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奈良へウエイトリフティングの魅力を伝える「伝道者」菊妻康司監督(天理大・ウエイトリフティング同好会)に聞く!【インタビュー】

ウエイトリフティングをご存じだろうか?重量挙げというとピンっとくる人もいるかもしれない。オリンピックで日本勢がメダルを取ることも多いあの競技というと大体の人は分かると思う。

いかに重いバーベルを頭上まで挙げるかを競う、一見とてもシンプルなスポーツ、しかし実はスポーツの基本の要素全てが必要と言われるのが、ウエイトリフティングです。自分の体重の2倍以上にもなるバーベルを持ち上げるなんとも豪快なこの競技は、とても古くから親しまれてきました。 
                                  引用元:日本ウエイトリフティング協会(https://j-w-a.or.jp/play-enjoy/

そんなウエイトリフティングが、決して盛んとはいえない奈良の地で、ウエイトリフティングを盛り上げようと奮闘している方がいる。天理大学ウエイトリフティング同好会監督・菊妻康司氏。自身もシドニー五輪男子56キロ級代表であり、現在は同好会の選手のほかに、パリ五輪を目指すに女子48キロ級の現役日本チャンピオン・高橋いぶきの指導にもあたりながら、43歳になった現在もバーベルを挙げ続けている現役アスリートでもある。そんな菊妻監督にウエイトリフティングの魅力や、高橋選手との日々について聞いた。

※パリ五輪を目指す高橋いぶき選手について、「THE ANSWER」に寄稿しました。こちらも併せてご覧ください。


―ウエイトリフティングとはどのような競技なのでしょうか

(挙げる重量を)1キロ伸ばすために、細かいテクニカルな部分を調整していきます。ただ力があればいい訳ではなく、下半身を活かしたり、瞬発力やスピードも大事になってきます。その時の調子や筋力などによって細かくフォームを変更していくので、「完成」はないです。またメンタル的なこともすごく結果に反映されるスポーツです。

―天理大学のトレーニングジムの責任者も務められており、東京五輪柔道男子73キロ級金メダリスト大野将平選手らもトレーニングの一環としてウエイトリフティングに取り組んでいます。

体の色んな部分を連動させながら、バーベルという重いものを扱うので、他の色んなスポーツの動きに応用が利きます。天理大学では柔道部やバレー部なども、トレーニングにウエイトリフティングを取り入れていますね。

―奈良のウエイトリフティング界の環境は。

高校の部活動から始める子が多いですが、最近は中学生くらいから始めるケースもあります。県内には3つの高校(奈良商工高・榛生昇陽・大淀)でウエイトリフティング部があり、天理大にも来ています。昨年は1年生が7人入りました。奈良だけでなく全国的にですが、どうしても学生で競技をやめてしまうケースが多いので、彼らが指導者になって新たな世代を育てるという循環を作っていきたいと思っています。

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―天理大学では現在は高橋いぶき選手や森下伊万里選手などトップアスリートも一緒に練習されています。

一緒に練習する学生さんたちもめきめきパワーをつけていっています。現在は同好会ですが、ゆくゆくは部として活動していきたいですね。ほかにももっと高校や中学レベルに競技を普及していけたらと思います。

―改めて競技の魅力とは?

見るスポーツとしてもウエイトリフティングは面白いんです。五輪では細かい技術的な解説が多いですが、本来はメンタルが効いてくるスポーツ。相手が何キロあげたからプレッシャーがかかっているとか、セコンドとのコミュニケーションも重要なので、どういう作戦をたてているとか、そういうことが分かればより面白くなってくると思います。

〈プロフィール〉
菊妻康司(きくづま やすじ)
兵庫県出身。明治大学卒。2000年シドニー五輪男子56キロ級出場。

◆当noteについて
「奈良のスポーツ文化に寄り添った地域密着型スポーツメディアを目指す」という大言壮語を掲げつつ、それとは裏腹にゆるーく、奈良を中心とした関西の片隅のスポーツジャンルを定点観測していきます。当面は社会人スポーツチームの試合情報をキュレーションしたり、気になる県内のスポーツトピックにコメントしたりという形での更新予定。
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