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春待ちニットキャップとスワッチ

「スワッチ」って聞いたことあるでしょうか?

スワッチ(swatch)

素材見本のこと。主に織物ニットなどの生地・革について用いられる。

編み物で言えば、10〜15cm四方の編み見本みたいなものだ。


毛糸のラベルにはたいてい毛糸の情報と共に、
参考使用針と参考ゲージが表記されている。

毛糸のラベル


例えば、
参考使用針 5-6号
参考ゲージ 19目10段

とあれば、5号または6号の編針で編んだとき10cm×10cmの中に、横に19目、縦に10段網み目ができますよ、という意味です。

でも、この通りに編んでも、全く同じ数にはならないことが多い。これは、あくまで参考であって人によってゲージは異なるからだ。

なので、必要な長さを編むためには、実際にスワッチと呼ばれる編み物見本を編んで、自分の編み癖を知るということが大事なのだ。


編み図には通常、仕上がりの大きさや、各パーツの寸法が書いてある。

もし、その通り仕上げたいなら、先に編んだスワッチからゲージを計算して、〇〇cm編みたいなら△△目(段)編むといった感じで目の数を調整すれば良いのだ。

とはいえ、私はせっかちなので毛糸を手にしたらすぐに編み始めたい。
今までは、ほぼスワッチを編まずに作品を作っていた。
ニットを編む人からしたら、えっ?てなるかも知れないけど…。


先日、「暮らしの手帖」という雑誌を買った。
それに「春待ちキャップ」というのが掲載されていた。
モヘアのニットキャップ
明るい色で軽くてあたたかそう。

一目見て、作りたくなった。

雑誌にはこう書いてある。


「春待ちキャップを編もう」
まだまだ寒いこの季節、
街行く人の装いは暗めの色合い。
それでも日差しはまぶしくて、
心は春を待ち望んでいる。
そんな今だからこそ身につけたい、
題して「春待ちキャップ」はいかが。

暮しの手帖28号 早春 2024より



いても立ってもいられなくなり、家にある毛糸を探してみる。
確かモヘアが少し余ってたはず。

モヘア(淡いピンク、桜色)はあった。
でも、糸の太さが合ってない。細すぎるのだ。
2本取りにするか?
そして、編み針はMサイズだと10号が指定されている。でも、うちにあるのは9号。

毛糸の太さも針の号数も合ってない…。

これはもう観念して「スワッチ」を編むしかなさそうだ。

スワッチは10cm四方をきっちり編むのではなく、だいたい1.5倍の15cm四方のものを編み、その真ん中あたりで10cm毎の目を数えるらしい。

さっそく編んでみた。
結論から言うと、スワッチを編んでよかった。

実際にスワッチを編んでみたところ、ただただ編むだけなので、早く作品を編みたいと気が急いたが、我慢して編んだ。
中頃になると自分の編み目が客観的に見られるということが分かり、悪くないかもと思いはじめた。

ついに、スワッチが編み上がり、無事に自分のゲージが分かった。
このときになると、気分はすっかり落ち着いていた。


さらに、簡単な見取り図を書き、仕上がりの長さに合うように目を計算して、必要な編み目の数を書き込んでいく。


思ったより簡単だった。

ていうか、なんで今までやらなかったのか。

あらかじめ計算したおかげで、見通しがはっきりと立ち、安心して編んでいけそうだ。


いよいよ本番。

実際に編み始めると、微妙な誤差が出てくる。
編み図と自分の編んだものを見比べ、ときどき目を増やしたり減らしたり。
そんなことをしながら、現在「春待ちニットキャップ」を編んでいる。
出来上がりが楽しみだ。

#春待ちキャップ

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