【MLBドラフト】2024ドラフトレビューSTL編
上位10人の簡易レポと総括になります。
凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ
1(7) JJウェザーホルト(JJ Wetherholt):SS:右投左打:5-10/190:West Virginia:$6.9M($6.82M)
柔軟かつ鋭いスイングで全方向にハードヒットを飛ばすことができる。積極的なアプローチで早いカウントから勝負を仕掛ける。スピード、スキル共にSSを守るには心許なく2B/3Bに収まるだろう。
3(80) ブライアン・ホリデイ(Brian Holiday):RHP:右投右打:5-11/203:Oklahoma State:$800K($964.5K)
90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマーク。ノビのある4シームをコマンドよく投げ分ける。アウトピッチとして使うスライダーもゾーンの内から外へのコマンドが優秀。カーブ、チェンジアップはアウトピッチには心もとないが打者の意表を突いてストライクを稼げる球種。
4(109) ライアン・カンポス(Ryan Campos):C:右投左打:5-8/190:Arizona State:$669.3K($669.3K)
コンタクトスキルと徹底したゾーン管理で高出塁率をマークする。フィールド全体を使い、野手のギャップを狙うセンスも光る。パワーツールは伴っておらず、プロでは2桁HRは難しいか。シーズンを通してCで出場し続けるタフネスさは魅力だが、スペックが伴っておらずOF転向が濃厚。
5(142) ブレイデン・デービス(Braden Davis):LHP:左投左打:5-11/180:Oklahoma:$485.7K($485.7K)
90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマーク。4シーム系の速球を多投する。ベストピッチはチェンジアップ。空振りを奪えるのはもちろんのこと、ゾーン内に投げ込んでポップフライを打たせることもできる。スライダーもアウトピッチに足るクオリティ。日によって好不調の波が激しいのが難点。
6(171) ジョシュ・クロス(Josh Kross):C:右投両打:6-2/226:Cincinnati:$369.1K($369.1K)
よりレベルの高いリーグに所属する大学にトランスファーしても数字を落とすことなくシーズンを全う。左右両打席でもコンスタントにハードヒットを飛ばせるパワーがベストツール。四球はそれほど多くないが、内角寄りのボールを避けないため死球が非常に多く高出塁率となっている。Cはおまけ程度にしか守れず本職は1B。
7(201) アンドリュー・デュカニッチ(Andrew Dutkanych Ⅳ):RHP:右投右打:6-3/230:Vanderbilt:$300K($288.7K)
2022年ドラフトでは高評価を受けていた高校生も大学では故障に苦しめられ2年間で登板は9試合のみ。今年の春先にトミー・ジョン手術を受けたため、プロでもしばらくは投げられないことが確定的。
8(231) ジャック・ファインドレイ(Jack Findlay):LHP:左投左打:6-3/220:Notre Dame:$400K($229K)
90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。フレッシュマンから好成績を残し期待されていたが、昨年トミー・ジョン手術を受け今年はレギュラーシーズンを全休。ただ、ドラフトコンバインで復帰しており今年中のプロデビューもあり得る。
9(261) ケイド・マギー(Cade McGee):3B:右投右打:6-1/195:Texas Tech:$275K($198K)
パワフルな打撃と強肩を活かした守備が長所。ドラフトイヤーの成績こそ突出したものではなかったが、打球を上げつつ引っ張った当たりを打てる点に高い評価を得る。
10(291) ブライス・マドロン(Bryce Madron):OF:左投左打:5-8/175:Oklahoma:$50K($185K)
小柄な身長と優秀なピッチセレクションが相まって大学時代は常に高出塁率をマーク。コンタクトスキルも上々だがスラッシュヒッターではなく、薙ぎ払うようなスイングでOFの頭を越す打球を放つことができる。守備は平均的で、プロではLFに回るかも。
11(321) ジョン・ジョン・ガズダー(Jon Jon Gazdar):SS:右投右打:5-11/180:Austin Peay:$250K
マイナーカンファレンス所属の大学に在籍していたものの、サマーリーグではトップクラスの投手相手に好成績を残し注目を集めた。バレルフィーリングが高く、野手のギャップを抜くラインドライブの打球を量産する。守備ではミスは少ないがスペックが足りず、2B転向が濃厚。
総括
直前に全体1位指名の噂も出ていたJJウェザーホルトを1巡目指名。ヒッティングツールは実際に全体1位指名を受けたトラビス・バザーナにも負けておらず、プロでもハイアベレージに期待できる。唯一心配なのはプロレベルの投手に力負けしないかという点。
ウェザーホルト以降も大学での実績は十分だが、スペックに不安を抱える大学生を多く指名。
投手ではいかにもSTLらしいプロでもローテーションを回せそうなタイプを獲得しましたが、速球は球速もムービングも心もとなく長打を多く浴びそうなのが怖いところ。
野手ではとにかく出塁を意識した小兵が多く、パワー不足と本来のポジションに留まれなさそうな身体能力が懸念材料。
一方で、上記の特徴とは真逆な選手を投手と野手それぞれ指名しており、抜け目のなさを感じます。トミー・ジョン手術を受けた2人の投手のポテンシャルは非常に高く健康体で復帰すれば大きな戦力となりそうです。
野手ではジョシュ・クロスが伏兵。下位指名からパワーヒッターを輩出することの多いSTLの手腕に期待がかかります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?