【MLBドラフト】2022MLBドラフトレビューCOL編


上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ


1(10) ガブリエル・ヒューズ(Gabriel Hughes):RHP:右投右打:6-4/220:Gonzaga:$4M($4.98M)
90マイル中盤の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で96マイルをマーク。コンスタントに最速に近い球速を出すことができるが、イニングがかさむと露骨に落ちてしまう点が懸念材料。ベストピッチはスライダー。90マイル近い球速で鋭く曲がり、容易に空振りを奪うことができる。チェンジアップのクオリティはまずまず。


1C(31) スターリン・トンプソン(Sterlin Thompson):OF:右投左打:6-4/200:Florida:$2.43M($2.43M)
フレッシュマンからレギュラーとして活躍するピュアヒッター。優秀なピッチセレクションと広角に飛ばすヒッティングツールを武器にハイアベレージをマークする。パワーポテンシャルを高く買う声もあるが、本人はギャップを抜くことに意識を置いているため急激にHRが増えることは考えにくいか。守備は平凡でOF転向もありうる。


CBA(38) ジョーダン・ベック(Jordan Beck):OF:右投右打:6-3/225:Tennessee:$2.2M($2.05M)
優れたバットスピードで長打を量産するスラッガー候補。どの方向にも長打を弾き飛ばせるパワーは今ドラフトでもトップクラスだが、ボールゾーンの変化球に手を出してあっさりと空振りすることも多い。スピードは平均以上でアームも強くCFを守ることもできる身体能力を有している。


2(50) ジャクソン・コックス(Jackson Cox):RHP:右投右打:6-1/185:Toutle Lake HS:$1.85M($1.55M)
90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。ノビのある4シームを高めに投げ込み空振りを狙う。この4シームと対になるのが縦に曲がり落ちるスライダー。スピン量が豊富で、ゾーンの内から外へとキレイに逃げていくため空振りを容易に奪える。細身な体型とチェンジアップのクオリティが懸念材料。


3(88) カーソン・パームクイスト(Carson Palmquist):LHP:左投左打:6-3/185:Miami:$775K($713.3K)
90マイル前半の速球とスライダーのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマーク。ただ、最速が出ることはまれで92マイルが最速になることも。それでもノビのる4シームと低いサイドハンドのデリバリーによるデセプションで変化球並みに空振りを奪える。大きく曲がるスライダーとブレーキのきいたチェンジアップはいずれもアウトピッチとして非常に優秀。コントロールもよいため、今年から先発に転向し見事にローテーションを守り続けた。


4(116) ライアン・リッター(Ryan Ritter):SS:右投右打:6-2/200:Kentucky:$530K($522.9K)
守備に高い評価を得るディフェンシブなSS。スピードは平均レベルだが、打球反応の速さとアームの強さを武器に深いポジショニングで広いレンジをカバー。どんな体勢からでも正確な送球をすることができるボディバランスも有している。課題は打撃で微かに改善の兆しは見えるが、パワーレスなタイプにしては三振が多すぎるか。


5(146) コナー・ステイン(Connor Staien):RHP:右投右打:6-4/200:Central Florida:$400K($390.8K)
90マイル中盤の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。ノビのある4シームがメインで、コマンドも悪くない。スライダー、カーブ共にどちらかというと縦変化するボールで、いずれもアウトピッチに使えるクオリティ。チェンジアップは要改善。コントロールを乱すことがしばしばあり、安定感に欠ける。


6(176) マイケル・プロセキー(Michael Prosecky):LHP:左投左打:6-3/200:6-3/200:Louisville:$300K($296.3K)
90マイル中盤の速球とカーブのコンビネーション。今年はクローザーとして活躍。最速97マイルをマークする4シームを使ったクロスファイアのピッチングを好む。アウトピッチのカーブも優秀。


7(206) コディ・ハフ(Kody Huff):C:右投右打:5-10/198:Stanford:$231.6K($231.6K)
打撃ではコンタクトスキルの高さを武器にハイアベレージをマーク。三振が少なく、甘く入ったボールを確実に仕留める。広角に打つ意識が強いが、それでも平均以上の長打をマークすることができる。守備では視野の広さやスキルの高さは見られるが少しスペック不足。IFを複数守れる汎用性の高さも魅力。


8(236) デービス・パレルモ(Davis Palermo):RHP:右投右打:6-2/180:North Carolina:$175K($185.3K)
90マイル中盤の速球とスライダーのコンビネーション。速球は最速で98マイルをマーク。浮き上がるようなムービングを見せる4シームをアウトピッチに大量の三振を奪う。たまに投げるスライダーのクオリティも悪くはない。ほぼ速球の1ピッチのためプロでもリリーフを務めるだろう。


総括
 1巡目のガブリエル・ヒューズは13年のジョン・グレイ以来となる速球派大学生投手。投手不毛の球団なだけになんとかスケールの大きな投手に育ってほしいところですが、似たようなカタログスペックだったグレイが大きく跳ねることなくチームを去っているのでその点は不安。
 その後も投手・野手ともに大学生を指名。ジョーダン・ベック、スターリン・トンプソンといったコンペンセーションピック前に消えるのではないかと予想されていた2人の野手を確保できたのは大きなプラス。投手ではコナー・ステインら奪三振能力に長ける速球派を多く指名。リリーフでの活躍がなると思われますが、贅沢は言ってられないでしょう。
 唯一の高校生であるジャクソン・コックスはよくもわるくもハイリスクハイリターンなタレント。宝くじを買ったという感覚で見る方が精神衛生上よいでしょう。

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