【MLBドラフト】2021ドラフトレビューMIN編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ


1(26) チェイス・ペティ(Chase Petty):RHP:右投右打:6-1/190:Mainland Regional HS:$2.5M($2.65M)
90マイル中盤の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で100マイルをマーク。球速につよいこだわりがあるようだが、十分にコントロールしきれていない。一方で、スライダー、チェンジアップといったブレーキングボールはコントロール、コマンドともに悪くなく、クオリティも十分。サイドスローに近い独特なアングルのデリバリーは、不安定で再現性に乏しい。


CBPA(36) ノア・ミラー(Noah Miller):SS:右投両打:6/185:Ozaukee HS:$1.7M($2.05M)
持ち前のヒッティングスキルと守備で評価を上げてきたタレント。パワーには欠けるが、成熟したアプローチとコンタクトスキルの高さで勝負するアベレージヒッター。左右両打席偏りなく打てるところも魅力。守備ではスピードやアームに驚くようなスペックはないが、打球反応の早さと正確なスローイングで安定感を見せる。


2(61) スティーブン・ヘイジャー(Steven Hajjar):LHP:左投右打:6-5/215:Michigan:$1.13M($1.13M)
90マイル前半の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。ACL断裂のため1年の休養期間を経て復活。沈む速球は最速で95マイルをマークするが、不安定で90マイル丁度しか球速がでないときもしばしば。ベストピッチはチェンジアップ。速球と同じアームスピードで投げ、緩急をつける。


3(98) ケイド・ポビッチ(Cade Povich):LHP:左投左打:6-3/185:Nebraska:$500K($593.1K)
90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速でも92マイル程度だが、コマンドがよくコーナーに投げ分けることができる。スライダー、カーブのクオリティは平均レベルだが、絶妙なスピード感で落ちるチェンジアップのクオリティは優秀。奪三振能力も高く、ハイフロアーなタレント。


4(128) クリスチャン・エンカナーシオン・ストランド(Christian Encarnacion-Strand):3B:右投右打:6/224:Oklahoma State:$442.9K($442.9K)
小柄な体につまった筋肉から生み出すパワーがベストツール。スイングスピードの速さに加え、ポイントを前にして打つことでコンスタントに長打を打つことができる。アグレッシブなアプローチで積極的にスイングを仕掛けるが、空振りも多い。スピードは皆無だが、現時点ではアームを武器に3Bに留まっている。


5(159) クリスチャン・マクレオド(Christian MacLeod):LHP:左投左打:6-4/227:Mississippi State:$500K($327.2K)
90マイル前半の速球とカーブのコンビネーション。速球は最速でも93マイルと球威に駆けるが、卓越したコマンドでカバー。ベストピッチはカーブ。スピン量の多いキレのあるカーブで打者を惑わせる。チェンジアップのクオリティも高く、アウトピッチとしては十分。いずれの球種でもストライクを取れる点が最大の強み。


6(189) トラビス・アダムス(Travis Adams):RHP:右投右打:6-1/197:Sacramento State:$253.3K($253.3K)
90マイル前半の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で96マイルをマークするが、コンスタントにマークすることはなく80マイル後半がアベレージになる時も。ベストピッチはチェンジアップ。全ての球種でストライクを稼ぐことができる。


7(219) ジェイクイ・ルカー(Jake Rucker):3B:右投右打:6-1/195:Tennessee:$250K($198.5K)
調子を崩さず毎日ヒットを積み重ねる安定感が魅力。懸念されていたパワーが体重と共に増しており、どの方向にも長打が打てるようになった。三振が多い点は気になるところ。ポジションを転々としているが、IFに留まれるレベルにはある。


8(248) ノア・キャルデナス(Noah Cardenas):C:右投右打:6-1/190:UCLA:$200K($164.7K)
コンタクトスキルを活かしたヒッティングでハイアベレージを残すピュアヒッター。その一方で小柄なサイズとコンタクト重視なアプローチが相まって長打は少ない。守備ではCとは思えない機敏な動きを見せ、ブロッキング等のスキルにも問題はない。プロレベルでパワーレスな打撃がスタッツにどう現れるかが気になるところ。


9(279) パトリック・ウィンケル(Patrick Winkel):C:右投左打:6-1/200:Connecticut:$500K($150.5K)
パワフルな打撃で長打を量産する攻撃型C。積極的にスイングを仕掛けてヒットを狙うアプローチ。コンタクトスキルは悪くなく、三振が少ない。守備では特筆すべきものはないが、ミスの少なさが光る。


総括
 1巡目で高校生Pのチェイス・ペティを指名。1巡目の高校生P指名は13年のコール・スチュワート以来で、長らく避けていたタイプの選手を指名しました。100マイルという球速はスピードガンは裏切りませんが、それ以外の部分で不安な要素が多く1巡目指名はリスクを伴います。トレードでもPを多く指名するなど野手偏重の編成から徐々にシフトしてきており、ペティの指名もその一環なのでしょう。
 高校生Pはペティのみで大学生Pは4人指名。スティーブン・ヘイジャー、ケイド・ポビッチ、クリスチャン・マクレオドの3人はいずれもハイフロアーなLHP。メジャーデビューまでは計算できる堅い指名となりました。
 野手ではノア・ミラーとクリチャン・エンカーナシオン・ストランドの2人に期待がかかります。とくにエンカーナシオン・ストランドのパワーツールは強烈で思わぬ拾い物になりそうな予感がします。

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