も、とりあえず文字情報から入る活字大好き人間ですから。

ということで、この日は靴下を新調して帰った。


いつか来る試着チャレンジの日のために。