【MLBドラフト】2024ドラフトレビューDET編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ




1(11) ブライス・ライナー(Bryce Rainer):SS:右投左打:6-3/195:Harvard-Westlake HS:$5.8M($5.71M)

パワーポテンシャルが高く、今後のサイズアップも考えるとシーズン40HRも夢ではないだろう。慎重すぎるアプローチが玉に瑕。SSとしてはオーバーサイズだが、機敏な動きと柔らかいグラブさばきを見せる。投手としてもマウンドに上がるためアームの強さも問題なし。


2(49) オーウェン・ホール(Owen Hall):RHP:右投右打:6-3/185:Edmond North HS:$1.75M($1.89M)

90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で98マイルをマーク。高めに投じて空振りを奪うのが常套手段。低めにはシンカーを投じてゴロアウトを狙う。スライダーは変化量、キレともにアウトピッチとして十分。サードピッチの習得とコマンドの改善が課題。


CBPB(72) イーサン・シフェルバイン(Ethan Schiefelbein):LHP:左投左打:6-2/180:Corona Senior HS:$1.8M($1.09M)

90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で94マイルをマーク。球速こそ平凡だがノビのある4シームで空振りを奪うことができる。ベストピッチは縦に大きく割れるカーブ。カウント球にもアウトピッチにも使える便利な球種。チェンジアップの扱いもうまい。コントロールもまとまっており、フレーム以外はスターターとして十分な素質を持つ。


3(85) ジョシュ・ランドール(Josh Randall):RHP:右投右打:6-4/240:University of San Diego:$700K($892.6K)

90マイル中盤の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で98マイルをマーク。シンカー系の速球をゾーン内に集めてゴロを打たせる。スライダーはカウントを稼ぐためにも、空振りを狙うためにも使える球種。アバウトなコマンドとチェンジアップのクオリティは要改善。


4(114) マイケル・マッシー(Michael Massey):RHP:右投右打:6-5/230:Wake Forest:$522.5K($637.2K)

90マイル中盤の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。スピードが出なくともまさしく浮き上がるような軌道を見せるため、容易に空振りを奪うことができる。縦に曲がり落ちるスライダーも初見ではバットに当てることさえ難しいボール。チェンジアップは最近再度投げ始めたばかり。


5(147) ジャック・ペニー(Jack Penney):SS:右投左打:6-1/190:Notre Dame:$397.5K($462.3K)

今年に入って3BからSSに転向。守備力の高さはSSに移っても健在だが、平凡なスピードが今後足を引っ張ることになるかも。打撃ではローパワーを見出す声もあるが、大学3年間では奮わず。


6(170) ウッディ・ハディーン(Woody Hadeen):SS:右投両打:6-2/195:University of California - Irvine:$300K($354.1K)

HRを打つこと以外はなんでもできるスーパーユーティリティ。コンタクトスキルに優れ、滅多に空振りをしない。ピッチセレクションも優秀で大学では常に高い出塁率をマークしていた。守備ではミスの少ないソリッドさが魅力。手術をしたこともあってアームは平凡。


7(206) ジャクソン・ストロング(Jackson Strong):OF:左投左打:6-1/185:Canisius College:$222.5K($276.7K)

なめらかなスイングでラインドライブの打球を量産することができる。大学でフィジカル/メンタルの両面で成長を見せ、アプローチも成熟している。走塁も積極的で、相手の隙をついて早いタイミングでスタートを切るため盗塁成功率は非常に高い。マイナーカンファレンスでのプレーが多くハイレベルな投手との対戦経験が少ないのがネック。


8(236) イーサン・スローン(Ethan Sloan):LHP:左投左打:6-1/185:Regis U:$27.5K($221.4K)


9(266) ザック・スワンソン(Zach Swanson):RHP:右投右打:6-3/195:Toutle Lake HS:$722.5K($195.1K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマーク。今後さらに速くなることが予想される4シームは回転量が多く、浮き上がるような軌道を見せる。ベストピッチのスライダーは容易に空振りを奪える球種。落差の少ないチェンジアップは要改善。デリバリーが安定せず、ゾーン内にボールを集めることができなくなる時がある。


総括

 今年のドラフトクラスの中ではNo.1の身体能力を誇るブライス・ライナーを1巡目で指名。もう少し早いタイミングでの指名もあり得たタレントだっただけに、少額のオーバースロットで済ますことができたのはDETにとっては大きな収穫となりました。
 その後の高校生は全員投手を指名。今年は大学生投手の層が薄いため、2巡目レベルの大学生投手を指名するくらいならハイリスクを覚悟でハイリターンを狙いにいったのでしょう。
 3巡目以降では大学生投手も指名していますが、スターターに残れるか否かの当落線上の投手ばかり。マイケル・マッシーが復調し、ジョシュ・ランドールがタフなスイングマンへと成長すればこのカテゴリーでも成果を上げることができるかもしれません。
 ライナー以外の上位指名を投手につぎ込んだため野手の層は薄くなりました。マイナーカンファレンス出身のジャクソン・ストロングがプロレベルでもアプローチを変えずに打席に立ち続けることができれば、下位指名からレギュラークラスの野手を輩出することも夢ではないでしょう。


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