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【SP Archive 005】私のエモの定義。THE T.V. DINNERS。そしてall out。

私のエモの定義。THE T.V. DINNERS。

今後どんなバンドが現れたとしても、「エモ」という意味がどれだけ変わろうと、「エモ」の国家認定の公式定義が閣議決定されたとしても、
「私のエモの定義はTHE T.V. DINNERS」
ということは変わることはない。

捉え方によっては賛否両論巻き起こしそうな内容でスタートしたが、エモの定義に関して議論をする気は私は全く無いので、ディベートに飢えている方は、「エモい~~!」と連呼する若者たちと議論を交わして欲しい。

2000年から2002年という短い活動期間。リリースされた曲はたったの5曲。
2000年代初頭のあの混沌とした世界情勢、また私は20代前半という多感な時期。

Snuffy SmileからのNAVELとのスプリット7インチは私的Snuffy Smileリリースベスト3に常に君臨しているし、
カセットでリリースされた「残響を残せ」「地下に生きる」「愛と退屈の火炎瓶」の3曲は当時MDに入れて「どの曲が一番好きか」を何度も自問自答し、聴くたびに一番好きな曲がコロコロ変わって大変苦労した記憶があるし、
渋谷GIG-ANTICでのTHE T.V. DINNERSでのライブは人生のベストライブのTOP3に常に君臨している。あの日、Camera&Videoが始まった時にGIG-ANTIC内の空気がヤバいくらい変わったあの瞬間は今でも思い出すと鳥肌が立つし、あの日あの場所にいた人の脳裏にはあの瞬間の空気感が20年以上経った今でも深く刻まれていると私は確信している。

全ての要因が複雑に絡み合い、THE T.V. DINNERSは私のエモの定義となった。


そんなTHE T.V. DINNERSは2013年にまさかの再結成、そしてディスコグラフィー盤"ZANKYO"がStiffSlackからリリースされた。
PiGGiESと同様、目を離した一瞬の隙に私の前から忽然と消えてしまった大好きなバンドの復活。私は興奮を隠せなかった。

THE T.V. DINNERS - ZANKYO

ディスコグラフィーをリリースし、その時だけの再結成ではなく本格的に活動を再開したTHE T.V. DINNERSは、その後7インチを2枚リリースし、2019年にはまさかの8曲入りCDをリリースした。
新しいTHE T.V. DINNERSのサウンドは私にとって奇跡であり珠玉だった。

「前の方が良かった」という人もいるかもしれないが、私は
「前も良い。今も良い。すべて良い。」
である。優劣を付けることだけが全てではない。

再結成後のTHE T.V. DINNERSのライブを観たが、私がライブを観て
「体内の血が滾る(たぎる)」
のはTHE T.V. DINNERSのライブだけである。それは今も昔も何も変わっていない。

THE T.V. DINNERS - Same Title

かなり精力的な活動をしていたTHE T.V. DINNERSだが、コロナ禍くらいのタイミングで表立った活動が見られなくなってしまった。
既に一度失ったTHE T.V. DINNERSが私の前に戻ってきてくれたことが奇跡だったので、また精力的な活動を再開して欲しいなんて、おこがましくて口に出来ない。

でも、私はTHE T.V. DINNERSに精力的な活動を再開して欲しい。
これが、0.2秒での前言撤回である。

出来ることなら、もっと私にTHE T.V. DINNERSの音楽を聴かせて欲しい。
出来ることなら、もっと私の体中の血を滾らせて欲しい。

そんな夢を見つつ、私は現段階でTHE T.V. DINNERSが残してくれた数々の曲たちを生涯愛を持って聴き続ける。


そんな愛すべきTHE T.V. DINNERS。その以前にall outというバンドをやっていたことはTHE T.V. DINNERSの存在よりは知られていないかと思う。

all outはベースメンバー以外はオリジナルのTHE T.V. DINNERSのメンバーである。
そのサウンドは既にTHE T.V. DINNERSの系譜がちりばめられており、より複雑で、ジャパニーズエモーショナルメロディックの超重要バンド。
残した音源がデモ音源やNAVELとのツアー用スプリットテープだけだったというのも神格化を進めた要因の一つだった。

そんなall outのディスコグラフィー盤が2017年リリースされた。

たった1行の文章であるが、これはとんでもないことである。
こうやって、この世に産み落とされた素晴らしい曲が後世に残されていくのは本当に嬉しく思う。
心して聴いていただきたい。

all out - The end of serenade

残念ながら(?)、THE T.V.DINNERSもall outも各種サブスクでは聴くことが出来ない。
もしTHE T.V.DINNERSとall outをまだ聴いたことが無くて、本記事で気になった方は、CDが手に入るうちに購入しておくことを強く強くオススメする。
幸い、どちらのディスコグラフィー盤も2022年10月現在、入手は容易である。
「サブスクで聴けないからあとでいいか」という考えでは、将来後悔する可能性がある。
後悔先立たずとはよく言ったもので、後悔をどうにかすることは残念ながら出来ない。ただし、後悔をしないための事前対策をすることは可能である。健闘を祈る。

【THE T.V.DINNERS関連リンク】

THE T.V.DINNERS Twitter

THE T.V.DINNERS WEB (オンラインストアもあり)

THE T.V.DINNERS Bandcamp(試聴可能)


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