【MLBドラフト】2024ドラフトレビューNYY編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ




1(26) ベン・ヘス(Ben Hess):RHP:右投右打:6-5/255:Alabama:$2.75M($3.33M)

90マイル中盤の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で99マイルをマーク。スピン量の多いノビのある4シームを投じる。カーブ、スライダーはともにアウトピッチとして有効な球種。大きな故障が多く耐久性に難あり。


2(53) ブライス・カニンガム(Bryce Cunningham):RHP:右投右打:6-5/230:Vanderbilt:$2.3M($1.72M)

90マイル中盤の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。ノビのある4シームをコマンドよく投じる。ベストピッチはチェンジアップ。速球と同じアームスピードからスピードを殺した落差の大きいものを投げタイミングを外す。スライダーは打者に狙い撃ちされることが多く要改善。


3(89) サッチャー・ハード(Thatcher Hurd):RHP:右投右打:6-4/230:LSU:$836.4K($838.9K)

90マイル中盤の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で98マイルをマークしたこともあるが、2年前の腰の骨折後は計測されていない。ベストピッチはスピン量の多いスライダー。鋭く大きく曲がり空振りを奪う。落差のあるカーブも有効な球種。上記の骨折以降コントロールを乱しており、健康体であればスターターとしての素質があるが果たして。


4(119) ゲイジ・ジール(Gage Ziehl):RHP:右投右打:6/223:Miami:$637K($606.7K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。スターターに転向してからは球速帯が落ち着いている。シンカー系を主に投げていたが、今年からは4シーム系も投げ始めておりアウトピッチとしても使える球種。小さく曲がるスライダーも空振りを奪える球種。チェンジアップは要改善。コントロールはよく四球で苦しむことはない。


5(152) グレイセン・カーター(Greysen Carter):RHP:右投両打:6-4/237:Vanderbilt:$440.1K($440.1K)

90マイル後半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で103マイルをマーク。ノビのある4シームは高めにコマンドできれば空振りを狙える球種。フルエフォートなデリバリーは再現性に欠け、コントロールを乱す原因になっている。まずは、まともにストライクを稼げないとリリーフとしても使いづらいだろう。


6(181) グリフィン・ヘリング(Griffin Herring):LHP:左投右打:6-2/196:LSU:$797.5K($339.6K)

90マイル前半の速球とスライダーのコンビネーション。速球は最速で94マイルをマーク。ムービングにも乏しく見せ球程度にしか使わない。縦横ともに変化量が豊富なマネーピッチのスライダーを多投し大量に三振を奪う。ほぼこのスライダーの1ピッチで投球を組み立てているためプロでも大学同様リリーフとしての起用がメインになるだろう。


7(211) ワイアット・パリアメント(Wyatt Parliament):RHP:右投右打:6-4/215:Virginia Tech:$199.35K($265.8K)

90マイル前半の速球とスライダーのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。最速の数字が出なくともノビのある4シームはどこに投じても空振りを奪うことができる優秀な球種。スライダーをメインのアウトピッチとしているが、クオリティはイマイチ。


8(241) タイラー・ウィルソン(Tyler Wilson):OF:右投両打:6-2/210:GCU:$47.5K($215.1K)


9(271) タナー・ボウマン(Tanner Bauman):LHP:左投左打:6-5/225:Auburn:$37.5K($192.6K)


総括

 大学生偏重な指名は今年も変わらず、上位10名に限らず20巡目で契約を断られるのを承知で高校生を指名した以外は全て大学生の指名となりました。
 契約金を集中させた1~7巡目は全て大学生投手を指名。いずれも大学での成績が奮わずともがっしりとしたフレームを持つ投手陣でNYYの好みが透けて見えます。
 大学生投手の中では1巡目のベン・ヘスはもちろんのこと、腰の疲労骨折以降不調が続くサッチャー・ハードのバウンスバックや、イニングイーターの素質を持つゲイジ・ジールの活躍にも期待がかかるところです。
 上位~中位を投手が占めたため野手はアンダースロットを狙った大学生野手のみとなり、今年のドラフトからレギュラークラスの野手が現れる可能性は限りなく0に近いでしょう。


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