見出し画像

【お悩み相談】 仕事を辞め収入0となっても自分の価値を見失わない

NY在住 何歳からでも諦めない人生をデザインする心理カウンセラー・コーチ 平野さきです。

元旦の翌日から普通に仕事が始まるニューヨーク。
その分、クリスマスを含む今週は多くの人が休暇をとっています。
実家に帰省し家族でクリスマスを過ごす人が多く、
人が減って静かなニューヨーク、は過ごしやすいです。

しかし、ロックフェラーセンター、タイムズ スクエアをはじめ、
観光地は旅行客でいつもに勝る賑わい。
初詣で混み合う神社並みに
人で溢れています。


本日も ココロノマルシェ に寄せられたお悩みに回答します。

せいこ さん

久しぶりに根本さんのブログをみて、よし思い切って相談してみようと思い立ちました。

実家は代々続く田舎の神社で、先代宮司の父は多趣味で外では活躍していたものの家では朝から酒を飲んでは家族を怒鳴り散らし、母はおしゃれ好きなもののヒステリックでわがままで、両親ともにとっても見栄っ張り。長男の兄は自閉症気味で青年期に精神疾患を患い入院していたこともありました。姉はそんな家に嫌気をさして実家には寄り付かずさっさと結婚し長く海外で暮らしていました。私は、家族特に兄や姉とどう接していいのかわからず、母にべったり、学校ではなかなか友達ができず、中学2年の時にはいじめにも会いましたが勉強は好きだったので頑張って地元の医学部に行って医者になりました。

ところが、小学校時代から全然友達ができなかったのですから当然ですが、大学生活に全然なじめず、すっかりやる気をなくしてしまいました。それでもなんとか卒業し医師国家試験に合格して無事医師となることができました。

研修医として働き始めたものの、人と接するのが苦手なもので、周囲の医師や看護師、患者さんやその家族、製薬会社の方など、他人とコミュニケーションをとることができず大変苦労しました。医師としての研修どころではなく、ただただ苦しくて、コミュニケーションや対人関係についてばかり勉強していました。要するに、医師としての適性に欠けていた
、ということですね。そこで進路変更を考えるべきだったのですが、、、両親は私が医師となったことを大変喜び、ことあるごとに周囲に自慢していました。そんな両親の期待を背負ってしまうと、医療現場に適応できずどんなに辛い思いをしていても、自閉症気味の兄が神職として全然うまくふるまえていないのをしり目に両親の前では医師として頑張っているふりをするしかありませんでした。

なかなかなじめず2~3年で病院をクビになり職場を転々とする日々。でも医師の高給を両親は大変喜び、私の給料は両親にとってまさしくおこずかい状態。食事代や衣類、ブランド品、実家のリフォーム代までいっぱい貢ぎました。休みごとに実家に帰っては炊事や掃除など家のことを手伝わされました。
11年前、父が急死し兄が神社の後を継いで宮司となりました。その頃より母が認知症となり、その介護を結局兄一人に押し付けてしまいました。姉が外国から帰国して神職の資格を取り実家の神社を手伝い兄と姉で神社を切り盛りしていました。その姉の紹介で私は見合い結婚をし地元へ帰ってきて今は夫の両親と同居しています。子供はいません。7年前に認知症の母を主治医として自分で看取り、その後姉が乳がんで亡くなり、身内は兄と私だけになってしまいました。一方で職場とけんかしては辞職を繰り返しており結局、外科も内科も、外来も病棟も訪問診療も健診も、25年医者をやったけど何もできず何も残らず、専門医も取れず最後は完全に燃え尽きて仕事を辞めました。

もう仕事なんかしたくない。働きに出たくない。家にいたい。人に接するのはもう嫌だ。完全な引きこもりです。
で、株式投資をはじめました。株で何とか収入を得ようとしたのです。
ところが、株を始めて2年程になりますが全く勝てない。資金を失う一方です。でも、株を勉強する気にもならず、私には株で稼ぐ力がないようです。

その一方で、還暦を過ぎて独身一人暮らし、自閉症気味の兄が氏子さんから信頼され尊敬される宮司となるよう、妹の私がサポートに回ろうと決意しました。亡くなった姉は神職として兄を手伝いましたが、私は神社の仕事には一切関与せず徹底して兄の衣食住の生活面をサポートしていくこととしました。毎日、朝は夫の弁当作り、夕方に実家で食事の支度とひたすら料理を作っております。休日は庭の草むしり。おかげで料理はメキメキ上達し実家の庭は立派な日本庭園となりました。

医者をやめて引きこもりになって、実家に身を寄せて料理を作り続けて、広大な実家の庭の手入れをし、さて第二の人生をどうしたらいいものか、、、現状では収入がなく貯蓄を切り崩して切り詰めて生活しています。経済的な不安が付きません。夫も、結婚当初との経済的落差に失望の色を隠しません。私はお金のことなど一切気にすることなく好きなことをやりたい。まあ今はそれが料理ですけど。
医師時代は周囲にお金のことで依存され通しでした。それだけ収入もありましたし。結婚当初も夫は食べ歩きや温泉など豪遊して大変喜んでおりました。しかし無職無収入となった今は、経済的な包容力のある男性を好きになってみたいとも思ってしまうのです。一時の気の迷いかもしれません。真面目にサラリーマンやっている夫と年金暮らしの義両親に申し訳ないと思いながら。

結論。第2の人生、私はいかに生きるべきでしょうか。まあ、なるようにしかならないんですけど。助言の程よろしくお願いいたします。長文すいませんでした。

せいこさん、
思い切ってご相談くださり、ありがとうございます。
この10年で、ご両親、お姉さまを亡くされ、
沢山の辛い思いをし、チャレンジを乗り越えてこられたことと思います。
本当に、大変でしたね。

残された自閉症気味のお兄様を一生サポートしていこうと決心された
せいこさん。
これまでも経済的に家族をサポート続けたせいこさん、
本当に、家族思いで、優しい女性なのだと思います。

同時に、
自己犠牲的に家族をサポートしてきた部分もあるのかな、と感じました。
そこには、せいこさんの無価値感、罪悪感が隠れているのかもしれません。


自分の価値

しかし無職無収入となった今は、経済的な包容力のある男性を好きになってみたいとも思ってしまうのです。一時の気の迷いかもしれません。真面目にサラリーマンやっている夫と年金暮らしの義両親に申し訳ないと思いながら。

なぜ”申し訳ない”と感じるのでしょうか?
これまでせいこさんは、ご両親、ご兄弟に散々貢いでこられました。
そしてご主人も、
せいこさんの収入のおかげで贅沢に好きなことができたわけですよね。
今度はせいこさんが、経済的な包容力を誰かに求めたい、
と感じるのは当然で、後ろめたく感じる必要は全くないはずです。
せいこさんはこれまでに十分与えてきたのですから。

私は、家族特に兄や姉とどう接していいのかわからず、母にべったり、学校ではなかなか友達ができず、中学2年の時にはいじめにも会いましたが勉強は好きだったので頑張って地元の医学部に行って医者になりました。

対人関係は苦手で、友達もできにくい。
そんなせいこさんは、
勉強を頑張ること、
医者となり、その高収入で家族をサポートすること、
で自分の存在意義を見出していたのかな、と思います。

医師としての研修どころではなく、ただただ苦しくて、コミュニケーションや対人関係についてばかり勉強していました。

もう仕事なんかしたくない。働きに出たくない。家にいたい。人に接するのはもう嫌だ。完全な引きこもりです。

そこまで苦しくて、嫌なのに、
25年間、せいこさんはなぜそんなに頑張って続けることができたのでしょうか?
それは、自分のためですか?
それとも、家族を喜ばせるため、でしょうか?

25年医者をやったけど何もできず何も残らず、専門医も取れず最後は完全に燃え尽きて仕事を辞めました。

せいこさんは”何も残らず”とおっしゃっていますが、
25年医者を続けていて、何も残らないわけはないはずです。
25年の間に、せいこさんに助けられた患者さんは
1000人を超えるのではないでしょうか?

一つの仕事を25年間続けるということだけでも、
誰にでもできることではありません。
しかも、人の命を預かる責任の大きい仕事を、
25年間も、数々のチャレンジを乗り越えて
続けてきたのです。
それがどれだけ素晴らしいことか、
理解されていますか?

高収入=自分の価値

という思考の癖が出来上がっていたら、
高収入を失うと、自分に価値を感じることができません。
収入のない私には価値がない、いわゆる”無価値感”です。

でも、株を勉強する気にもならず、私には株で稼ぐ力がないようです

そこで、また高収入を得るために、株を始めたのも理解できます。


収入がなくても価値がある自分

毎日、朝は夫の弁当作り、夕方に実家で食事の支度とひたすら料理を作っております。休日は庭の草むしり。おかげで料理はメキメキ上達し実家の庭は立派な日本庭園となりました。

医者として多くの患者や仕事仲間と接してきた生活と比べたら、
今の生活はせいこさんにとって、「ひきこもり」に見えるのかもしれません。

しかし、私には、せいこさんの生活はひきこもりには見えません。
家族以外の人に会う機会が少ないだけで、
せいこさんは立派に、生産性があり家族に貢献しています。

その上、料理の腕がメキメキ上達、
実家の庭が立派な日本庭園に、
これらはまさに、せいこさんの本来の能力の高さの表れです。

今のせいこさんにとって、
収入がなくてもOKな自分、
家族に甘えることができる自分、

そんなことに取り組んでみませんか?

そして、25年間ずっと耐えてきたのですから、
今度は、自分が好きなことを、
堂々と自信をもって行ってください。

罪悪感を感じることなく、堂々と。

参考になりましたら幸いです。

***
個人セッションでは、さまざまな視点からさらに深く問題をみて、
継続的に変化をサポートしていきます。

カウンセリングはこちら

***

ご感想などは、下記のコメント欄、またはこちらより頂けると嬉しいです。

また「私の場合はどうなのかな?」「私も相談したい!」という方は、
こちらよりお問い合わせください。

心理カウンセラー・コーチ
平野さき



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?