【MLBドラフト】2024ドラフトレビューCLE編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ




1(1) トラビス・バザーナ(Travis Bazzana):2B:右投左打:6/190:Oregon State:-($10.57M)

無駄の少ないスイングでヒットを量産する。秀逸なピッチセレクションを武器に出塁能力が際立つタレントだったが、今年に入ってからローパワーを試合でも発揮できるようになり全方面に隙のない打者へと変貌した。低めのボールを上手くすくい上げて長打に仕留める場面が多くみられる。スピードはあるが、アジリティに欠けておりアームも平凡なため2Bが本職。


CBPA(36) ブレイロン・ダウティ(Braylon Doughty):RHP:右投右打:6-1/196:Chaparral HS:-($2.57M)

90マイル中盤の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップ。速球は最速で97マイルをマーク。スピン量の多い4シームは空振りを奪える球種。変化球もスピンをかけることに長けており、特にカーブは落差、キレともに素晴らしいボール。シンプルなデリバリーなため安定しており、コントロールを乱すことも少ない。チェンジアップの改善に励んでいる。


2(48) ジェイコブ・コザート(Jacob Cozart):C:右投左打:6-3/222:NC State:-($1.94M)

打撃では慎重なアプローチと卓越したゾーン管理で四球を多く選び高出塁率を期待できる。体格は大きいがコンタクトを意識したスイングはバットスピードが速くなく、ローパワーを試合で発揮できていない。守備ではブロッキングや走者のケアは問題ないが、大げさなフレーミングはアマチュアレベルでも通用していないとも。


3(84) ジョーイ・オーキー(Joey Oakie):RHP:右投右打:6-3/200:Ankeny Centennial HS:-($906.8K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。左打者に対してはシンカーをチェンジアップのようにも使う。4シームは高めに投じてアウトピッチに用いる。スライダーは変化量こそ少ないが、キレがよく空振りを奪える球種。


4(113) ラフェ・スレセンジャー(Rafe Schlesinger):LHP:左投左打:6-3/200:Miami:-($643.5K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマークするが、コンスタントには出ない。利き手側に食い込むように浮き上がる軌道を見せる4シームを投じる。アウトピッチは変化量の大きいスライダー。ストライクを投げることに苦労しないが、細かいコマンドはなく速球を痛打されやすい。低いアングルで横から投げるデリバリー。


5(146) エイダン・メジャー(Aidan Major):RHP:右投左打:5-11/200:West Virginia:-($466.9K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で96マイルをマーク。ノビのある4シームを投じる。スライダー/カッターがアウトピッチで小さく鋭く曲がり空振りを誘う。フルエフォートなデリバリーでコントロールも悪いため、リリーフでの器用がメインとなりそう。


6(175) ケイデン・フェイバーズ(Caden Favors):LHP:左投右打:6-3/205:Wichita State:$75K($357K)

90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球はギリギリ平均90マイルを超える程度。コマンドは非常に優秀でいずれのボールでもゾーンの際に投じて、ストライクを稼ぐことができる。


7(205) キャメロン・サリバ(Cameron Sullivan):RHP:右投右打:6-2/178:Mount Vernon HS:-($279.1K)

90マイル中盤の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。1年で5マイル近く球速を上げており、今後もスピードアップに期待がかかる。ノビのある4シームを投じるがコマンドに難あり。カットボールのように小さく鋭く曲がるスライダーがアウトピッチ。チェンジアップは要改善。


8(235) ドノバン・ザク(Donovan Zsak):LHP:左投左打:6-3/185:Rutgers:-($222.8K)

90マイル後半の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で99マイルをマーク。垂れることなく一直線にホームプレートへと向かっていく4シームを高めに投じて空振りを奪う。ほぼこの4シームのみで投球を組み立てている。リリーフ登板時は力が入りすぎてか四球が多かったが、先発時の四球数はそれほど多くない。


9(265) ショーン・マットソン(Sean Matson):RHP:右投両打:6-2/220:Harvard:-($195.7K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。昨夏のケープコードリーグではリリーフとして素晴らしい投球を見せ注目を集めた。速球は最速で94マイル程度だが、リリーフ登板時はノビのある4シームを高めに投げ込み大量の空振りを奪っていた。


総括

 直前にトラビス・バザーナ以外を全体1位指名するとの予想も出回りましたが、当日はつつがなくバザーナの全体1位指名に終わりました。
 ポジションがSSではない点以外にケチのつけどころがなく、ドラフトイヤーの圧倒的なスタッツは同じ大学の先輩アドリー・ラッチマン(BAL)を彷彿とさせます。全体1位で指名すべきタレントであることは間違いないでしょう。
 バザーナ以外の野手は上位10名の中ではジェイコブ・コザートのみ。Cとしての能力は高くありませんが、出塁を意識した打撃はCLE好みの人選となりました。
 今回紹介したブレイロン・ダウティ、ジョーイ・オーキー、キャメロン・サリバンらの高校生投手以外にも10巡目でチェイス・モブリーを指名。ハイシーリングな高校生投手をかき集めたのは、大学生投手の人材不足が影響しているように見えます。
 その大学生投手はリリーフタイプを多く指名。上記の高校生投手のためのアンダースロット要員となりそうです。

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