【MLBドラフト】2024ドラフトレビューLAD編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ




1(23) ケロン・リンジー(Kellon Lindsey):SS:右投右打:6-2/175:Hardee HS:$3.3M($3.68M)

アメフトのQBとしてもプレーしていたが野球に専念。持前の身体能力の高さはスピードに最も現れており、今ドラフト最速レベル。トップレベルの投手との対戦機会は少ないものの、コンタクトスキルは悪くなくフィールド全体を使う打撃を見せる。守備では経験不足は否めないものの、IFにはとどまれそう。


3(98) チェイス・ハーラン(Chase Harlan):3B:右投右打:6-3/205:Central Bucks East HS:$1.75M($745K)

バットスピードの速さは今ドラフトでも屈指のスラッガー候補。筋肉質な体型で多少詰まってでも外野の奥へと飛ばせるローパワーを有している。ヒッティングに難有だったが改善傾向にある。スピード、アームともに平均レベルでフットワークにも課題を抱えているため、3BからOFに映ると目されている。


4(128) ジェイコブ・ライト(Jakob Wright):LHP:左投左打:6/170:Cal Poly:$553.8K($556.3K)

90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で94マイルをマーク。シンカー系の速球を投げるがムービングに乏しい。ベストピッチは縦横ともに大きく曲がるスライダー。ゾーンの内外を問わずに空振りを奪うことができる。コントロールは徐々に改善されつつあるが、まだ四球は多い。非常に身体能力が高く、小柄なサイズながらもプロ入り後の球速アップに期待できるかも。


6(190) ブルックス・オウガー(Brooks Auger):RHP:右投右打:6-5/215:Mississippi State:$197.5K($315.5K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。ノビのある4シームを高めに投じて空振りを狙う。スライダー、チェンジアップはいずれもアウトピッチとして優秀で、レパートリーは豊富。2年前に受けたトミー・ジョン手術の影響もあって、今年はリリーフとしての登板が主だったが、先発した時は好投しておりプロでもスターターとして投げることになりそう。


7(220) イライジャ・ハインライン(Elijah Hainline):SS:右投右打:5-10/181:Oregon State:$197.5K($247.9K)

小柄なサイズからなんとかハードヒットを打とうとするあまり余計な力が入って空振りが多くなっている。ゾーンの外のボールにもよく手を出すため、三振は非常に多い。守備ではレンジの広さと巧みなグラブさばきを見せるが、アームが弱くSSに留まり続けるのは厳しいか。


8(250) ブレンダン・タニンク(Brendan Tunink):OF:左投左打:6/185:Newman Central Catholic HS:$412.5K($205.8K)

力感のないスタンスからバットスピードの速いスイングにボールを巻き込みハードヒットを打つことができる。小柄ながらもパワーツールは平均以上にあるだろう。守備ではレンジの広さやルートランはそつなくこなすが、アームの弱さがネック。


9(280) コール・マイヤーズ(Kole Myers):OF:右投左打:6-1/195:Troy University:$2.5K($188.8K)



10(310) シーマス・バレット(Seamus Barrett):RHP:右投右打:6-7/220:Loyola Marymount University:$5K($179K)



11(340) エイダン・フォラー(Aidan Foeller):RHP:右投右打:6-3/220:Southern Illinois University Carbond:$147.5K

90マイル前半の速球とスライダー、カーブのコンビネーション。速球は最速で94マイルをマーク。スピードは平凡だが、ノビのある4シームは空振りを狙える球種。いずれの変化球もアウトピッチとして使える点が強み。大学ではスターターとして投げていたが、コントロールの悪さと安定して球速を出させたいのであればリリーフとしての起用も考えられる。7


12(370) コディ・モース(Cody Morse):LHP:左投左打:6-6/210:Weatherford College:$147.5K



総括

 1巡目でドラフト直前に急激に評価を上げたケロン・リンジーを指名。昨年に引き続きスピードタイプの高校生野手の指名となりましたが、パワーツールに高い評価を受けていなかった選手を20HRクラスの選手に仕立てることもある球団なので持前の身体能力の高さを打撃に落とし込むことができればまったく不可能な話ではないでしょう。
 3巡目と8巡目でも高校生野手を指名。3巡目のチェイス・ハーランはドラフトコンバインで大学生に交じって打球速度のランキングに入っていたローパワーに優れる選手。8巡目のブレンダン・タニンクもパワーに秀でたタレントで1巡目のリンジーとは対照的な指名となりました。
 大学生は主に投手を指名。中でも注目なのはブルックス・オウガー。トミー・ジョン手術経験者でドラフト時ですでに23歳と若くはないですが、レパートリーが豊富で出力も高く下位指名ながらも早期昇格もあり得るでしょう。
 QO案件の選手と契約したこともあって複数の指名権を失っていましたが、それを感じさせないタレント揃いのドラフトとなりました。

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