ビートニク・ハンドクラップ 徹底解説
【前提】
まずは、以下の2点を踏まえたうえでビートニク・ハンドクラップに臨んでいただきたい。
① ビートニク・ハンドクラップは不規則である。
もしかするとドラムなどの何かの楽器に連動している可能性もあるが、楽器がわからない私にとっては、その規則性は一切見出せない。
また、(私的感覚による)一般的に「ここ!」と思われる箇所に入っておらず「そこかよ!」というところに入ってくることもしばしば。
② 「踏み込む」と「踏み込まない」
これも私的感覚であるが、一般的に「ここまでやるだろう」という前にハンドクラップがストップすることがある。それを私は「踏み込まない」と呼んでいる。そんな「踏み込まない」のみということは無く、一般的に「ここまで!」というところまでしっかりとやることがある。それを私は「踏み込む」と呼んでいる。
③「映え度」と「難易度」
曲によってハンドクラップを重要している(と思われる)曲と、そこまで重視していない(と思われる)曲が存在している。それによって「ビートニク・ハンドクラップ映え度」を設定した。
また曲によって難易度もかなり異なるため「ビートニク・ハンドクラップ難易度」も設定した。
全て、私の主観によるものである。
1stアルバム "Taste The Sand!!"
Track 01 - Ode To Susie And Joey
デビューアルバムの1曲目を飾るのはシングルにもなっていた大名曲。
これは代表曲であり、かなり規則的であり、ビートニク・ハンドクラップ難易度も低いので、ビートニク・ハンドクラップビギナーはまずこの曲からトライしていただきたい。
Aメロの後に
パパ、パパ、パパ、パン
これだけである。
しかも曲としての映えポイント「とぅるっとぅとぅるっとぅ~」には一切干渉しないので、私たちはビートニク・ハンドクラップと「とぅるっとぅ」を個別に思う存分楽しむことが出来る。
Track 02 - Surf Dancin'
これもビートニク・ハンドクラップ映え度は高い。しかし難易度もグッと跳ね上がる。初見では対応不可能である。
冒頭の歌いだしのワンテンポ後から並行して
パパ、パン、パパ、パパパ
少し不規則なテンポではあるがそこまで難しくない。
しかしここで安心するのはまだ早い。とりあえず4回繰り返し。
サビでは一切ビートニク・ハンドクラップは発動しない。
その後の間奏中にビートニク・ハンドクラップの最大の山場がやって来る。
パパ、パン、パパ、パン、パパ、パン、パパ、パン
パパ、パン、パパ、パン、パパ、パン、パパパパ
パパ、パン、パパ、パン、パパ、パン、パパパパ
最後のパパパパに要注意。
そしてその後のサビの後に唐突に
パパ、パン、パパ、パン、パパ、パパパ
ちなみに2回目の同じタイミングではビートニク・ハンドクラップは発動しない。
まさにこれぞビートニク・ハンドクラップの不規則の真骨頂。これをライブで完コピした時にはめちゃくちゃ気持ちいいはずだ。
2ndアルバム "Bubblecore"
Track 07 - You're The Only One
ビートニク・ハンドクラップ難易度が高く、それに比例することなくビートニク・ハンドクラップ映え度はそこまで高くないというビートニク・ハンドクラップ師泣かせの1曲。
Aメロの後に「踏み込む」どころか「踏み込み過ぎ」くらいの勢いで
パパ、パン、パパ、パン
これを2回繰り返し。
その後、サビの後にはまた「踏み込み過ぎ」の勢いで
パパ、パン、パパ、パン
サビ2回目もあると思いきや、やらない。
素人はここで思わずビートニク・ハンドクラップしてしまうだろう。
そして2番。1番と同様に、と思いきや
パパ、パパ、パパ、パパパ
出た、無意味な不規則。これを2回繰り返し。
2番のサビの後は不規則かと思いきや1番と同じ
パパ、パン、パパ、パン
サビ2回目はやらない。
3番は1番と同様の
パパ、パン、パパ、パン
これを2回繰り返し。
サビ後は
パパ、パン、パパ、パン
サビ2回目もあると思いきや、やらない。
これでfin。
3rdアルバム "Girl Crazy!"
Track 01 - Red Haired Girl
数年ぶりのアルバム1曲目からしっかりビートニク・ハンドクラップ登場。
サビの後の方に
パパ、パパ、パパ、パパパ
これを2回繰り返し。
2回目のサビまではビートニク・ハンドクラップがあるものの、後半の3回目のサビではビートニク・ハンドクラップは出現しないというひねくれよう。
素人はここで思わずビートニク・ハンドクラップしてしまうだろう。
比較的単純ではあるが、全体を通してのスピードが速いのと3回目のサビの罠があるので難易度は☆2つ。
Track 03 - Amanda Tells Me
名曲登場。
サビの後半に
パパ、パパ、パパ、パパ、パパ、パパ、パパ、パパ
8パパである。「踏み込まない」「踏み込む」など一切無しの、至って一般的なリズムである。ビートニクが一般的なビートニク・ハンドクラップをしていると、何か裏があるのではと疑ってしまう。ビートニク・ハンドクラップ懐疑である。
最後の見せ場の「おっおっおっ」にはビートニク・ハンドクラップは干渉してこないので、私たちは思う存分「おっおっおっ」を楽しむことが出来る。
Track 04 - Rock All Night
ビートニク・ハンドクラップ映え度が低めの曲。
サビの後の間奏に
パパ、パン、パパ、パン
2回目のサビも同様。シレっとビートニク・ハンドクラップ。
しかし最後の大サビ後半「わーわーわー」の後に
パパ、パン、パパ、パン、パパ、パン、パパ、パン、パパ、パン、パパ、パン、パパ、パン
これは見事に踏み込まない7パパパン。
Track 06 - Dream Girl
こちらも代表曲。ビートニク・ハンドクラップ映え度も高め。
サビの後の「とっるっとぅ」と並行して
パパ、パパ、パパ、パパ、パパ、パパ
代表的な「踏み込まない」パターン。
「はいはい、踏み込まないパターンね」と容易にはいかないのがビートニク・ハンドクラップ。
2番のサビ後とっるっとぅ並行ビートニク・ハンドクラップは
パパ、パパ、パパ、パパ、パパ、パパ、パパ、パパ
思いっきり「踏み込んで」きます。
3回目のサビはビートニク・ハンドクラップなし、
4回目のサビ、つまりラストでは
パパ、パパ、パパ、パパ、パパ、パパ、パパ、パパ、パパ、パパ、パパ
「踏み込まない11パパ」である。
最後はパパパかもしれないがよく聴こえないのでパパにした。つまるところ、パパパでもパパでもどっちでも大きな問題は無いと判断した。
Track 08 - Sorry
こちらは私が大好きな曲。
ビートニク・ハンドクラップ映え度も、ビートニク・ハンドクラップ難易度も高め。完コピした時の満足度も否応無しに高い。
サビの後に
パパ、パン、パパ、パン、パパ、パン、パパ、パン
踏み込み問題や変則なリズムでもない、安心安全ビートニク・ハンドクラップが2回続く。
そして本曲における最大のビートニク・ハンドクラップの見せ場である間奏。
パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン
パパ、パン、パパ、パン、パパ、パン、パパ、パン
間奏からこれが2回発動する。最後の1ターンは完全に「踏み込まない」
その一歩を踏みとどまるのは容易ではない。素人なら勢いに任せて行ってしまうことは間違いない。その最後の一歩を踏みとどまる難しさにより、本曲は難易度は★3となっている。
4thアルバム "Sweatin' To The Termites "
Track 01 - Pet Shop Girl
アルバム1曲目を飾り、大名曲であり、ビートニク・ハンドクラップ難易度が最高クラスの問題曲。
なんといっても冒頭すぐにビートニク・ハンドクラップが開始される。我々は「カマカマ」からの2秒間でビートニク・ハンドクラップをスタートさせる必要がある。
パン、パパ、パ、パ、パン、パパ、パン、パン、パン、パパ、パ、パ、パパ、パン
いきなり変則である。18年という時がビートニク・ハンドクラップのハードルをさらに上げたのである。
そもそもビートニク・ハンドクラップのボリュームが大きく無いのでビートニク・ハンドクラップ映え度は低めである。
サビの前に
パパ、パン、パン、パン、パパ、パン、パン
サビの後に
パン、パパ、パン、パン、パン、パパ、パ、パパパ
2番のサビの前に
パパ、パン、パン、パパ
2番のサビの後に
パパ、パン、パン、パパパ
3番のサビの前に
パパ、パン、パパ、パン
3番のサビの後に
パン、パパ、パン、パン
パン、パパ、パン、パパ
パパ、パパ、パパ
私には難解すぎて覚えられません。無理です。
Track 02 - Denise Marie
これもイントロ導入からビートニク・ハンドクラップあり。我々は開始0.5秒でこの曲であると判断しビートニク・ハンドクラップをスタートさせなければならない。何が何でも私にビートニク・ハンドクラップをさせないでやろうという思惑がひしひしと伝わってくる。被害妄想ではないはずだ。
パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン
完全に「踏み込まない」7パンからスタート。
その後、ビートニク・ハンドクラップがサビを誘う珍しいパターン。
パパパ、パパ、パン、パパ、パン、パパ、パン、パン
そして最後のパンはテンポではなく熱量が踏み込まないパターン。
2番のサビも
パパパ、パパ、パン、パパ、パン、パパ、パン、パン
3番はAメロ全体から
パン、パン、パン、パパ、パン、
パン、パン、パパ、パン、パン、
パン、パパ、パン、パン、パン
からの
パパパ
このパパパはビートニク・ハンドクラップの中でも最高の輝きを見せてくれる。まさにビートニク・ハンドクラップ界のフラッグシップ。
パパ、パン、パパ、パン、パパ、パン、パン
4番のサビ前に申し訳ない程度に
パン、パパ、パン、パパ、パン、パン
を挟みつつ、3番と同様の
パン、パン、パン、パパ、パン、
パン、パン、パパ、パン、パン、
パン、パパ、パン、パン、パン、
パパパ、パパ、パン、パパ、パン、パパ、パン、パン
再度ビートニク・ハンドクラップ界のフラッグシップ登場。
ラストは
パパ、パン、パパ、パン、パパ、パン
最後の1個無いんかい!とずっこけるくらいに明確に「踏み込まない」で〆。
Track 03 - She's Gonna Kill Me
3曲連続のビートニク・ハンドクラップ。やっとこさ難易度が下がりました。
サビの後に
パン、パパ、パパ、パン、パン、
パン、パパ、パパ、パン、パン、
パン、パパ、パパ、パン、パン
3回繰り返し。
2番のサビも同様に
パン、パパ、パパ、パン、パン、
パン、パパ、パパ、パン、パン、
パン、パパ、パパ、パン、パン
これのみ。なんと優しい。ビートニク・ハンドクラップビギナー向け。
Track 04 - Out Of My League
3曲連続のビートニク・ハンドクラップ。
ビートニク・ハンドクラップ史上、最も早く反応をしないといけない曲。その時間、なんと0.1秒。ギターの1音のみで我々はこの曲と判断し、ビートニク・ハンドクラップをスタートさせなければならない。
パパ、パン、パパ、パン
パン、パパ
この7秒間に2回の「踏み込まない」が発生。
パパ、パン、パパの後の一発パンが非常に聞き取り辛い。がおそらくパンありである。
その後、サビで
パパ、パパ、パパ、パン、
パパ、パン、パパ、(パッ)
パン、パパ
またビートニク・ハンドクラップなのかどうか微妙な音が混じっている。
2番のサビで
パパ、パパ、パパ、パン、
パン、パン、パン、パン
何で1番と変えるん?
ラスト3番のサビで
パパ、パパ、パパ、パン、
パン、パン、パン
唐突に「踏み込まない」
その後流れるように
パパ、パパ、パパ、パン、
パパ、パパ、パパ、パン、
パパ、パパ、パパ、パン、
パパ、パン、パパ、パン、パパ、(パン、パパ、)パン、パパ、パン
()内は明らかにビートニク・ハンドクラップがあるにもかかわらずほぼ聞こえない。ビートニク・ハンドクラップミスであろうか。謎である。そしてそんなことどうでもいい事だということに今更気付く。
Track 05 - Closer To You
留まることを知らないビートニク・ハンドクラップの嵐。
サビの後に
パパ、パパ、パパ、パン
次のAメロには1番に無かった
パパ、パン、パパ、パン
が発生。なんでやねん。
もういっちょ
パパ、パン、パパ、パン
を挟みつつ、その後クロ―ズトゥーユーの合間に
パン、パン
のちょいビートニク・ハンドクラップ登場。
2番は1番と同様の
パパ、パパ、パパ、パン
パパ、パン、パパ、パン
パパ、パン、パパ、パン
という展開を見せながら最後が
パパ、パン
なんでやねん。
Cメロの最後の方に
パパ、パパ、パパ、パン
を挟みつつ、ラストは
パパ、パン、パパ、パン
からの
パパ、パン、パパ、パン
パパ、パン、パン、パン、
パパ、パン、パパ、パン、パパ、パン
でfin
Track 06 - My Darling Mary Ann
世界記録となる6連続ビートニク・ハンドクラップ。
これも名曲です。
サビと同時進行で
パン、パン、パン、パン、
パン、パン、パン、パパ、
パパ、パン、パパ、パン、パパ
完全に「踏み込まない」。
素人なら最後に一発パンを確実に入れてしまいます。罠です。
2回目のサビは
パン、パン、パン、パパ、
パン、パン、パン、パン、
パン、パン、パン、パパ、
パン、パン、パン、パパ、
パン、パン、パン、パパ、
パン、パン、パン、パパ、
パパ、パン、パパ、パン
サビ自体が長いのもありますが、単純に見えて2回目は最後パンであり、サビの最後には1回目のサビよりさらに「踏み込まない」というビートニク・ハンドクラッパー泣かせの難易度。
3回目のサビは
パン、パン、パン、パパ、
パン、パン、パン、パン、
パン、パン、パン、パパ、
パン、パン、パン、パパ、
パン、パン、パン、パパ、
パン、パン、パン、パパ、
パパ、パン、パパ、パン
パパ、パン、パパ、パン
ワンクッション置いて
パパ、パン、パパ、パン、パパ、パン
最後も清々しいほどに「踏み込まない」
Track 08 - Summer Summer
本アルバムで一番輝いている曲、サマッサマ。
これもイントロの1音で本曲と判断してビートニク・ハンドクラップを始めなければならない。
パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン
冒頭8パンを遂行したら、少しクールダウン。
サビのサマッサマとは干渉しないので、ビートニク・ハンドクラップを気にすることなくサマッサマを思う存分楽しむことが出来る。
サマッサマのサビの最後に
パパ、パン、パパ、パン、パパ、パン
当然のように「踏み込まない」
2回目のサマッサビの後も
パパ、パン、パパ、パン、パパ、パン
3回目の4連発サビッサマの後も
パパ、パン、パパ、パン、パパ、パン
パパ、パン、パパ、パン、パパ、パン
パパ、パン、パパ、パン、パパ、パン
パパ、パン、パパ、パン、パパ、パン
とかなり規則的にビートニク・ハンドクラップが入る。
大名曲であり、ビートニク・ハンドクラップ難易度も低く、ビートニク・ハンドクラップ映え度も高いので、ビートニク・ハンドクラップ中級者はこの曲はぜひマスターしてほしい。
実際のライブ映像
ここで、YouTubeにアップされているBEATNIK TERMITESの目下最新のライブ映像を見てみよう。
ライブでは当然のようにビートニク・ハンドクラップは入っていない。
そしてサマッサマはドラムがリードボーカルやったんか!
オーディエンスの中にハンドクラップを意識してハンドクラップをしている方もいるが、まるでデタラメである。ハンドクラップは意識するも、ビートニク・ハンドクラップではないのである。
だから素人は困る。絶好の機会である。来日が決まってから1カ月以上、ずーっとビートニク・ハンドクラップの入っている曲を聴き続けているビートニク・ハンドクラップ・ガチ勢の私がお手本を見せてやろうではないか。
………..
全然出来ねえ!!!!!!!!
ライブでは音源よりBPMが早い、そして音源と違って一切ビートニク・ハンドクラップが入っていないことで、自分自身がビートニク・ハンドクラップをゼロから創り出さなくてはいけないけない。私は創造者にはなれなかったのだ。私は、ビートニク・ハンドクラップをマスターしたと思い込んでいただけで、実際は音源から聴こえてくるビートニク・ハンドクラップに導かれていただけなのだ。
改めて、バンドの方たちが楽器のパートを覚えて演奏をしていることに対して心からの敬意を感じた。
実際の来日まであと少し。私は可能な限りビートニク・ハンドクラップ曲を聴き込み、ビートニク・ハンドクラップ・完コピに向けて邁進する。
ビートニク・ハンドクラップなんて気にせずライブを楽しむのも良し。オリジナルを気にせずハンドクラップをするもよし。そこには様々な人が存在するのと同様、人ぞれぞれのビートニク・ハンドクラップが存在する。
前述の文章で「ド素人が!」とか言っているが、全て冗談である。
本気で言っていたらただのヤバい人である。
ついでにこっそり書いておくと、前述の文章内でAメロとかCメロとか書いているが、イマイチよくわからないまま適当に書いている。ここまでしっかり読み込む人はほぼいないと思うので、ここにこっそりの懺悔として記載しておく。もしここまで熱心に読んでいる方がいたら、もう少し有意義な時間の使い方を考えた方がいいのではないか、と私はあなたにアドバイスする。
BEATNIK TERMITRES来日。心から楽しみましょう。
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